2-3.プランB?
2-3.プランB?
警備員ゾンビはテーブルからさらに床へ転げ落ち、しばらくのたうっていたが、やがて動かなくなった。
「……」
ルチアは茫然自失。
「頭を撃ち抜かれていたのに」
『脳が破壊されても動くなんて』
マーガレットも驚いている。
『おいおい、ワクチンがこの部屋に散布されちゃったよ』
フラニーが肩をすくめる。
『……プランB?』
ジェニファーが言った。
「そんなもの考えてないわよ」
ルチアはドカッと椅子に座り頭を抱える。
「こうなったら、もー、ミサイルでぱーっとこの区画全部を焼き払ってもらうしかないわね」
『でた、リセットボタン式』
ジェニファーが合いの手を入れる。
『そこはつっこめよ』
フラニーがツッコミを入れた。
「いや、ボケた訳じゃないけど」
ルチアはつぶやく。
軽口を叩いていると、少しは元気が出た気になる。
『腑に落ちないわね』
マーガレットは首を捻った。
『これまで遭遇したゾンビは頭を破壊されたら動かなくなったのに、この部屋のゾンビは頭を破壊されてるにもかかわらず動いた』
『進化したんじゃね?』
ジェニファーは頭を掻きながら適当に言った。
退屈してきたのか、デスクの書類を適当に漁っている。
「どういうことかは分からない。けど、それを解明するより先に次の方策を考えないと」
ルチアは少し沈黙。
その様子はまるで祈りを捧げているかのようでもある。捧げる先は邪神だが。
「教団に連絡、状況を説明して、どういう選択肢があるかを探ってゆくのがよいかな」
『替りのワクチンがすぐに届くかどうかだねぇ』
フラニーはニヤニヤしている。
アクシンデントを面白がっている様子だった。
『じゃあ導師達に連絡するわ』
マーガレットはそう言って目を閉じる。
心話で教団の導師達と会話しているようだ。
『……ワクチンの替わりはすぐには届けられないようね』
「そしたら本格的に爆発エンドルートか」
ルチアは自嘲気味に笑う。
『『それなんて、バ○オw』』
フラニーとジェニファーの声がハモッた。