黒衣の隣人～窓際の少女～

「貴方は誰？」
少年は少女に出会う。物語はそこから始まる。
「私にはね、触った相手を死なせてしまう力があるの」
「触ったくらいで人が死んだりするもんか」
特殊な力をもった少女と、好奇心旺盛な少年。
「だから学校にも行ってないの」
「行けるようになるさ。絶対に」
少年は少女を外へと連れ出す。
ささやかな喜びと幸せ。開けたかと思われた明るい未来。
しかし少女の家族が追いかけてくる。
「自分が何をしでかしたのか分かってるのかっ、このガキっ！」
「今問題なのは貴方のほうなのです」
それでも少年は少女を助けようと抗い続ける。
「行くなっ、真夜っ！」
少女の力は本物なのか、それとも虚偽なのか。少年は身をもってそれを示す。
これは少年と少女の出会いと、物語の始まりの物語。