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ずれた感覚のお嬢ちゃん

作者: 皇帝の宿命

「時に…友よ」


長い黒髪を正反対の色の白いリボンで後ろを結びポニーテールをしている志村由香理シムラユカリは親友である卓道友夜タクミチユウヤの部屋で正座をマジックショーのバラエティー番組を勝手に見ていた由香理は友夜…通称『友』に疑問に思ったことを問おうとしたが先程から友夜は胡座をかき、ずっとラノベ…涼宮ハ○ヒの消滅を見ていた。友夜は読むのをやめ、手に持ったラノベをきちんと巻数順に整理された本棚に直した。それを見計って聞いた。


「友よ、このハンドパワーは紛い物だ」

「はい?」


友夜は意味が解らなかった、今バラエティー番組に出ているマジシャンは世界でも三本指に入るハンドパワーを使う有名マジシャンだ…それが紛い物と主張するずれた感覚をお持ちの由香理に驚いた。


「紛い物?」

「あぁ、私が知っているハンドパワーはこんなものじゃない!」


いや、それ君がおかしいだけだからと心の内に思う友夜と自信満々に言い張る由香理。一応何故あのマジシャンが紛い物かと聞くことにした。


「なんで、紛い物なんだ?」


溜め息混じりに。しかし、そんなことを気にしない由香理は淡々と語った。


「ハンドパワーとは…粉砕!玉砕!だからだ!!」


と強く手を握り、天に掲げた由香理は威風堂々に見えなくもない…多分。


「ハンドパワーとは」


何処からともなく、人の頭ぐらいある石を何処からともなく出した。その石を片手で持ち上げて彼女は高らかに叫んだ。


「こうだ!!」


そして、何処から音も無く出した石を手の圧力で見事に粉砕した…あとで掃除してくれよ。粉砕された石は床にちりばり、友夜の飲もうとしてたココアの中に豪快に入っていった。ちなみに彼女はココアは既に飲みきっていたし何よりにもコップを頭に乗せていた。


「どうだ、友」


「なにが…」


「これこそ、ハンドパワーだぁぁぁ!!」


やはり、ずれた常識感覚をもつ彼女…由香理はもう手遅れかもしれないがここは一応。


「すごいな…」

「だろう!」


誉めよう、これも彼女なりの頑張りだと僕は思う…心の奥底では

「ツッコめよ!」ともう一人の僕が叫ぶが無視しよう。それが幸せにつながるんだ…きっと。


「あっははは!」


彼女は笑う…ずれた感覚を持ちながら、笑った。

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