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造り出された物たち

…………ブックマークが一気に2件も減ってしまいました。

 あまり気にしないようにしていましたが、やっぱり書いてる身からすれば気にしてしまいます…………。

でも、めげずにこれからも頑張っていきます!!

54        造り出された物たち



最後にルインから『ありがとう』というメッセージを受け取った俺は、モンとコアトルちゃん達と共にルインが造り出した部屋の中に入った。中に入って確認できるのは、聞いていた通りにとてつもなく広い空間と見たこともないモンスターたちだった。

 小さいモンスターから大きいモンスター…………人間ににているモンスターもいれば、外見が化け物みたいなモンスターも数多くいる。


まだ俺たちが入ってきたということに気がついていないらしく、だだっ広い空間をさ迷うように歩いているだけだった。


「…………どうするでござる?いくら気がついていないからと言っても、どうせ気づかれるものでござるが……………」


「大丈夫……………こんなの余裕」


モンは戦況を考えながら行動をしたいのだろうが、コアトルちゃんはモンの言葉を全て立ちきっていきなりモンスターの群れに向かって突っ込んでいった。俺が止められるわけもなく、コアトルちゃんはそのままモンスターの群れに突進していく。


「無謀でござる!いくらコアトル殿でも……………その数では」


いやいや……………そんなの俺でも分かってるよ。

 などと軽めのツッコミを入れている場合ではない。モンのいっている通り、さすがにあの数をコアトルちゃん一人で倒すことはできない。一体一体がどれくらい強いのかは分からないけど、軽く見積もっても30や40ではきかない数が群がっている。


「…………大丈夫。私の力なら…………っ!!」


―――バンッ!

 全力で群れに突進していくコアトルちゃんは、群れが気がついたタイミングで思いきり跳躍する。モンスター達は一斉に威嚇行動のようなものを取るが、そんなことをしている余裕があるのだろうか?


「【炎竜】!」


――――ドガンッ!


跳躍をしたコアトルちゃんが放った一撃…………それは火属性のスキル【炎竜】だった。こんなことを言ってはいけないのだろうが、スキル【黒炎竜】よりも劣っているだろう。あんまり対してすごく見えないのは、俺が【黒炎竜】の破壊力に慣れてしまっているからだ。

 ……………勢いよく放たれた【炎竜】は黒い炎ではなく、純粋な赤い炎で竜の形をしていた。モンスターの群れに向かって放たれるが、舞い上がった煙が晴れてから確認した結果、倒れているのは僅か10体程度だった。


(マズイ…………ッ!!コアトルちゃん!一回引け!)


なにか嫌な予感がした俺は急いでコアトルちゃんを呼び戻す。こういうとき声がでないというのは最大の弱点であり、最高のデメリットである。でも、コアトルちゃんは俺の心の声をちゃんと聞いてくれていたらしく(めちゃくちゃ嬉しい)、こちらを向いて頷いてくれた。

 モンスター達は同胞を殺されたことに対して怒り狂い、地球にいるゴリラのようにドラミングをし出した。


……………いや、よく見たら外見も完全にゴリラだわ。


「どうしたのハルト?」


「なにか分かったのでござるか?」


いつの間にか戻ってきていたコアトルちゃんだけでなく、モンも首を傾げながら聞いていた。別にそこまでワクワクしている目をされても困ってしまう……………なぜなら、俺が気がついたのは本当に下らないことだからだ。


(あのモンスター達…………死んでいった奴らは、コアトルちゃんの【炎竜】が当たる瞬間他の奴等を守っている感じだった。加えて守られている奴等も、咄嗟に地面をパンチして地面から岩を取り出していた。恐らく【炎竜】にぶつけるためだと思う。)


そう。俺が気がついたのはこの二つだ。そして、この二点から言えることは『知能が極めて高い』ということだ。恐らく、【炎竜】を放たれた時点で回避は不可能と判断し、その上で被害を最小限に抑えたのだ。

 地球でも異世界でも猿系の動物は頭が良いのかもしれない。でも、とりあえず今は同胞が殺されたことで怒り狂っているモンスター達をどうするかだ。


「「「ウガァァァァァ!!」」」


――――ダンッダンッダンッ!!

 こちらを向いてドラミングをしてくるモンスター達。結構怖いけど、今までチート持ちのヴァンパイアとか魔族化したヒュドラを見てきたことを思い出すと恐怖なんてものはあまり抱かないかもしれない。


「は、ハルト殿…………どうするでござる?あのモンスター【コングズ】達の危険度はB+でござる。一体一体はそこまで強くないでござるが、あのように群れで行動されては面倒でござる。さっきハルト殿が言っていた通り知能は高いからこそ面倒でござる」


…………確かに知能が高いのは認める。でも、予想より危険度が低いのはなぜだろうか?戦闘の面ではそこまで力を発揮しないということのなのか。それとも所詮はただのゴリラだから一体一体の危険度が低いだけなのかもしれない。


(とりあえず俺が足止めするから、そしたらモンとコアトルちゃんでたたみ掛けてくれ。多分一体ずつ倒せばそんなに手間はかからないと思う。)


「分かってござる」


「…………分かった。ハルト…………頑張って」


と、若干の励ましの言葉をいただいてからドラミングをしてくるゴングズ?に駆け寄る。と言っても、俺はそこまで早く動けないのでかなり遅いスピードでゴングズに駆け寄っているということになる。今思ったけど、空間だけでなく生き物まで【創造】してしまうなんて汎用性が高すぎて困る。ルインの強さはまだ解析してないけど、元魔王候補ならノワール並のステータスを持ち合わしていることだろう。


「ウガァァァ!!」


おっと、そんなことを考えている場合ではなかった。気が付いたら一体のゴングズがこちらに向かってきていて、今まさにパンチを食らわそうとしている。


(【保護色】。)


「グガッ!?」


咄嗟に【保護色】を使ってゴングズの動きを鈍らす。多分俺の予想だと【透視】のスキルは習得していないと思うのだが、習得していたらモンとコアトルちゃんにヘルプ入ってもらおう。でも、ずっとキョロキョロしながら周りを見回しているだけなので、多分習得していないだろう。


(じゃあ…………失礼します。【魔力撃】!!)


――グチャ…………ブシュゥゥゥ。


「グガァァァァ!!」


俺のことを見つけられないということを確認してからゴングズの目に【魔力撃】を打ち込む。今回【硬化】をしなかったのは、純粋な【魔力撃】が危険度B+相手にどのくらいのダメージを与えられるのか知るためだ。想像よりもゴングズが痛みでのたうち回っているけど、多分俺の攻撃が目に当たったからだろう。

 そして、一体が片目を押さえながらのたうち回っているうちに、俺は次々とゴングズの目をダイレクトに狙う。返り血を受けない限り俺の姿はバレないので、仲間が急に攻撃を食らって動揺している今が好機だろう。


(【魔力撃】!!)


―――グチャ…………グチャグチャ。

 ゴングズの目は結構柔らかく、生々しい音と共に大量の血が噴き出す。真っ白い…………だだっ広い空間の一部は血で赤く染まりつつあった。でも、まだ致命傷とは言えないのでその後のことはモンとコアトルちゃんに任せよう。


そして、俺は全てのゴングズの片目を潰し終えた。俺の意図を早くから読んでいた二人は、片目を潰して動きが鈍っているゴングズ達を次々となぎ倒していく。俺は全てのゴングズの片目を潰したところで【保護色】を解いた。いくらスキルのレベルが上がったとは言え、使い続けたら魔力切れは避けられない。それに、片目を負傷しているゴングズの攻撃なんて簡単に避けられるだろう。


「ハルト殿。一つ言っておくでござるが、経験値は止めを刺した者に与えられるのでござる。これでは吾輩とコアトル殿にしか経験値が入らないでござるよ?」


え?マジで?倒した時にダメージを与えた奴全員に貢献度に合わせて支払われるんじゃないの?まさかの止めを刺した奴が全部手柄を強奪するシステムだとは思わなかった。だったら片目を負傷させてるだけじゃただの魔力損じゃねえか。

 モンに言われて気が付いた俺は急いで攻撃する準備をし始めることにした。さっきはあくまでも足止めで十分だったので、そこまで強い力では攻撃をしなかった。だが、今回は殺す気で攻撃をするのでキチンと【硬化】をしてから体を貫通する勢いで撃つことにしよう。


(【硬化】からの――――【魔力撃】!!)


――――ドゴッ!


「グガッ!ガハッ…………」


…………とりあえず適当な位置でのたうち回っていたゴングズに【硬化】+【魔力撃】を打ち込んでみたのだが、思っていたよりも威力が出て驚いている。手負いの状態とは言え、たった一撃で倒すことができるとは思わなかった。俺の【魔力撃】を食らったゴングズは、その威力によって後ろに下がりながら五臓六腑が破壊されたかのように血を口から吐きながら倒れていく。


《 レベルが上がりました。ステータス向上と新たなるスキル習得を報告致します。

  

   レベル18→25

    攻撃力380→500

    防御力200→350

     魔力550→700


    習得したNSノーマルスキル

       【腐食息吹アシッドブレス】 【音速走】

    習得した特性

       【スキルレベル自動上げ】【経験値2倍】  》


…………久しぶりにレベルが上がったけど、自分の力で倒したらこんなにレベルが上がるものなのか?しかも習得した【腐食息吹《》アシッドブレス】と【経験値2倍】っていう特性ヤバくね?マジヤバくね?

 でも、俺が倒したのはたったの一体で、次の相手を倒そうと思ったらモンとコアトルちゃんが既にゴングズを倒してしまっていた…………。

いや~段々と主人公っぽくなってきましたねえ。

 新しく習得した【腐食息吹アシッドブレス】というスキルと【経験値2倍】という特性。


どちらも気になりますが、やっぱり【経験値2倍】という特性の方が気になりますよねえ(作者が)。そして、次回では新たに習得した【腐食息吹アシッドブレス】の効果も明らかになります!!!

 次回をお楽しみに!!

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