表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そうだ、女の子を壊してヤンデレにしよう(旧題:そして俺は彼女達を堕とす)  作者: pawa
7章 花の笑顔。そして、俺は彼女を壊した。
95/106

7章30話(ハーレム編_クリスマスパーティ) 久しぶりの

………

……


「ほら、アリア。このポスターはどうだった? イケてただろう? いい顔しているしな」


「ちょっとやめてよ和人君。恥ずかしいわ…」


「そうか? お前の魅力が一番出ている写真を選んで作ったんだが…」


「そう言ってくれると嬉しいけれど…。この写真、私と和人君だけの秘密って前約束したわ!」


「あはは。冗談だよ。これは没案。誰がこんな役得な写真、他のやつらに見せるかよ」


「もうっ! …うふふ」


俺とアリアは確実に距離を詰めていった。

二人の作業が増えるにつれて、こうなることは予想ができていたのだ。いや、こうなることをのぞんでいたのだ。


支援者たちはたくさん作った。俺や華の伝手を中心に、そして春香と海の交友関係から募った。

多くの人間が集まった。だが、それでも俺とアリアを中心に活動していった。


俺が活動方針を検討する。その後、アリアに許可をもらい、メンバーたちに俺が動くよう連絡する。その流れだった。


だが、こういったポスター作り等の重要となる作業は俺がすべてやっていた。

この作業、そしてこいつとかかわること自体が面倒だが、『重要』なことだった。


「でも、ごめんなさいね。全部和人君に任せるみたいになっていて……」


「だから何度も言っただろう。気にするなって。俺はお前の力になりたいんだよ。」


「和人君…」


「お前は重要なイベントだけ、そうだな、生徒たちの前に立つイベントだけ気にしていてくれ。雑務は俺がやる。期待しているぞ、未来の生徒会長」


「うんっ! ありがとう和人君」


二人でまた手を重ねあう。それはもう慣れたことだった。


その様子を見ていた奴がいる。そう、華だ。


「……あんたたち、私が目の前にいること忘れていない? 何イチャイチャしているのよ」


「べ、別にイチャイチャなんて…」


「ふーん、そうなんだ…。」


焦るアリア。そしてジト目を俺に向ける華。

俺は頭を掻きながら答える。


「はぁ…。しょうがないだろう。俺とアリアは二人での作業が多い。こうして冗談も言い合う仲にでもなるだろうが」


「……別にあんたたちが急に距離を詰めて、こうしてイチャイチャしてることなんて、別にどうでもいいんだからっ」


「そっぽを向くな。後、安いツンデレの言葉を吐くな。」


「誰がツンデレか!」


これは、ちょっとご機嫌取りが必要だな。


「はぁ……。アリア。今日はもう終わりでいいか?」


「え、ええ…」


「じゃあ今日は解散にするか。華、ちょっと帰り道付き合え。」


「あー、ちょっと待ちなさいよ!」


今まで話していたのは喫茶店だった。

会計を3人分済ませ、華の手を引きながら店を出る。


目指したのはまず雑貨屋だった。


「ほら、何か欲しいもの言えよ。それで機嫌なおせ」


「物で釣るな!」


「わかった。じゃあジュース買ってやるからそれでどうだ?」


「だから物で釣らないの!」


華の求めているもの、不満はわかっていた。それが物で解決することができれば一番楽だった。

…だめな友人だな俺は。すぐに楽な方法に逃げようとする。


「はぁ…。華、わかってくれ。今は忙しいんだ。アリアの選挙もある。」


「べ、別にわかっているわよそれくらい…」


「もうすぐ終わる。後はアリアが演説するだけだ。」


「うん…」


「まだ何か不満があるのか? 今度二人で遊びにいく時間を作る。それでもだめか?」


「……」


「言ってくれないと、言葉にしてくれないわからない。不満があるなら正直に言ってくれ。直すよう努力する。」


「…じゃあ。」


華が俺の制服の袖を握り、俯く。


「……だって、あんたたち、急に仲良くなったりするから」


「俺とアリアが仲良くなるの、お前は嫌か?」


「……別にそういうわけじゃない。和人、今までアリアに距離とってたの、感じてた。それが解消されたのは友達として嬉しいわ。でも…」


「でも?」


「……あんたたち、急にあんなに仲良くなるなんて思わなかった。私、なんか置き去りにされたようで…。」


「……」


「……それに、和人が私から離れていっているようで、なんかやだっ」


そういって華は俺の胸に軽くパンチしていた。力弱く、腰も入れないパンチ。それが俺の心に罪悪感を作った。


「……華。いつものところに行くぞ」


「えっ…?」


そうしてやってきたのは、いつもの公園。

そう、華の家の前にある公園だ。


ベンチにお互い座る。


「ほら、ココアでいいだろう華?」


「うん…」


飲み物を買ってきて、ベンチに座っていた華の横に座る。


静寂が訪れた。

だが、それは苦じゃなかった。久しぶりの心地よい時間だった。


「華」


「……何よっ」


「やっぱり、お前と居る時間が一番安心できるわ」


「…ふんっ。他の女の子にも言ってるんでしょっ」


「言ってねぇよ。……少し疲れた。膝貸してくれ」


「ちょっとっ! ……もうっ。わかったわよ」


半ば無理やり、俺の頭を華の膝の上に。

別にこの行為は特別なことではなかった。たまにこうして二人の間でやっていた。

また少し、静寂な時間が訪れた。


「こうして二人でゆっくり膝枕するの、久しぶりだな。」


「そうね…。」


膝枕して、俺は空をぼーっと見上げる。

しばらくすると、そんな俺に華は頭を撫でてくれた。


「ねぇ、あんた少し瘦せた?」


「あー、そう見えるか?」


「そんなにきついの、選挙活動?」


「別に…。…問題なく処理できる量だ」


「じゃあ何で疲れてんのよ?」


「…ぶっちゃけていいか?」


「ええ。」


「正直、まだアリアと話すのは、……きつい」


「…はぁ。そうだと思った。」


「うん? わかってたのか?」


「急に距離が近くなったなって思ってた。でも、ここまで歩いて冷静になって思い返してみると、やっぱりあんた無理に笑っているように見えたなって。でも、それ気づくの遅れて何か悔しいなって思ってた」


「あはは、なんだそれ」


「はぁ…私もまだ表面的なことしか見えてなかったわねぇ」


「そんなことないと思うぞ?」


「現にそうじゃない。あんた、やっぱり何か無理してたのね?」


「ああ、そろそろ距離を詰めなきゃなって。俺から歩み寄る姿勢を見せないとって思ってな」


「何で急にそう思ったのよ?」


「秘密だ」


「どうしても?」


「どうしても、だ」


「わかったわよ…。アリアと、昔何かあったの?」


「それも秘密だ」


「はいはい。…って、あんたが先にアリアと仲良くなりたいって言ってなかったっけ? 思い返してみると」


「あー、今は思い出すな。それも秘密だ」


「秘密秘密って、……わかったわよ。しょうがないわねぇ」


また、少し静かな時が経った。


「寒くなったな。そろそろ行くか」


「ええ、そうね」


「今日はお前の家で飯食べていいか?」


「いいわよ。弟たちも歓迎するわ。ほら、夕食の材料買いに行きましょう」


「ああ。」


………

……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ