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俺の体…………だよな?

本日もよろしくお願いいたします!

 ここでお知らせですが、後書きにて嬉しい発表があるかもしれません。

24       俺の体…………だよな?



――――――――ゆっくりとカプセルが開けられると、中にはただの美少年が眠っていた。

 さっきまで期待と不安を抱いていた俺だったが、その姿を見た瞬間に思わず息を飲んでしまった。日本人と同じ黒髪であり、まるで少女のように長い。


遠目から見ても身長は150センチくらいしかないだろう。目は閉じているから瞳の色は分からないが、顔全てのパーツが整えられていた。男にも女にも間違えられそうだが、俺は最初から男というのに気がついた。

仮に少女だとしたら、筋肉のつき方が少し発達し過ぎている。普通に町中を歩いていたら多くの人々が女だと思うかもしれないが、こいつら絶対に男だ。



…………でも、35歳の俺に渡す体じゃねえよな?

 見た目は子供で中身は童貞のオッサンという世界で一番悲しい生物になっちゃうんじゃない?

確かにイケメンであるとか、頭がいい体を求めてたけどさ期待の斜め上を行く美少年ってどういうことよ。

通称『女神の息子』ってなってるみたいだけど…………早速乗り移っても大丈夫だよな?



(【解析:目の前の美少年に乗り移っても大丈夫?】。)



《 大丈夫です。本体は魂を欲しています。本体とあなたの適合率は100%です。なお、今まで獲得した経験値やスキルは人間の体になっても使用が可能です。さらに、一度乗り移っても再び抜けることも可能です。 》




あら、随分とご丁寧にありがとうございます。

 解析というスキルは万能すぎる。いつしか『たいやきは頭と尻尾どっちから食べるか』というのでも答えてくれそうだ(俺は尻尾派)。

この解析の言う通りだと乗り移っても大丈夫みたいだし、何よりあの美少年が俺をほっしているみたいだし。


乗り移ってもゴーストになれるみたいだし。とりあえず乗り移っていきますか。美少年の体に35歳のオッサンが入るとか犯罪じゃないよね?合法だよね?この世界って法律とかないよね?

 俺がこの美少年の体に乗り移っても大丈夫だよね?本人の合理の上だから合法だよね?


乗り移った後に『それは犯罪です』みたいなこと言わないよね?



「お前…………なにを一体躊躇っている?目の前にお前の本体があるだろう。万が一違ったとしても、他の脱け殻を試させてやる」



あれ?ゴンさん今とんでもないこと言いませんでした?脱け殻ってこれだけじゃないの?

 そんなに魂だけ抜ける奴いるの?野良ゴーストの奴が体をさがしてるかもしれないの?




「その話はまたあとでにするぞ。早くしないとカプセルが閉じてしまう」



ゴンさんが言うにはカプセルが開いている時間は最大で3分らしい。

 3分経っても開いている場合は自動で閉まるみたいだが、そしたら約30分間開かなくなってしまうらしい。ゴンさんが言うには『肉体が腐らないように』と言うが、元々このカプセルは地球で言うコールドスリープのような物らしい。



カプセルに入れた肉体を腐らせることなく、老いていかせることもできるらしい。



(まあ、ここで30分待ってもいいことはないからとりあえず乗り移ってみますか。)



ゴンさんの忠告を受けた俺はスキル【浮遊】を使ってふわふわと浮き、美少年の真上に着いた瞬間にスキルを解除した。

 一応スキルを使用しなくても浮けることができるゴーストだが、スキルを使わないと高くは受けない。【浮遊】を解除すれば急降下するのは分かりきっていることだ。



ヒュゥゥゥゥ……………と、高い場所から荷物を落としたような音が耳に鳴り響きながら美少年の体目掛けて急降下していく(耳ない)。


(ああ…………長かったような短かったような感じだけど、ようやくゴーストの体ともお別れか。ようやく旨いものたらふく食えるんだな。)



心の中でそう思っていると、美少年の体がドンドン近づいてきている。何となく緊張感が溢れていて丁度心臓の辺りに落ちることを地味に調節しながら落ちていった。

 そして……………美少年の小さな胸に落ちる瞬間に目を閉じた――――――






―――――――ボヨーン。




聞きなれない音と感触を感じた俺が次に感じたのは冷たい床のようや感触だった。

 乗り移るというのが実際にどんな感覚なのか分からなかったけど、まるで美少年の胸跳ね返って床に落ちたような光景が俺の頭の中で鮮明に描かれていた。



だって感覚が今までと変わらないんだもん。俺だって一応ゴーストなんだよ?感覚がいつもと同じことくらい分かってる。

いや、でもここは『感覚はいつもと同じドッキリ!!』みたいな展開かもしれない。

 ガッカリさせておいて実は既に乗り移ってるってことも十分考えられる(泣き)。



(よし……………じゃあ、思いきって目を開けてみよう。)



覚悟を決めた俺は思いきって閉じていた目を開いた。

 ――――――開いた先で待っていたのは、乗り移っているはずの美少年の姿だった。乗り移っているから目を開けたら白い壁が待っているはずなのにおかしなーーーーーー。



(ゴンさん…………今起きたことをアリのまま教えて。)




後ろを振り替えると頑張って笑いをこらえて立っているゴンさんの姿があった。笑っているということは答えはもう分かってるけど、俺は自分で見ることができなかった一連の全貌を知る権利がある(無駄に壮大)。


「ふふっ…………ちょっと待ってくれ。まだ少し笑いを…………ふふっ!!」





…………俺、泣いてもいいかな?ゴーストになって一回も泣いたこと無いから涙腺があるかどうか分からないけど、涙ってでるのかな?

 何か『○○の涙』見たいなタイトルがよくあるけど『ゴーストの涙』何てタイトルは一つもないんだろうな…………。


ゴンさん…………笑ってないで説明してくれよ。



「そのことについては我が説明してやろう!!」



え?この声って――――――まさか!?


 

「光ある場所に影あり、影ある場所に我あり!!

 アンデッド最強である我が今起こったこと全てを話してやろう!!」




うわ…………めんどくさい奴来ちゃったよ。

 てか、『影ある場所に我あり!』とかメチャクチャ厨二臭いな。さっき起こった一連の全貌も気になるけど、ノワールがどうやって移動したのかも気になるな。



「まず一つ、貴様はあの体の丁度胸部の部分に落ちようとした。

 一ミリのズレもなく心臓の場所に落ちた!」



ふむふむ。それで?問題は俺がそこで目を瞑ったからよくわかんないんだよね。



「そして終に心臓の真上に貴様が落ちた瞬間、まるでボールのようにバウンドして床に落ちた!!

 フハ、フハハハハ!!!!いいぞハルトよ!それなりに過ごしているが、今日ほど我を楽しました日は今までになかった!



貴様は体に乗り移る時に必要なスキル【乗り移り】を獲得していなかったのだ!!これは傑作だ!!」




…………マジですか?

 ノワールの解説によって一連の全貌を知ることが出来た…………でも、問題はそこじゃない!!

体に乗り移る時にスキルが必要だったのか!?

 待って待って!!だって女神様そんなこと言ってなかったよね!!『乗り移る時はスキルが必要です』何て一言も言ってなかったよね!!


しかも【解析】でいつも情報をくれる声も、絶対知ってたよね!!

何で黙ってたの!!


(【解析:スキルが必要なことを黙っていた理由】。)



もはやこれが解析でないことはわかっていた。だが、俺が知る限りだとスキルを使わないと絶対に教えてくれない。

 

《 その方が面白いと思ったからです。 》




……………嘘やろ?俺ってノワールだけじゃなくて、まさかの【解析】の声にまでからかわれたってことなの?

 ちょっと待って、この頭のなかに流れ込んでくる声って『意思』を持って答え返してるの?


しかも俺をからかうって言う意思を持って答えたよね!!


「ハルトよそんなに気を落とすでない。体が見つかったならレベルを上げてスキルを獲得すればよいのであろう?」



そうだけどさ……………何と言うか教えてくれてもよくない?みたいな感じがさ。

 しかも何だっけ?乗り移る時に必要なスキルって。


「スキル【乗り移り】であるな。そのスキルは我も習得していないそのスキルはゴースト特有のスキルだ」



え?そうなの?じゃあ、レベル上げればどのゴーストでも覚えられるってことなんだ。

 とりあえず、困ったときの解析ということで調べておこう。


(【解析:乗り移り】。)




《 スキル【乗り移り】は魂が亡くなった肉体に乗り移って支配するスキルです。また、乗り移る際に『適合率』というものが存在し、適合率が高いほど感覚がはっきりします。

 ですが、このスキルは強個体であるゴーストが希に習得できるSPSスペシャルスキルです。多くのゴースト…………約9割のゴーストは習得することができません。 》

  



…………これ絶対俺に乗り移させる気全くないだろ。

読んでいただいてありがとうございます!

 前書きでも書いた通り、少しだけお知らせがございます。



この小説の22話を読んだ方は知っているとおもいますが、ノワールは元人間です。

 感想で書いてもらうことでも、ノワールファンが意外にも多いのが分かります。


もう少ししたらこの作品のシリーズとして、ノワールの過去的な小説をかくかもしれません。

詳しいことは決まったら後書きでお知らせします!

 ではまた次回で!

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