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眠りの森

今日は少し遅くなってしまって申し訳ございません。

 それと、前回の話の件ですがとりあえずハルトルートを書いてから決めようと思います。もし仮に書かなかったとしても、大事な部分だけは書くつもりです。


59      眠りの森



ここは眠りの森…………ノワールからそれぞれ単独行動するように提案されてからいきなり飛ばされた。さすがに慣れては来たものの、いきなり一人にされるのは結構寂しかったりする。一人で冒険をするなんて、初めて異世界に来た時以来かな?

 あの時は俺もまだ若かったな…………初めての異世界なのに永遠に【浮遊】で浮いていたり、草原を歩いて草を食べたりして。あの時はやること無さ過ぎて草しか食べなかったけど、思えば一回だけレベルが上がったけどそれは何はあったのだろう。


草の中に小さな虫とか居たのかな…………?…………まあ、よく分からないからそういうことにしておくとしよう。とりあえず今はこの【眠りの森】を頑張って攻略しよう。

 ノワールの話だとこの森の主を起こせば森から出られるって話だけど…………そもそもこの森の主ってなんなんだ?


(【解析:この森の主について】。)


《 解析が終了致しました。

   この森の主種族【亜人族】。個体種族名【オーガ】。この森に多く生えている【永眠キノコ】を食してしまったことから目覚めなくなったと言われており、その【永眠キノコ】の効果が森に充満していてここに迷い込んだ人間やモンスターも眠りにつかせる。 》


…………解析を使った結果、俺の想像の斜め上を行く過去があったということだけは分かった。何より【永眠キノコ】ってその名前の通り永眠してるだけなんじゃねえの?もしかしたら素既に死んでるだけなんじゃねえの?

そんなことを考えていると、俺の右にある茂みからガサガサという音が響いて俺の耳に響く(耳ない)。とりあえず戦う準備を始める俺だけど、ここの森の生物は眠りについているってさっき言ってなかったか?

―――ガサガサ…………ガサッ!!


俺のことを認識したのか、茂みの音は最後だけ大きくなって何かが飛び出してきた。

これが本当の草むらからポケ〇ンが飛び出して来たって奴なのだろうか?今となっては懐かしいけど、子供の時は毎日遅くまでやりこんでたっけ。


「何だ。わりと強い魔力を感じて期待してきたと言うのに、ただのゴーストか。ただの無駄足だったな…………」


(!?。ま、マジか…………!?)


草むらから飛び出してきたものに警戒をしていた俺だけど、その姿が明らかになると少し驚くと感動が隠せなくなってしまう。長い手足…………口は悪いけど顔は結構なイケメンだし、何より前世の俺と同じ黒髪だ。顔とか体格は全然違うけど、髪色だけは前世の俺と同じ黒髪であった。それだけでも嬉しいのに、草むらから飛び出してきたのはアンデッドでも亜人でも、魔獣でもない…………。


そう。草むらから飛び出してきたのは誰が見ても間違えることはない【人間】だった。俺は心の中でガッツポーズをしながら戻ろうとする人間に声をかける。


「あにょ…………ちゅっとまて…………」


…………精一杯努力した結果、これが今の俺の限界であった。長い舌を頑張って巻き、少しでも話しやすい状態を作りだしたというのにそれでもあれが限界であった。

まるで話すのが初めてという赤ちゃんみたいな感じでした離せなかったというのに、一度振り返った人間はピタッと足を止めて振り返った。


(お、もしかして興味を持ってくれたり―――)


「ああ?何か言ったか最弱のアンデッドモンスター。今は巫女が居ねえから浄化パージできねえが、この森を抜けたあとに巫女に突き付けてやる」


――――違ったね。持ったのは興味じゃなくて殺意だったんだね?

 自らフラグを立ててしまったと言うことに気が付かなった俺は、結構過度な期待をしてしまったけどそれを全て消し飛ばすかのように人間が言葉を放つ。


(すみません、すみません!すみませーん!!!)


相手に聞こえないということは承知の上で心の中で必死に謝った俺。けど、気が付いたら人間は既にどこかに行っていた。何か結構機嫌が悪そうな感じだったけど解析の人が言っていたような迷い込んだ人間なのだろうか?でも、あの人間は眠っていなかった。

 俺と同じで睡眠を無効化する加護とか特性とかを習得しているのかもしれないし、もしくわ気合で我慢しているだけなのかもしれない。


迷い込んでいる者同士なら是非とも協力をしていきたいところだけど、初っ端で機嫌を損ねてしまった俺に成す術は無し。このまま二人とも別行動をとる他ないだろう。

まずはこの森の主を探すとしよう。




※※※






(【魔力撃】!!)


「ふぎゃぷ!?」


眠りの森に生存するモンスターの一つ――――コボルトを【魔力撃】一撃であの世に送った俺は、さらに森の奥へと進む。森の奥に進みながら何回か【解析】を使った結果、この森と出現モンスターについて少し分かった。この森は【眠りの森】と呼ばれる前は【迷いの森】と呼ばれていたらしく、その名の通り迷い込んだ人間やモンスターを惑わせるらしい。

 この森の名前が変わったのは今の主………【オーガ】がこの森に迷い込んだ時に口にした【永眠キノコ】のせいだという。本来は食べた者のみを永眠に近いくらいの眠りにつかせるキノコなのに、どういうわけかその効力がある霧がオーガから放たれるようになったらしい。


これにはオーガのSPSスペシャルスキルの【リバース】というスキルの効果らしいけど、そもそもなぜオーガがこの森に迷いこんだことすら謎らしい。


「グガァァァァァ!!」


(【硬化】からの―――【魔力撃】!!)


―――ドコッ!ぶしゃぁぁぁぁ…………。



結果、この森でまともに動けるのは睡眠に対しての抵抗できる特性や加護を習得している奴だけらしい。今でてきたモンスターも、恐らくは睡眠の耐性を持っているモンスターなのだろう。でも、所詮は下級モンスター…………レベルアップして強くなった俺の攻撃を耐えられるほど頑丈ではない。

 打ち込むと骨が砕かれたような音を立て五臓六腑が破壊された時に溢れる血が口や傷口から大量に出る。強烈な獣臭とともに胸糞悪さを感じさせるけど、こうなっているのは全部自分のせいだと思いながら我慢していた。


それはそうと…………大分森を進んでいるけど、まだ着かないのか?【解析】によれば「先に進めばあります」とか言ってたけど、永遠と同じ場所を進んでいるとしか思えない。さっきまで青空が広がっていた空もいつの間にか夕方となっていた。


(…………ん?もしかしてあれか?)


空が青空の時でも薄気味悪かったというのに、夕方になって余計にそれが増している。俺の特性の【夜目】のお陰で昼間と変わらずに景色を見ることが出来るが、それが無かったら俺は今頃泣いていたことだろう。

 そして、俺が暗い森の奥で見つけたのは明らかに眠っている巨大な生き物だった。巨大と言っても体長が2メートルくらいなだけで、そこまで特別巨大なわけではない。遠目でも分かる通りその巨大な生き物は全身が赤く染まっていて、顔は眠っているからよく分からないけど俺の直観によると恐らく男だろう。


…………【オーガ】と聞くと角が生えてそうなのだが、その生き物は角を生やしていなかった。ただ体が赤い巨大な生き物といっても説明はつくけど、解析の話を聞いたあとだと少し引っかかてしまう。


(【解析:目の前の生き物】。)


《 解析が終了致しました。

   目の前の生物の種族は【オーガ】。現在の眠りの森の主であり、森の名前を変えた元凶である。【永遠キノコ】の効力は()()()()()()()()()()()()()と言われている。 》


…………マジか。多分違うだろうな~みたいな感じのことを想いながら念のために調べたことだったのに、なぜか低い確率の方が当たってしまうという現実。…………まあ、俺もある意味極小の確率を引き当てて異世界転生を失敗させて異世界転死したわけだけどね。

 とりあえず近くまで行くことにして、俺は眠っているオーガまで静かに駆け寄る。主に近づけば近づくほど睡眠の強さが上がるみたいだけど、俺の加護【女神の祝福】はありとあらゆる属性の耐性がつくというチート級の加護なのだ。


「ぐふぅぅぅ!!ぐふぅぅぅぅ!!」


オーガに近づくと耳障りないびきが俺を襲う。永眠というわりには結構いい状態で寝ているようだけど、これが永遠と続くのは少しキツイな。とりあえずオーガの横まで移動した俺は今できることを駆使して起こしてみることにした。


(【硬化】。)


硬化を発動させて両手のみを硬質化させて、思い切り手を叩く――――

読んでいただいてありがとうございます!!

  次回の更新をお待ちしていてください。最近寝不足気味のココアでした!!!!

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