友達がチートすぎる
12月13日は更新できなくてすみませんでした……。
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5 友達がチートすぎる
太陽が嫌いだ。
眩しく自分の体を光らせると、自分の体が透けていることを再認識してしまうからだ。
どうも、現在異世界にてんせ――
――転死した荻原 隼人です!
確率1%にも満たない低確率を見事引き当てたラッキーな俺です!!
……上手く喋ることすらも十分にできなく、微弱な魔力を持っている最弱のアンデッドモンスターです!!
「……ハルトよ。友として忠告するが、お前の自虐体質はどうにかしたほうがいいぞ」
(人の心を読まないでくださいよノワールさん。)
そう、俺は現在、絶賛自虐体質中だ。よくアニメやライトノベルにあるようなチートではなく、本当に使えない・最弱・透けてる・幽霊。
という最悪な要素を全て混ぜて合わせたようなのが今の俺だ。
……そう思い始めたのは、さっきノワールにモンスターや人間について教えてもらってからだ。
※※※※※
(なあ……さっきお前のステータスを見たんだけど、いまいち強さが分からないんだけど。)
無事にノワールと友達になれたのだが、とりあえずしばらくは一緒に行動することになった。この世界に来て日が浅い俺にとってはありがたい話だ。
レベルアップ概念というのには軽く説明をされたがそれでもまだまだ知れないことが多すぎる。
俺が今聞いたのも、知らないことの一つだ。
「我の強さが分からぬだと!?あのステータスを見ても分からぬだと……フハ、フハハハハ!!!」
(え?どうしたの?いきなり頭おかしくなったの?)
「ハルトよ……貴様の知性に少しでも期待した我がバカだった。やはり貴様の頭はその程度の知力だな。」
……なんか、いきなり馬頭されたんだけど。俺ってなんか変なこと言ったかな?
別に普通の質問だったような感じがするんだけど……俺って何かしたかな?
(いきなり馬頭されたことは別に怒ってないけど。そんなに変な質問したか?ごく普通の質問だったような気がするけど。)
謝るような言い方で言ったが、謝る気は微塵もない。
むしろ、こんなことで馬頭をしてきたノワールに逆ギレをしている感じだ。 元々こいつは人……いや、俺のことを馬頭したり、からかったりするのが好きらしいが、ここまであからさまなのは初めてだ。
本当に呆れているようにも見えてくる。
「ハヤトよ……我は元魔王候補だということはキチンと言っただろう。だが、それでも我の強さが分からんンとは……」
(いやいや。お前が強いってことは十分承知だけどさ。イメージがしにくいというか、何というかこう――岩を拳だけで破壊できるとかさ。具体的な例を挙げてくれると―――)
「三日あればこの世界に存在する生物80%を殲滅できるぞ」
(―――そうそう、そういうことを知りたかった…………今、何と言いましたか?)
ノワールのいきなりのカミングアウトに俺は思わず乗りツッコミをしてしまった。どっちかというと俺はボケの方だというのに、なぜか乗りツッコミをしてしまった。
でも、我を忘れて乗りツッコミをしてしまうほど、ノワールが言ったことは衝撃的すぎた。
そして、少し怖い顔をしながらこちらをじっと見ている。
(……えっと、さっきの言っていることは本当ですか?)
「こんな時に嘘を言っても仕方なかろう。我の力を説明することによって貴様が態度を改めるんじゃないかと思ってな」
(いや、どんなに強くても態度を変える気は微塵もないけど。)
もはや、ここから態度を変えてもあまり変わらないだろう。
というか、友達に対して敬語とか使いたくない。皆はどうか知らないけど、俺は友達には都合のいい時くらいしか敬語を使わないからな。
……例えば宿題を写させてもらうときとか、弁当忘れたときとか、自分がピンチの時くらいしか敬語は使わないからな!!
「まあよい。貴様の肝の据わり具合も、我が気に入ったことの一つだからな」
こいつが寛大の心持ちでよかったな。
でも、こいつの言葉が本当だとすれば生物が80%殲滅――――
――――80%?
何で100%じゃないんだ?
こいつでも、全ての生物は殲滅できないということか?改めてさっきの言葉を聞いたら、こいつのステータスが半端ないことはこれ以上ないくらい感じ取れたし。
むしろ殲滅できない残り20%が気になって仕方ない。
(なあ、さっき80%って言ったけど、何で100%じゃないんだ?残り20%は何なんだ?)
「ほう。さすがの貴様もそこに気が付いたか?いいだろう。さっき我に対する『いまいち強さが分からない』というのも説明してやろう」
(お、おお。何か分かんないけど、よろしく頼む。)
こうして、ノワールの特別講座が始まったのだった。
「いいか?まずはそれぞれの種族について説明してやろう。この世界には数多くの種族は存在する。
まず、知性を持っている種族だ。これはほとんどの種族が持っている。
最初に思いつくのは【亜人族】であるな。亜人族には、エルフ・ドワーフ・ゴブリン・オーガ・リザードマン・オークなどが主だな。他にもいるが、代表的に思いつくのはこんなものだろう。
次に【精霊】だ。だが、精霊といのはあまり詳しくない。精霊のことを知りたければ直接【解析】を使った方が早いだろう」
(ちょ、ちょっと待ってくれ。いきなりそんなに言われたら頭がパンクしちゃうから。)
思ってたよりも丁寧に教えてくれるノワールに関心していたかったことだが、それ以上に話が難しかった。亜人族のエルフやドワーフは、地球のゲームやアニメで有名だから知っていたが、精霊まで出てきてしまったら専門外だ。
知性がある種族ということだが、オークやオーガにも知性があることがびっくりである。
(……よし!大分整理できたから説明を続けてくれ!)
「大分時間を喰ったが、別にいいだろう。次は我々【アンデッド族】、アンデッドモンスターについてだ。アンデッド族にはゴースト・ゾンビ・ヴァンパイア・リッチ・デュラハン・ミイラ・スケルトンみたいな感じだ。……ちなみに、ゴーストはアンデッドモンスターの中で最弱だ」
(……えっ?今なんと?)
「アンデッドモンスター……いや、全モンスターで最弱かもしれん。そして、【ヴァンパイア】はアンデッドモンスター最強と言える種族だ!!フハハハハ!!!」
また始まってしまった。こいつが自分のことを語りだすときは、かならず俺のことをいじってきやがる。
方や最弱、方や最強。
……まあ、ある意味バランスのとれたコンビとでも言うべきなのだろうか。でも、ここまであからさまに差があるようなコンビはそうないだろう。
最強と最弱って、何かの物語ですか?俺ってモブキャラですか?
ゴーストその一的な存在ですか?
「まあ、貴様もそこまで気を落とすことはない。貴様はゴーストの中では上位種……いや、【変異種】、または【進化種】とでも言うべきだろう」
(え?【変異種】?【進化種】?それってなんですか?教えてくださいよ~。最強のヴァンパイアさん。)
少し意地悪だったかな?
でも、今まで俺にやってきたことを考えると、別にこんな返しは普通だろう。少し嫌味っぽく言ったつもりだが、それがノワールに届いていないと意味がない。
「……別に説明してもよいが、それだと日が暮れてしまうぞ。それに、種族についての説明が中途半端なのでも構わんのなら遠慮なく説明をしてやろう。……だが、この我に説明を要求するのなら一回で理解するのだぞ?」
(すみません……調子に乗りました。この世界にいる種族について教えてください。)
……まさかこんなにも早く態度を一変させるような自分がいるとは思っていなかった。自分で言うのもなんだが、もう少し度胸があると思っていた。
上司に対しては平気で頭を下げることが出来た俺だが、何の利益もない相手に頭を下げるとは思わなかった。 ……俺は今、地球の頃の自分を思い出し、世にも美しい綺麗な土下座をノワールにしていた。
「……フハ、フハハハハ!!!これは傑作だ!!我が少しお灸を据えようとした瞬間、貴様は友に敬語を使い、なりふり構わず謝っている!!フハハハハ!!!さっきまでの勢いはどこに行ったのだ?「友達には都合のいい時にしか敬語を使わない」と言っていたハルトよ!!
それよも、これが貴様の言っていた「都合のいい時」というものなのか!!!ほら、その薄透明な体が赤く染まっているように見えるぞ!!!フハハハハ!!!」
……やっぱりこいつは悪魔か?
ヴァンパイアというのは仮の姿で本当の姿は悪魔だったりしないのか? 外見は人間にしか見えず、パッと見は好青年に見える。
黒いスーツに黒い目……日本人と外国人のいい所だけを合わせたような外見、短く整えられた黒髪……これで眼鏡でもかけた次第には秀才にさえ見えることだろう。
老若男女問わず誰からも好かれそうな(特に女性)容姿。 身長も高く、ニコッと笑えば本当に誰もが好為を抱いてしまうだろう(意味深)。
……だが、俺はこの男の性格を知っている。こいつの性格を全て知っていれば、誰も近づかないであろう。
「貴様……我をそこまで侮辱しなくてもよかろう」
(あ……聞こえてました?悪気はないんだよ?……まあ、そんなことよりも早く種族について教えてくれよ。)
「……釈然とせぬが、まあいいだろう。確か【アンデッド族】まで説明したところか。あとは、【魔族】と呼ばれる種族だ。種族の中で最も数が少なく、最も魔力が多い種族だ。魔族は『悪魔と契約した者』だ。だから、何が魔族というのは基本ない。魔王候補に選ばれた我だが、悪魔と契約するのが嫌だから拒否したのだ」
(……魔族か。当然だとは思うけど、『魔王』って今でもいるんだよな?)
「当たり前であろう。説明が遅れたが、基本は敵と味方に分かれている。分けるとすれば【亜人族】・【精霊】・【人間】VS【アンデッド族】VS【魔族】と言ったところだ」
(え?まさか、俺たちって、同じ種族以外味方いないの?亜人族とか、精霊とかも敵なの?)
まさかな……とか思っていたが、ノワールの顔に嘘がなかった。
……まじで?本当に味方いないの?ヤバいじゃん。アンデッド族最弱の俺なんて、人間にとって最高のレベルアップ道具じゃん。
うわー。何か、俺が乗り移る予定だった体を見つける前に死ぬ確率がメチャクチャ上がったような気がするんだけど。
※※※※
そして、今に至るというわけだ。
そう!!所詮はアンデッドモンスター最弱のゴースト!! チートの変人ヴァンパイアと共に、今は森のなかを歩いている。
そして、一つ気が付いたのは、こいつが意外とかまちょだったといことだ。虫一匹いただけで教えてくるし、やたらと前前世のことについて聞いてくるのだ。 相当お喋りな奴なのか、それとも単純に寂しかっただけなのか?
どちらでも構わないけど、一緒にいて悪い気はしない奴だ。 ……もう少し性格をどうにかしてもらえると助かるのだが……。
「ハルトよ。そう言えば、まだ【人間】については詳しく話していなかったな」
おっといきなり何言ってるんだこいつ?
俺を元人間だということを知っておきながらの質問か?確かに人間については何にも教えてもらってないが、元人間である俺には愚問でしかない。
(まだ教えてもらってないけど、俺は元人間だぞ?下手すればお前よりも詳しい。)
「確かに貴様の言うことは一理ある。だが、一つ疑問を持たぬか?我々アンデッド族は敵しかいない。だが、その数は『減る』のではなく『増えている』のだ」
(は?それっておかしくないか?アンデッド族だって、全員が全員お前みたいにチートじゃないだろ?)
「そうだ。だから一応説明しておく。そもそも我々アンデッド族は心臓がない。だから、死ぬことがない……というか、既に死んでいる身だからな。だから……我々を倒す攻撃を【浄化】と呼ぶ」
(浄化?)
「ああ……そして、その浄化の力を操る人間を【巫女】と呼ぶのだ」
読んでいただいてありがとうございました!!
一週間に一話投稿と言ったのに、結局毎日更新みたいになってしまいましたね。でも、明日はもしかしたら更新できないかもしれません。
12月15に日更新できたら読んでいただけたいですが、出来なかったら12月16日をお楽しみにしておいてください!!
誤字脱字報告、辛口のコメントでもお待ちしております!!