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異世界転生したら女神から追放されたけど、成長率∞倍チートでスキル取り放題なので第二の人生も余裕でした!~後悔してももう遅い、俺はこんな残念人生とはサヨナラです~ ≪短編版≫(連載版はありません)

作者: 暇人のアキ

 気が付くと俺はそこに立っていた。

 どこまで行っても真っ白で、何もない空間。

 いつの間にか、そんな奇妙で息の詰まるような場所にいた俺は当然、恐怖と驚きの声を――


「うっひょーーーー!これがいわゆる『転生部屋』ってやつか!本当にあったんだな!」


 ――上げるはずもなく、漫画やアニメなどで何度も見た光景に一人興奮していた。

 おお、地面がないのに歩けるぞ!

 なんか変な感じだな。

 見えない壁もないし、本当に何にもないところだな。


 と、俺が早くも少し飽き始めていると、どこからか声が聞こえてきた。


「――夢玄葉(むげんば) 伊太郎(いたろう)さんですか?」


「おお、この神々しさ溢れるBGMと大人のお姉さん的な声は、巨乳系女神様――」


 うんうん、やっぱ女神と言えばこんな感じの声だよね。

 いや、もちろんロリ系も好きだけど。

 なんなら美少年もおじいちゃんも不定形も全部好きだけど。

 さてどんなお姿をしているのかと後ろを振り向くと、そこには一台のテープレコーダーがあった。


「あ、ちなみにこれは録音ですのであしからず」


「まさかのリモート!」


 なんてこった!

 例のウイルスの脅威は神様にまで及んでいたのか!


「あ、ちなみに例のウイルスは関係ないです。一々相手をするのが面倒だから自動化が図られただけです」


「異世界転生ブームによって深刻化する神様不足ってやつですね、分かります」


 そりゃあ、あんだけ異世界転生しまくってたら神様も足りなくなるよね。


「さて、本題に入りましょう。あなたは死にました」


「ああ、猫を助けようとしたらトラックが突っ込んできてそのまま……」


「死因は過労死となっていますね。お疲れさまでした」


「えぇ!」


 そんなバカな!

 俺まだ高校生だぞ!?


「えっと、なになに?猫を助けようと道路に飛び出したら、居眠り運転のトラックに轢かれ――」


「うん、そうそう」


「たと思いきや、同じく死んだはずの人々と共に宇宙人と戦い――」


「え!?知らない間にG◯NTS的な感じに……」


「なんだかんだで生き残ったけど今度は謎の秘密結社の陰謀に巻き込まれて、手に入れた能力を駆使して敵のボスを倒して世界を救い――」


「めっちゃ大活躍してる!記憶がないうちに世界救ってんじゃん!」


「なぜか自分の秘密を知ってる転校生とか、子どもの頃に結婚の約束をした幼馴染とか、未来から世界を救うためにやってきたアンドロイドとか、宇宙から侵略してきたスペースノイドとか、地下帝国に追われる身となった人型決戦兵器とか、異世界からなんかアレしに来た機人だとか、そのあたりの女の子になんやかんやで好かれてハーレムを築いて――」


「ちゃっかり良い思いしてる!そして謎のロボ娘率の高さ!あと『なんかアレ』って何!?面倒くさくなるなよ!」


「子宝にも恵まれ、12男123女の子どもがいて――」


「ビッ◯・マムかよ!ってか女の子率たっか!」


「――そして、なんやかんやでスーパーハイパーレアダークウルトラソウルアルティメット大宇宙帝国初代皇帝となって過労死しましたとさ。おしまい」


「『なんやかんや』の間にエラいことやってる!すっげえダサい名前の国作っちゃってる!そりゃあ過労死もするよな、仕方ない!」


「さらに、その影響がなんやかんやしてトラックに轢かれた以降の記憶が消えましたとさ」


「その『なんやかんや』は仕方なくない!!なんでそんな都合のいいところだけピンポイントで忘れてるの!?俺だってハーレムとか作ってみたいんだよおおおおぉぉぉぉぉ!!」


 体は何人も子どもをつくってるのに心は童貞だなんて、そんなのあんまりじゃないか……!


「ああ、もうぎゃんぎゃんうるさいですねえ。男がメソメソ泣くもんじゃないですよ」


「…………これ録音なんですよね?」


「あ……………………わ、私は神なので未来くらい簡単に分かるんです。なので見えた未来に合わせて話しています。はい、これで良いですか?」


「今、めっちゃ辻褄合わせしようとしましたよね?どう考えても後付け設定ですよね?」


「そ、そそそそんなことないですよ?」


「動揺がすごい……っていうか録音した理由を、面倒くさいから自動化したって言ってませんでした?未来見てるのなら大して変わらないんじゃあ……」


「……チッ、グダグダうるさい男ですねえ。これだから童貞(精神)は」


「初めて聞く言葉でこっちの心を抉ってきた」


 もうやめてぇ!

 俺のライフはとっくにゼロよ!!


「……まあ、いいです。本題に入りましょう」


「そのセリフ、本日2度目ですが」


「あなたはその体のまま異世界に転生することができます」


「……1回死んだけど赤ちゃんに戻らずにそのままの姿で異世界に行くタイプは、はたして転移なんでしょうか?それとも転生なんでしょうか?」


「知りませんよそんなの」


「いや、大事でしょう!この作品のタイトル見てくださいよ!読者に『こんなのタイトル詐欺だ!』とか言われたらどうするんですか!」


「いや、だから知りませんよ」


 もう本編は9割くらい終わったけど、タイトル回収はちゃんとしなきゃねえ?


「ゴホン、転生特典は成長率∞倍です。これがあればスキルが取り放題ですよ」


「え、∞倍!?それはもうチートってレベルじゃなくないですか!?」


 ∞倍ってつまり……ええっと……なんか凄そう!


「最低限の説明は済ませましたし、もう面倒なので送っちゃいますよ?」


「いや、あの向こうの世界についてもっと詳しく……」


「はい、あなたを天界から追放します。お疲れ様でしたー」


「いや、ちょ、タイトル回収雑過ぎないですかあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!?」


 俺の足元にポッカリと穴が開き、俺はその穴の中に落ちていく。

 超上空にでも出されるかと思いきや、意外と高さはなく、すぐに足がついた。

 まったく、あの女神め。

 世界観説明の大事さを分かってないな。

 さて、気を取り直してまずは周囲を見渡して――



























『スキル【気圧耐性】を獲得しました』


「へ?」


『【日光耐性】を獲得しました。【酸素耐性】を獲得しました。【高温耐性】を獲得しました。【低温耐性】を獲得しました。【高温耐性】及び【低温耐性】の獲得により、二つのスキルが融合します。【温度変化耐性】を獲得しました。【斬撃耐性】を獲得しました。【即死耐性】を獲得しました。【煽り耐性】を獲得しました。【タンスの角に小指をぶつける痛み耐性】を獲得しました。【精神汚染耐性】を獲得しました。【洗脳耐性】を獲得しました。【毒物耐性】を獲得しました。【薬物耐性】を獲得しました。【幻覚耐性】を獲得しました。【タッチバリアでタッチを逃れようとする友達のウザさ耐性】を獲得しました。【タッチバリア無効】を獲得しました。【タッチバリア貫通無効】を獲得しました。【対タッチバリア貫通専用バリア突破無効】を獲得しました。【タッチバリア以下略】を獲得しました。【落下耐性】を獲得しました。【炎属性魔法耐性】を獲得しました。【炎上耐性】を獲得しました。【感電耐性】を獲得しました。【死亡フラグ<蝶ネクタイにメガネの子どもと出会う>無効】を獲得しました。【死亡フラグ<カプ◯ン製のヘリに乗る>無効】を獲得しました。…………全ての【死亡フラグ無効】を獲得したため、ユニークスキル【主人公補正】を獲得しました。【「くっ、殺せ!」無効】を獲得しました。【「やったか!?」無効】を獲得しました。【第二形態無効】を獲得しました。【デスゲーム無効】を獲得しました。【異世界転生無効】を獲得しました。【追放無効】を獲得しました。【婚約破棄無効】を獲得しました。【衝撃耐性】を獲得しました。【世界崩壊耐性】を獲得しました。【銀河滅亡耐性】を獲得しました。【次元消滅耐性】を獲得しました。【タンスの角に小指をぶつける痛み耐性】が【タンスの角に小指をぶつける痛み無効】に進化しました。【痛覚無効】を獲得しました。【物理攻撃無効】を獲得しました。……………………全ての耐性スキル及び無効化スキルを入手したため【なんやかんや無効】を獲得しました。続いて、攻撃スキルです――――』


 俺の頭の中には一瞬にして∞の情報が詰め込まれた。

 俺の脳はその膨大な量の情報を処理しきれずに焼き切れてしまう。

 こうして、俺こと夢玄葉(むげんば) 伊太郎(いたろう)は廃人になって死んでしまいましたとさ。

 おしまい


Q.本当にタイトル回収した?

A. 異世界転生したら女神から追放されたけど、成長率∞倍チートでスキル取り放題なので第二の人生も余裕で(死亡)した!~後悔してももう遅い、俺はこんな残念人生とは(本当の意味で)サヨナラです~


うん、したね

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