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第3話 甘縄凪沙は自己紹介をしたい

 帯刀先生の出席確認が終わると先生の提案で自己紹介が始まる。

「稲荷第一中出身。高校ではバトミントン部に入ろうと思ってる。よろしく!」


 最初に威勢よく自己紹介を始めたのは出席番号1番の秋月祢音さんだ。秋月さんは僕と同じくらいの身長で女子にしては結構大きい。

 バトミントン部に入るというぐらいだから中学もバドミントンをやっていたのだろうか。

 そんな思案を巡らしているうちに凪沙の自己紹介が始まる。

 「甘縄凪沙よ。みんな1年間よろしくね!」

 髪を手にくぐらせながら自信たっぷりに言う姿にはクラスのみんなも思わず見惚れてしまっている。自己紹介が終わったと思い次の宇佐美さんが立とうとした瞬間、

 「あと、そこの柳とは...その...幼馴染だからっ、よろしく!」

 なぜか凪沙はそうやって顔を真っ赤にしながら意味不明な説明を付け加えて席に座る。

 教室のみんなは状況を理解できていないように固まる。

 (凪沙もはじめてで緊張しちゃったのかなんて...頑張れ凪沙!)

 そう思って凪沙にファイト!のポーズを見せるも、凪沙は机に伏してこっちを見てくれない。

 

 なんていうことを言ってしまったんだと私は机に突っ伏す。

 (恥ずかしすぎて汗止まんない!今...自分の顔どうなってるの!?)


 教室の一同はここで理解する。


 (ん?......あぁ...ん?もしかしてそういう感じ!?えっ、まじで)


 (まさかこれってそういう事!?ねぇねぇそういう事だよね!)


伏せながら耳をそばだてて周囲の反応を確認するとなんだか教室がザワザワしている。


泣きそうな顔で昴の方を見ると


(いきなり飛ばしすぎだろ!凪沙!)

 そう言わんばかりに片手を額に押し当てて呆れたような表情でこっちを見てくる。


 私は家の自分の部屋のベットに座って今日のことを思い出す。

 その後の記憶は全くなくて家にどうやって帰ったのかも覚えてない。

 (明日からどういう顔で接すればいいのよ!)

 風呂上がりで少し湿っている頭を抱えて悶絶する。

 思い立って、昴に[明日からどうすればいいのよ!]とメッセージで送ると、数分後には既読がついて

[そんなこと言ったってどうすんだよ]


[しかもクラス全体の前で言うなんて]


[これで作戦立てろって言うんじゃないんだろうな]

と立て続けに悲惨なメッセージが返ってくる。

[とにかく]


[作戦考えといてね!明日までに]


 強引に自分でもわかるくらい強引な要求を送信し、後から送られてくる昴からのメッセージは無視してスマホの電源を消す。乱暴にスマホをクッションに投げ置くと布団に入って全部忘れて寝ようとしてみた。


 「...」

 

 「.......」


 「全然眠れない!」


 結局ずっと柳とのことを考えて夜中まで部屋をうろうろしていたらお母さんに叱られてしまった。

 それでも歩き回った甲斐もあって疲れたみたいで気づいたらベットの上で目が覚めた。

 小鳥のさえずりが聞こえる。

 少し寝不足でクマのできた顔を洗い、クマをコンシーラーで隠して、鏡の前で自分と向き合い、入念に準備をして家を出た。左を見るとちょうど柳も家を出てきたとこだった。

 「おはよう...あんた今日は早いのね。」

少し緊張しながら喋りかけると


 「凪沙おはよう!今日はしっかり5:30から起きて準備したからね!!」


 そうやって自信満々にいう柳を見て

(あんなことがあったのにいつも通りなんてどうなってるの、柳の頭の中は!...ていうか5:30はさすがに極端すぎでしょ!)

 私は脳内でツッコミを入れると同時にいつも通りの柳であることを再確認し少しホッとする。

 今日から学校の授業が本格的に始まる。


(まずはホームルームで委員会を決めるところからよ。気を引き締めなきゃ!)


 そう心に誓う私はまだ、柳たちと都立清花高校で過ごす3年間がどんなものになるか知る由もなかったのだ。

 第3話を見ていただきありがとうございます!次の話から本格的に高校生活が始まります!

 さて、今回は最初に自己紹介をした祢音さんのプロフィールです。


名前: 秋月祢音

年齢:15歳

生月日:12月20日

身長:167.5cm

出席番号:1番

好きなこと:きつねうどん・バドミントン・お金

好きな言葉:「用意周到」 理由は準備が一番大事だと思っているから。

苦手なこと:理科系の教科



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