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早速死亡………ってあれ?

本日更新です!

 皆さん楽しんでよんでください!

20      早速死亡…………ってあれ?




浄化パージ

 それはこの世界にあるアンデッドを倒すための技だ。巫女と言われる人間が扱い、それぞれ力の差はあるもののゴーストなどという最弱のアンデッド族を浄化パージするくらいの力はあるだろう。


ああ………何だろう。

 まるで冬場に温泉に入ったように心地良い。



水色の光が俺を包み、気持ちを高ぶらせていっている。段々と理性を保てなくなり、意識も薄れていくような――――




「いくら3U(あいつ)の友であったとしても、お前はゴースト。私の力を持ってすれば浄化パージは容易い。

 お前のようなゴーストは絶対に忘れない………」



――――あれ?

 何か、まだ俺意識あるんですけど。


というかさっき感じてた心地い感じが無くなっちゃったんだけど………一体どういうことですか?

巫女さん―――じゃねえゴンさんの声も全然聞こえるし、というか全くこの浄化パージが俺に効いている感じが全くしないんですけど。




そんな感じのことを思って待っていると、やがてこの水色の光は無くなった。光が無くなって視界がよくなった目の前の景色は決して『死後の世界』のような暗い世界でもなく、さっきまで見ていた景色も全く変わっていなかった。

 ………あれ?俺って浄化パージされたんじゃなかったの?

一回メチャクチャ心地良い瞬間が来たけど、それをピークにして何も感じなくなっちゃったんだけど!?



俺って生きてるの?(厳密には死んでいる)

 浄化パージされて天に還されちゃったわけじゃないってこと?

でもまともにゴンさんの浄化パージ受けちゃったよね?ゴンさんの浄化パージがくそ弱かったってこと?



「な、何で………?何で、お前は生きてるのだ!?」




いやいや………それはこっちのセリフですよ。生きてる………まあ、厳密に言ったら死んでるけど、何でゴンさんの浄化パージをもろに受けて生きてるんでしょうかね?

 ゴンさんってそんなに弱いんですか?最弱のゴーストを浄化パージできないほど弱いんですか?



「そんなわけがないだろう!私はそこまで弱くない!お前なんぞ容易く浄化パージできる!!」



でも実際は浄化パージできてませんよね?

 それって俺よりも弱い………というか、浄化パージの力が弱まっている証拠なんじゃないですか?ノワールも似たようなこといってたし。



「う、うるさい!私の力が弱まっていたとしても、ゴーストを浄化パージできないなんてありえないのだ!

 ………さてはお前ゴーストではないな!!」



………いきなり何を言い出すんだ?いきなり頭がぶっ飛んだのか?それともバグが発生しただけか?

 精神科ってこの世界にもあるのかな?でも、脳の影響かもしれないからもっと違う大病院に行った方がいいよ。



「なぜいきなり心配されなくてはならないのだ!?

 私とお前は敵同士なのだぞ!」



いやいや、最弱のアンデッド族であるゴーストを浄化パージできない巫女を敵として見るのは難し―――――何でもございません。

 ………それ以上言ったら拳が飛んできそうだったので、俺は猫のような手を頑張って動かして見事に土下座をしていた。



「………うむ。謝っているという誠意は伝わったから許してやるとしよう。だが、一つ条件がある」




………条件?まさか………!?

 ゴーストである俺に何をすると言うんだ!!俺の体何かに価値はないぞ!


「そんな条件を出すわけがないだろう!!

 私が知りたいのは『ゴーストであるお前に浄化パージが効かない理由』だ!!」



………なーんだ。

 『ありきたり過ぎてつまらない』と言うような感情は拳が数発ほど飛んできそうなので、ここは心の内にしっかりと隠しておこう。


ありきたりではあるものの、それは俺自身も気になっていたことである。正直、最初よりは強くなったという自信はあったものの、巫女さんの浄化パージをもろともしないほど強くなった自信はない。

 ノワールが直前に防御の支援スキルでも使ったという選択肢も無くはないが、ここでは除外しておこう。



勝手に人の心を読むというチートのヴァンパイアが、そんな回りくどい方法を取るような奴ではない。



(【解析:俺に浄化パージが効かなかった理由】。)



………ストレートすぎたかな?

 もはやこのスキルがドラ○もんの秘密道具にありそうな『何でも対応辞書~』。


………みたいな感じになってしまっているような感じがしてならない。

習得したスキルだから使ってなんぼなんだろうけど、ここまでストレートの解析はさすがに難し―――



《 解析終了です。 それと追伸ですが、スキルに感情移入するだけ無駄なことです。 》


――――何てタイミングのいい。

 そして、何て悲しいことを言ってしまうんですか………。



《 解析結果、あなたはこの世界に来る時に【女神の祝福】という加護を習得しています。 【女神の祝福】という加護は、最高クラスの加護と言われ、あらゆる属性攻撃を無効化します。浄化パージが効かなかったのは、加護の効果が発動したからと予測します。 》




マジですかい!?

 え?それって本気で言ってるの!?


確かに言われたよ!最後に女神の祝福が~みたいなこと!!

 でもさ!浄化パージが効かないゴーストって無敵じゃん!


人間の体に乗り移ることねえじゃん!しかも属性攻撃を無効化するとか、俺人間の体に乗り移る必要ないじゃん!!




………と、思ったけど。やっぱり異世界の美味しい物を食べたいので体に乗り移ることにしまーす!




「おい………謎が分かった途端勝手に一人で納得するな。私にも詳細を伝えろ」



ひえー。

 随分と上から目線できますねゴンさん。まあ、別に上から目線で話されるのは慣れてるし気にしないからいいんだけどさ。

どっかのチートヴァンパイアも上から目線だし、メチャクチャおちょくってくるし。



(何かね………【女神の祝福】って加護を元々習得してたらしいから、俺には浄化パージが効かないらしい。)



最初の心地よかったあの感じは、加護が発動するまではきっと時間がある程度かかるだけだったんだろう。

 加護が発動した瞬間、心地良い感じは全く感じなくなって浄化パージが効かなくなっただろうな。



「………お前、今なんと言った?【女神の祝福】………加護だと?アンデッド族であるお前がなぜ女神の加護を持っている」


さあ?多分この世界に送るときにくれたんだよ。

 女神様言ってたよ?『アンデッドモンスターだから討伐される可能性が高い』って。


だからきっとこの加護をくれたんでしょ。


「………なぜ女神様はこんなゴーストに加護を………?」



………何か難しそうなこと考えてるのかな?

 正直に言うと、俺は難しい話はそこまで好きじゃない。だから恋愛もよく分からずに年齢=彼女いない歴ということになってしまうのだ。


童貞のまま35歳だから魔法使いになったのかと思ったら、まさか異世界でゴーストやってるとは思わなかったけど。



「まあいい。お前に何の期待をして加護を託したのかは分からないが、改めて教会に案内してやろう」



あ、そうですか。というか予想通り真っ直ぐ教会につれていく気は全くなかったんですね。

 別にいいけど、微塵も信じてもらっていなかったと思うと少し悲しい。



「仕方ないだろ。3U(あいつ)の言うことを簡単に信用したら笑われるだけだ」


それもそうですね。

 お互いがノワールのことを少しは分かっているからこそ言える愚痴かもしれない。今まで何度ノワールにバカにされたことか数えきれない。


………でもとりあえず、教会に連れていってくれるなら喜んでついていくとしよう。加護一つ持ってることを知った瞬間メチャクチャ安心するような感じは一体なんなんだろうな?

 お化け屋敷に入るとき、一人じゃなくて二人なら余裕っていうような感じかな?


………そう言えば、ノワールから加護については聞いてなかったけど魔力って消費するのかな?


(【解析:加護の魔力消費】。)



《 解析終了です。 加護は特性と同じで魔力の消費はありません。ですが、加護はスキルと違って習得できる数が少ないです。 》



………ほう。魔力を消費しないで発動できるのは楽でいいな。

 さて、俺は乗り移る予定だった体の顔でも期待しながらゴンさんの後を着いていきますか………。



読んでいただいてありがとうございます!

 ここ2話あたり登場していないノワールですが、そろそろ出てきますよー。


ノワールファンの方には申し訳なかったですね。

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