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失礼しまーす

この度レビューが書かれました!!本当にありがとうございます!!

 モチベーションが上がったので、これからもっと頑張りたいと思います!

37     失礼しまーす


どうも!オギハラハルトです!確率1%未満の可能性を見事引き当ててゴーストとしてこの世界にやってきたハルトです!記憶を持ったまま幽霊になるとは思ってなかったけど、現在はスキルを使ってるだけだけど人間の影になっている。

 まず影になるために【影主】というスキルを使い、そして【影伝達】を使って影を伝って移動している。自分自身が影になっているので、女性の影になって目を開けるとパンツが…………っておい、何でスパッツを履いてるんだ。


《 個有名モンからメッセージが届きました。これよりメッセージをお伝えします。 》


おっと、久しぶりのメッセージですね。

 最近はノワールから【テレパシー】を使ってのやり取りはしていない。別に寂しくないけど、恋人からメールが来ないというのはこんな感じの気持ちなのだろうか。モンが【テレパシー】を習得をしていることは知らなかったけど、この世界でも屈指の強さを誇る魔獣だったら習得していてもおかしくはない。


「ハルト殿でござるか?そろそろ王宮に着くでござるが、準備は大丈夫でござるか?それと、王宮に入る上で問題でござるが、本来王室には兵士は入らないのでござる。だから王宮に入ったら影から出るでござる」


ほうほう…………なるほどでござるモンさん。いや…………モンちゃんになるのかな?一応モンはメスだし、それにこれぞ異世界みたいな獣人だし。でも…………スキル使ってるから獣人じゃないのか?亜人は最初から人間とのハーフだし。

 

とりあえず了解ということだけは伝えておこう。

 

(【テレパシー:送る相手モン】。)


《 了解しました。では、送る内容を伝えてください。 》


(えっと…………『了解。影から出る時はもう一回連絡くれ』だ。)


《 了解しました。…………テレパシーを送りました。 》


改めて思うけどやっぱり解析って便利だな。テレパシーも送ってくれるし使えば大体のスキルとステータスを見ることが出来る。解説のこの声がきれいなお姉さんだったらもっと良かったんだけど、こんなパソコンの機械みたいな声で説明されると地球で仕事やってるときと変わらねえな。

 …………というより、影って思っていたよりも窮屈なんだな。何か、すっごいキツイスーツを着込んでいるような感じで、全く心地いい感じがしない。



進んでいるけど目を開けたらスカートの中が見えちゃうし、男としてはとても嬉しいけど俺は紳士ゴーストなのでそんなことしてはいけないのだ。

 ちゃんと順序を踏んでからゆっくりと行くからこそ胸を張っていけるのだ(童貞の負け惜しみ)。いや、別にそういう順序を踏んでいない人を責めてるわけじゃないよ?別に俺が35年間童貞だからって負け惜しみを言ってるわけじゃないよ(泣き)。


結局何が言いたいかというと、景色を確認したいけどスカートを履いてる可能性があるから目を開けられないということだ。…………いや、待てよ。自分がゴーストだから見えないと思ってるだけなんじゃないか?

自分は今影なのだということを胸張って言えるのなら、俺は目を開けた先の夢の景色をみることができるんじゃないか?


いきなり男が透明人間になったら女風呂に行く人もいるだろう。俺は今影になったのだから女性のスカートを見る。それだけでいいじゃないか。


《 一応言っておきますが、そんなことを思いながらスカートを見たら【解析】のスキルを自ら封印します。 》


すみません!すみません!!そしてありがとうございます!!

 …………本当に申し訳ないけど、解析の声の人が止めてくれなかったら俺は紳士から変態にジョブチェンジするところだった。心の中で何回も頭を下げながら俺は解析の人に謝っていた。


《 個有名モンからメッセージが届きました。今からメッセージをお伝えします。 》


「ハルト殿でござるか?もう王宮に着いていたでござる。吾輩が影からハルト殿を連れて出るので、ハルト殿に必要なのは心の準備でござる。一応声はかけたでござるが、出るタイミングを決めるのは吾輩でござる。驚いて声を上げないでほしいでござる」


へいへい分かりましたよー…………っつっても分からないんだっけ。というか、声を上げようにも俺は舌が長くて声がでないんだよ!!一回ノワールと話そうとしたときに声を出してみたけど、言葉覚えたての2歳児みたいな声がでてしまった。地球では35歳の俺がこの世界では2歳児程度ということだ。

そう思った矢先、突然何かに引っ張られたような感覚に襲われて影から外へと出た。いつもモンが影からニュウと出てくるのと同じで俺もニュウと影から出てきた。


「こっちでござる…………」


影から出たけど、それは同時に人が近くにいるということだ。異世界の王宮の広さとか兵士の恰好はまた後でにすることにしてとりあえずバレないように移動することにした。モンに案内されるがままに進むけど、モンはこの王宮のことを知っているのか?どうにも何がどこにあるのかも分かっている様子だし、王室には王しかいないということも分かっているような言い方だった。

 まあ、別に良いんだけどさ。とりあえず今はこの国の王様に会って戦争の意味が分かってから戦争を始めるよう伝えないといけない。このまま戦争を始めたらこのエルミトロ国家が消滅するのは明らかだし、高確率で人間側が負けるだろう。


魔王の目的は分からないけど、戦争を持ち掛けたと言うことは人間を滅ぼそうとでも思ってたのか?


「ハルト殿…………ここを真っすぐ行けば王室でござる。吾輩は王室には入らない方がいいでござろう。吾輩が入ると警戒される可能性が高いでござる。だからバレないように、そして王室に誰も入らせないようにするでござる」


角を曲がってすぐ止まったモンにぶつかりそうになったけどギリギリで止まった。するとモンは目の前にある長い階段の方を向きながら説明してくれた。

 分かりやすく丁寧な説明だったので直ぐに分かったけど、俺一人で王様のいるところに入るのはとても嫌だな。何と言うか…………社長の部屋に一人だけ呼び出されたような感じなんだよね。何かやらかしたのかなあ…………とか、ヤバい…………あれかな?みたいなことを思ってしまって、扉の前で躊躇してなかなか入ることが出来ない。


あげくの果てに『あの件だったら俺じゃなくて○○さんのせいだし!』とか思ってしまったりするんだけど、いざ入って見ると全く違う話オチだったことはよくある。


「ハルト殿、今回のことはノワール殿に直接頼まれたのでござるであろう?最強のアンデッドの異名を持つノワール殿が他人を頼ることは稀のことなのでござる。だから、間違いなくノワール殿はハルト殿のことを信じていると思うでござるよ」


そんな励ましの言葉をいただいても俺の心は変わらない…………というわけでもなく、現在俺の心は大分揺らされた。ノワールからの信頼が欲しいわけでもなかったけど、最強の奴に頼りにされているということが一番大事なんだよね。

 というわけで行ってくるぜモン。もしピンチになったら先に帰ってもいいから。


「分かったでござる。ハルト殿、ファイトでござるよ!!」


…………最後に肉球のような手を上手にGJをされたけど、全くもって心に響かなかった。出来れば最後は【人間体】というスキルを使ってから応援されたかったな。

 俺はモン(狸状態)のモンから応援されながら長い長い階段を上がって行って王室に向かっていくことになった。



※※※



エルミトロ国家の王宮は広いのかもしれない。

 というか、王室に行くまでの階段がとてつもなく長い。モンから応援されてから階段をのぼり始めて約3分くらい経ってるけど、全くもってゴールがみえなかった。


(あれ…………?もしかしてこれって何か迷宮的な罠とかある?仕掛けがあって、階段は決められた歩数で行かないといけないとか、そんな感じの決まりがあったりする?)


そんなことを進んでいたけど、なぜかそんな好奇心あふれることを思った瞬間に扉が見えてきてしまう。別にフラグを立てたつもりはなかったんだけど、フラグは立たせるものじゃなく、立つものということなのかな? 何はともあれ扉が見えたということはゴールはもう少しということだ。

 そう思うと今まで一段ずつ上がっていたけど、何となく一段飛ばしで行ってみたくなってしまう。

…………まあ、一段飛ばしで行けるほどの長い足はない(というか足自体ない)。



まあ、そんなこんなで扉の前には着くことが出来た。でも、問題はそこからだった。


(いやいや、この扉絶対開かないでしょ。)


見るからに頑丈そうな金属でできた扉…………当然ドアノブ何てものはなく、鍵を使っての横開きタイプの扉みたいだ。当然鍵なんてものは持っていなく、俺の身長では鍵を差し込むところまで届かない。

 身長一メートルもないようなゴーストが鍵を差し込める場所に届くはずもない。強行突破みたいな真似はしたくなかったけど、この先ノワールの魔力を体験できる機械を使うなら同じことだ。


これで壊れなかったら俺にはもう扉を開ける術はない。


(【硬化】。)


まず初めに、スキル【硬化】を使って俺の手を堅くする。本来は防御を高めるスキルだけど、実は攻撃にも利用できる。例えるなら、木の枝から鉄の棒に変わったような感じだ。殴るなら木の棒よりも鉄の棒の方が断然痛い。

 だから付け焼き刃だけど少しばかり攻撃力を上げる。そして体全身使って思い切りパンチを扉に繰り出す。


(【魔力撃】!!)


その後に魔力撃をつかうことでさらに威力を上げる。実際これでどのくらいの威力が出るのかは分からないけど、これはいい実験でもある。



――――ドガンッ!!!!


扉に俺の渾身の一撃を食らわせた結果、扉は衝撃が加わった部分だけ凹み、そのまま扉としての役目を果たせなくなってしまった。…………まあ、とりあえず王室のなかに扉が入ったということだ。

 正直に言うと、俺もここまでの威力を出せるとは思っていなかった。


(どうも失礼しまーす。)


実を言うと、俺は一度でいいからお偉いさんに関係している物を壊したかった。今回は扉だったけど、今度はもっと直接関係している物を壊すとしよう。

 扉を壊したので砂煙が巻き起こり、俺は少しばかりせき込みながら王室に入っていった。中に入ると砂煙の中に一つだけ人影が見えた。


「ゲホッ!!ゲホゲホ…………ッ!!い、いきなり何が起こったんだ!?」


(あれ…………?何か想像いていたよりも全然王様っぽくない。)


失礼かもしれないけど、咳の仕方とか貫禄とか覇気とかが全く伝わってこなかった。少しばかり残念な気持ちなのは俺だけなのだろうか――――

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