7章32話(ハーレム編_クリスマスパーティ) 次の対象
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生徒会選挙が終わり、時間が少し時間が経った。
(その間に少しイベントがあったが、また次の機会で触れよう。)
「アリア、もう生徒会は慣れたか?」
「ええ。大分疲れないようになってきたわ」
「そうか。国も違うし、何より、元居たところではどうだったかはわからないが、この学校の生徒会は仕事が多い。疲れてないか心配していたが、杞憂だったようだな」
「心配ありがとう。そうね。色々慣れないことが多くて疲れることがたくさんあったけど、それも大分慣れてきて大丈夫になったわ。これも、色々支えてくれた副会長さんのおかげね♪」
「そうか…それならよかった。」
上機嫌のアリア。こちらに微笑んでくる。それに俺は苦笑する。
この苦笑を作るのにも、俺は時間がかかったが、上手くできているだろうか。
生徒会室で俺とアリアは今、事務作業を行っていた。
他の役員はすべて帰宅させ、二人の時間だった。
「ほら、お茶だ」
「あ、ありがとう…。おいしい」
アリアの席までお茶を持ってくる。その横に俺は座り、話しかけた。
「アリア。そろそろ、クリスマスパーティが始まるが、それについて少し話したい」
「ええ。わかったわ。……それにしても、この学校、本当にイベントが多いわね。」
苦笑するアリア。それに俺は同意した。
「そうだな。林間学校に、文化祭。それに今回のクリスマスパーティー。ほかにも体育祭とかもあるが、こんなにイベントが多い学校もないだろう。しかも、その規模も大きいと来ている。イベントの主催者の立場である俺たちからすれば、大変以外の何物でもないな」
「そうね。本当に大変。でも、やりがいを私は感じているわ。みんなの笑顔になる光景を思い浮かべるだけで、うれしくなる…。和人君、やっぱり後悔している?」
「ああ、後悔しているさ」
俺の顔をのぞくアリアは不安気な様子を浮かべていた。そして泣きそうな顔をしていた。
今度は俺は、苦笑を『作った』のだった。
「まさか。冗談だよ。だからそんなに泣きそうな顔をするな。後悔なんてしていないさ。大事な友人のサポートができる。楽しいもんだ」
「和人君…」
アリアの手を握る。小さな手だった。
その小さな手を、握るつぶしたいほどの苛立ちを俺は感じていた。
それを感じさせないように、俺は表情を作ること、笑顔を浮かべることに専念した。
アリアのうれしそうな笑顔から、目を背けたかった。
「今度のクリスマスパーティーは、この間の文化祭よりもよりカジュアルな行事だ。文化祭のように、イベントの内容に制限はない。クリスマスにあったものだったらなんでもいい。だから、楽しいイベントになるさ。そうさ、……俺とお前で、楽しいイベントにしよう。みんなに笑ってもらおうな。俺とお前なら、なんだってできるさ」
「うん、……うん! そうだよね、和人君…」
俺とアリアの距離が近づく。
潤んだ瞳。
キスまでもう少しだった。
……もう少しで、あいつから連絡が来るか。
俺のポケットに入っていた携帯が音を鳴らす。
「すまない。ちょっと電話に出る。」
「え、ええ…。どうぞ」
恥ずかしそうに眼をそらすアリアを横目に俺は電話に出る。
生徒会室の窓の外から、電話の主であるだろう姿をみかけた。
校門の前に、みんなに注目されながら電話をしている様子だった。
俺はそんなあいつの、昔と同じような姿に、無表情を作ろうと心掛けた。
その電話の主は、キンキンとした声で俺を怒鳴りつけた。
「ちょっと和人! いつまで私を待たせるj気なの!? 早く校門前にいらっしゃい! 早くいくわよ!」
「はいはい、わかったよお姫様……」
「お姫様じゃない! 名前で呼びなさい!」
「ああ、そんなに大きな声で怒鳴るな……美姫」
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