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そうだ、女の子を壊してヤンデレにしよう(旧題:そして俺は彼女達を堕とす)  作者: pawa
7章 花の笑顔。そして、俺は彼女を壊した。
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7章29話(ハーレム編_クリスマスパーティ) 見解の違い

アリアを脅していた俺。準備不足だとせめていた俺。


一言で言うと、言い過ぎだった。

普通の学校で、事前にそこまでやっている奴はいるか? いないだろう。その場のノリで、教師たちから言われた選挙のために必要な作業をこなし、選挙期間に臨むだろう。


だが、アリアの確実な仲間…、確実に距離を詰めるために必要な流れだった。


これも言った方がいいだろう。

アリアが生徒会長になる、それはこの時間軸の俺が見ても、規定路線だった。


まず、教師受け。それはもう合格ラインに到達していた。普段の生活態度もよく、そして学校主催のボランティアにも参加している。参加させる流れに持っていたのは俺だが。参加させていた理由はほかにもあるが、別の機会に述べよう。

成績も優秀だった。俺が横にいるから当然だろ?


そして生徒受け。これもトップクラスでよいと考えている。

まず、まっさらな状態で、何も知らないやつがどのような基準で生徒会長に投票するか考える必要がある。

大きく分けて、以下の2つだ。

・ビジュアル。

・施策内容。


施策内容については、正直ウェイトは低い。誰が真面目に見るというのか。

ビジュアル面、それがトップクラスだった。言うならば顔投票。生徒会選挙に参加しそうなやつらの中では断トツだったのだ、アリアは。


では、障害は他にないのか? 何か見落としはないのか?


そう、あるとすれば、立候補者の縁だ。


「アリア、事後報告だがいいか?」


「ええ、何かしら」


二人で選挙に立候補するための資料を作成していた。お互い、各資料の作成を分担し、その作業に集中していた時。


「前に俺言ったよな? ある程度事前に票を集めることができるのか?と。」


「ええ、そうね」


「お前はすでにクラスで人気者だ。クラスの大半はお前に票を入れるだろう。」


「…ありがとう。そうだと嬉しいけれど」


アリアはすでにクラスでも受け入れられている。それはすでに分かっていること。

この学年になって、アリアと同じクラスになったが、確実にアリアはクラスで人気を集めていた。カースト関係なく、皆アリアを慕っている。


「では、他のクラスについてだ。俺と華で、各クラスの友人たちに声をかけた。皆、お前に投票してくれると言ってくれている。他の立候補者を置いても、だ。」


「……」


俺がわざわざ面倒なことをしていた理由、その一つの縁つくり。それをしていた理由のまた一つがこのためにあったといっていい。

確実にアリアを会長にするために、こうして縁を作っておいた。


「やはり納得いっていない顔だな」


「……ごめんなさい」


「受け入れろ、としか言えない。何事もそういうものだ。将来、サラリーマンになっても、事前の調整が必要になる。その練習と思ってくれ。」


「……ええ。」


「ああ、後まだ言うことがあったな。……この流れでいうのはアレだが、この学年だけじゃないんだ。下の学年でも、だ。」



「え…?」


「海や春香に相談して、下の学年のネゴもとっている。海と春香の人脈はやはりすごいな。多くの生徒がお前を支持してくれる」


あるべきものはなんでも使う。それが『この時間軸』での、俺の方針だった。

海や春香は今は後輩で一つ下の学年だが、彼女たちはその学年のアイドルといっていも過言ではない。男にも、女にもだ。誰もが彼女たちを慕っていた。それを利用させてもらったのだ。


「ねぇ……、本当に申し訳ないのだけれど、……やっぱりそれはフェアじゃないと思うの。」


「……」


「周りの立候補者のみんなは、そんなことしていないと思うの。みんな、頑張って選挙活動して、真摯に演説して、票を集めると思うの。私は正々堂々と臨みたい。和人君が頑張ってくれたことは本当に感謝しているわ。だけど、こんなやり方…。」


予想通りの答えだ。


「なるほど。お前のフェア精神は尊敬する。だが、それをしているのは俺だけではない。」


「え…?」


「他の立候補者の様子も裏で見たが、みんなそのような活動をしていたぞ。春香たちにも聞いてくれて構わない。その様子を春香たちも見たからだ。だから、お前だけ気にする必要はないということだ。」


「でも、他の人がやっているからと言って、私がやっていい理由になるわけじゃ…」


「生徒会選挙のルールにおいて、それがNGだとは記載されていない。許容される範囲内だ。実際に、そのような行為を行っている生徒を教師たちはみている場面に出くわしたが、それをとがめてはなかった。」


「……」


それでも納得いっていないようだった。

やはりクソ面倒な女だな。

…おっと、本音が漏れてしまいそうだった。


「アリアが納得いっていないことは理解できる。だから、こういうことも支援者たちに伝えておいた。」


「え…?」


「彼らがアリアの演説内容とかの選挙活動を実際に見て、最終的には判断してほしい。アリアの言葉、行動を見て、ちゃんと考えてほしいと。他の候補者が良いと思ったら、それを優先しても構わないと。だから、無理強いはしていないんだ。投票者に任せているんだよ。ただのアリアという候補者の紹介程度にとどめておいたに今回は近いんだ。」


「そう、……それなら。」


まあ嘘だが。


「アリア、ますます尊敬する。お前はすごいよ。あくまでフェアで闘いたいっていうところ。俺にはない部分だ。」


「い、いえ…恥ずかしいわ。」


「だからお前には本当に生徒会長になってほしいと思っている。頑張ろうな。」


「ええ! ありがとうね、和人君」


「お前には負担をかけて申し訳ないが、朝の校門でのあいさつに出たいと思っている。一部の立候補者もそれに出ると聞いているが、お前の顔を売るいい機会だ。」


「ええ、それくらい大丈夫よ。」


「ありがとう。後、俺の方でポスターの原案も作っている。いくつか案があるが、後で見てほしい。」


「ええ。色々とごめんなさいね。」


「他にも色々と二人で話し合おう。一緒に演説の原稿も作ろう。お前の思いがこもっていることが第一だが、それをうまく生徒に伝えられるようにしたいんだ。だから、俺にも手伝わせてくれ」


「ありがとう……。でも、いいの? 本当に色々任せているのに…」


申し訳なさそうな顔をするアリア。

ここがねらい目だった。


アリアの手の上に、俺の手を重ねる。


「え…?」


「気にしないでほしい。俺をもっと頼ってほしい。俺は本当にお前に生徒を代表する立場になってほしいんだ。そして、大事な親友の力になりたいんだ。俺なんか力になれるかわからない。それでも、だ…。」


「か、和人君…」


見つめあう時間は少しだったが、俺には永遠に思えた。


「アリア、少し休憩しようか。お茶でも飲もう」


「ええ、そうね…。」


こいつとの時間、そして距離感に耐えられなくて、話題を変えた。

そうして、確実に会話、そしてこいつとの距離感を稼いでいった…。


………

……



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