1話・始まりの村
白い光が無くなり辺りは見晴らしがいい平原が広がっている。
「ここが異世界か……自分の見た目は……前世の時と同じか」
辺りを見回したあと自分の手足を確認する。
身長は170cm程で少し痩せ型、顔はイケメン……ではなくどこにでもいるような可もなく不可もなくといった感じ。服は駆け出し冒険者が着るような布の茶色のローブに茶色のマント。
「てか神様お詫びの品のこと教えてくれなかったな。お詫びって言うぐらいだからチート能力とかかな?はぁぁぁ!!」
(しーん)
何かを込めるようにして手を前出すが何も起こらず。
「やっぱりダメか。どうにかしてステータスとか確認できればお詫びの品の正体も分かるんだけど……ステータス!」
(しーん)
「ステータスオープン!」
(しーん)
「メニュー!」
(し~ん)
「ウィンドーオープン!」
(しーん)
「パル〇ンテ!」
(しーん)
それから暫く思いつく限りの単語を唱えたり、手を横に切ったりボタンを押すようにジェスチャーしたりするも何も起こらない。
「だめか。ここまでしてもダメならそもそもステータスが存在していないのか特別なアイテムが必要なのかな……よしっ!そうと決まれば情報を集めなきゃ。近くに村か街があればいいんだけど」
勘で決めた方向にまっすぐ歩き始める。
何も無い平原を1時間ほど歩いてやっと村が見えてくる。
「やっと、やっと見えてきた。もうちょっと近くに転生させろよまじで。けどこれでやっと情報得られる」
村の入口までたどり着いた時、見張りをしていたガタイのいい村人に声を掛けられる。
「兄ちゃん。冒険者か?プレートを見せてくれるか?」
「プレート?」
「そうだよ。冒険者ならギルドからクラスを表すプレートを渡されるだろ。兄ちゃんは見た感じブロンズクラスだろ?」
「じ、実は盗賊に襲われて全部奪われたんだ」
「普通は首に下げておくものだろ。服は無事なのにプレートだけ盗られたのかよ」
「そ、そのたまたま……そうたまたま外してて道具袋に入れてた時に襲われて(こんなでまかせで信じてもらえるかな……)」
「……そうか。それは災難だったな。じゃあ仮証明書作ってやるから少し待ってな」
そう言うと村人は小屋に入っていく。暫くすると仮証明書と書かれた紙を持ってきて裕太に渡す。
「プレートがあればそいつの名前や犯罪者かどうかをすぐ確認出来るんだが盗られたんなら仕方ないな。これを持っていれば3日はこの村に滞在できる。それ以上滞在したいならまた俺に言うかギルドでプレートを作り直すんだな。あ、自己紹介がまだだったな俺はこの村の警備隊をやってる アルベード だ。」
「俺は 鈴木 裕太です。ありがとうアルベードさん」
「ゆうた か。変わった名前だな。お前盗賊に襲われたってことは金がないんじゃねぇのか?宿とかはどうするんだ?」
「あっ、そうだ。どうしよう……」
「アテがねえなら家に泊めてやろうか?色々手伝ってもらうがな」
「いいんですか?」
「かまわねぇよ。仕事が終わったら呼びに行ってやるからそれまで村でも見学してな」
「ありがとうございます」
大幅に修正どころか全部書き直しました。
次回ぐらいに主人公のステータスを公開できるのいいな