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やっぱりチートの友達

あけましておめでとうございます!! 


 早速投稿を致します!そして、年が明けて最初の投稿は丁度10話目でございます!!!皆さん楽しんで読んでください!!

10          やっぱりチートの友達




(【解析:現在地の村】。)



《 現在地ペリカ大森林の中にある村

  村の名前:ペリカ村

    住民:人間・魔獣

  村には約150人の人間が住んでいる。ペリカ大森林に数か所ある村の一つで、そのなかでも上位に位置する住民の人数。主に狩りをして生計をたてていて、食料用の魔獣の肉を食べている。他にも、酪農や作農もしている。 》



なるほど。つまりここは、地球で言う農村地域みたいなものか。

 さっき黒毛狼を生のまま食べた俺が言えることではないが、正直に言うと魔獣は食いたくない。味覚がないからこそ食いたくないというか……とても複雑ではあるが、好んで食べたいとは思わない。



……そんなことよりも今は、ノワールが滞在している家を探さないとけない。早く探さないと本当に認識阻害の同調リンクを切られそうなので、早く探さないといけない。

 このペリカ村だが、中学か高校の歴史の授業で習ったような家ばかりだった。基本は木と藁で作られていて、いわゆる『竪穴式住居』と言う建物だ。この村の村長らしき家は石で頑丈に作られているみたいだが、それ以外は竪穴式住居だ。



地球の日本の発展した住居と比べれば発展途上もいいところだ。これだと、他の村から襲われた時に何もできないんじゃないか?一つの家で火事でも起これば、村の崩壊ではすまされないことだろう。

 俺がゴーストという浄化パージされる立場でなかったら、ここの人たちに家の建て方を教えてやるところなんだが。 


村についてノワールが居る家を探している途中、気になる会話が俺の耳に流れてきた(耳ない)。


「おい聞いたか?何でもこの村に、メチャクチャ強い冒険者がやって来てるらしいぜ」


「ああ、聞いたぜ。でも……何でこんな辺鄙な村に来たんだろうな?冒険者と言えば、こんな村じゃなく町とか行くだろうに」


「何でも、『旅の途中に寄った』らしいぜ。多種多様のスキルとか魔法を使いこなすから、俺たちでは狩れない魔獣を狩ってくれるらしい」


「へえ、冒険者なのに珍しく気前がいいな。何か狙ってるんじゃないのか?」



ハハハ!!と、互い笑いながら話していた。

 二人とも20代後半に見える男性だったが、さすがに体格は地球とは全く違った。身長は二人とも180センチ以上はありそうで、プロレスラーのような筋肉を持っていた。魔獣とかという地球にはいない動物と戦うためなんだろうが、あそこまでの大男が倒せない魔獣とか考えたくもない。



……それより、さっきの会話を聞いただけで判断すると恐らくノワールのことだろう。……俺を差し置いて好青年として通してるんじゃねえよ。

 見た目詐欺のお前なのに、俺以外の時には何で口調も声も変えるんだよ。もうどれが本当のお前なのか分からねえよ。人助けをするなとは言わないけどさ、それでも口調と声を変えるのはせこくない?


見た目だけはいいんだからさ。逆に性格を最悪にしないと欠点がなくなっちゃうじゃん。ただえさえチートヴァンパイアなんだからさ!!ねえ!!聞いてる?

 


「貴様、しばらく見ないうちに随分と成長したではないか」


ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

「待て、我にその言葉はおかしいであろう」


(え?何だノワールかよ、驚ろかすなよ。人間の体だったら色々漏らしてたぞ。)


まるでお化け屋敷に入った女子のような声を心の中で上げてしまった俺だが、その声の主ノワールだった。後ろからいきなり話かけてきたことに少しは驚いたが、ノワールだと分かった途端に安心してしまった。……あ、変な意味じゃないよ?

 

(あれ?お前って俺の認識阻害の同調《同調》切ったのか?)


「いや、我はまだ切っていないぞ」


(じゃあ何で見えてるんだ?同調リンクさせた奴には見えるとかそういう奴か?)


「それもない。我が貴様の姿が見えているわけは、スキル【透視】を使っているからだ。……貴様、自分でも覚えておきながら効果を知らないのか?」



……マジか。透視って、そんな効果あったんだ。一回試しに使ってみたけど、何の意味もなかったからただのネタスキルかと思ってた。

 そうか……あの時は周りに透視して見るものが無かったから効果が表れなかったんだ。

今思い返すと実に単純なことだったな。透視するものがないと、結局は意味がないわけだ。最初はスキルの効果が発揮できるシチュエーションを作ってからやるべきだったか。



「フハハハハハ!!!やはり貴様の頭はどこかの魔獣よりも劣っているらしい!!元人間というものただの滑稽である!!フハハハハ!!!」


(やかましい!!お前、この村の住民とかあの姉妹にはそれなりの対応をしてたのに、何で俺のときにはいつもの口調に戻るんだよ!!!)


「貴様には丁度いいであろう?正直、あのような口調は少々疲れるのでな」


こいつ認めやがった!!!あの紳士みたいな対応が演技だってことを認めやがった!!ふざけんじゃねえ!!


(くらえ【魔力撃】!!!)


俺は日本で大ブレイクしているドラ〇もんとか言う猫型ロボットのようなゴムまりの手に力を込めて、この世界にきて初の攻撃スキル(多分)をノワールに食らわせた。

 ……その一撃は、ノワールの片手で難なく受け止められてしまったが、なぜかノワールの手のひらからは煙のような物が出ている。



……完全に不意を突いたつもりだったが、どうやらノワールのは一目瞭然だったらしい。

 

(ハア……。やっぱり受けられたか。置いてかれた腹いせに、お前を覚えたばかりの【魔力撃】で殴りたかったんだよ。)



腹いせとはいえ、不意打ちで魔力撃を打ち込んだのだ。ノワールからすればハエが止まったかのようなパンチ―――だよな?

 魔力撃をノワールに打ち込んだが、なぜかノワールは難しい顔をしている。……え?そんなに痛かった?もしかして怒っている的な感じですか?


(の、ノワール!その……腹いせとはいえ、いきなり攻撃したのは悪かった。だからそんな怒るなよ?なあ……。)


微動だにしないノワールに俺は一生懸命謝っていた。………正直、何も言わずに立っていられた方がよっぽど怖い。無言で怒っていきなり認識阻害の同調リンクを切られてドンずらされそうだ。



「………なるほど。これは中々どうして面白い。フハハハハ!!!我に魔力撃を食らわすとは、貴様の度胸は目を見張るものがあるな」


(あれ?怒ってないのか?)


「怒る?仮に我が怒っていたとすれば、貴様はもちろん、この村の人間は無事ではないであろう」


(まあ……それはそうなんだけどさ。ずっと難しい顔をしながら黙ってたから、てっきり怒ってるんだと思ったんだよ。)



どうやら、本当にこいつは怒っていないらしい。チートで性格があれなノワールだが、こいつが起こるところは想像がつかない。

 別に怒らないならそれでもいいけど、さっきの難しい顔は何だったのだろうか?魔力撃を不意打ちで食らわせたことに怒っているのだと思ったけど、怒ってないとすれば一体さっきの難しい顔は何だったんだろう。



「貴様、それはそうと、さっきの魔力撃の仕返しの代わりに認識阻害を同調リンクは既に切っている」



……は?今なんて言ったこいつ?

 認識阻害を同調リンクを切った?



いきなりのカミングアウトに、俺の脳はノワールが言ったことを処理するのには大分時間がかかった。

 


「おい見ろ!!【ゴースト】だ!!あいつには通常攻撃がきかねえ!!早く巫女を呼んで来い!!」


「ヴァンさんが食い止めてくれているうちに呼んでくるんだ!!早くしないと、ヴァンさんもアンデッドモンスターにされるぞ!」



え?もしかしてそれって俺のこと?てかヴァンさんってまさか、ここにいるノワールのこと?

 それよりも、本当に俺って認識阻害を同調リンクを切られたのか?まさかとは思うけど…………って、何でお前はそんなに笑顔なんだよ!!



怒鳴り声のような声を聞きながら動揺していた俺は、ノワールに助けを求めるためにノワールの方を向くと、そこには万円の笑みをこぼしているノワールの姿があった。

 思わず乗りツッコミをしてしまったが、そんなことをしている場合ではなかった。さっきの掛け声のせいで、さらに多くの人たちがこちらに群がってきた。


スターになって女性から押し寄せられるのではなく、ゴキブリを退治するために群がってきたような感じだ。人間から追われるゴキブリの気持ちってこんな感じだったんだな……。


「居たぞ!!早くしろ!!早くしないと、ヴァンさんが……」



おっと、そんなことをしてる場合じゃないか。早く逃げないと巫女さんに浄化パージされちゃうじゃん。

(とりあえず……【保護色】。)


「なに消えた!!おい!ゴーストの姿が消えたぞ!皆で探せ!!」


「その前にヴァンさんだ。さっきのゴーストに攻撃されていないか調べるんだ!!」



……どうやら助かったみたいだ。

 一般人だからかどうかは知らないが、【透視】スキルを持っていないらしい。そのお陰で、保護色で姿を晦ましている俺の姿が見えていない。……【認識阻害】と【保護色】というスキルの違いはだこにあるのだろうか?

どちらも他人の目を欺くスキルだが、それの違いはどこなんだろうか。


「認識阻害は姿だけでなく、気配すらもなくすスキルだ。逆に保護色は姿を周りの景色と同じにするからな。だから、結局は姿だけを消すスキルだな。保護色は認識阻害の劣化版と呼ばれている」



なるほど。ご説明ありがとうございます。

 でも、スキルの説明じゃなくてできればこの状況をどうにかしてほしいんですけど……。俺の魔力はそこまで量ないし、いつまで続くのかわからないし………。


《 現在30%の魔力を消費しました。 》


ほら言わんこっちゃない。

 ノワールがスキルの説明をしているうちに、頭のなかに言葉が流れ込んできた。既に30%の魔力を消費したとか早すぎじゃないですか?もう少しもってくださいよ。


取りあえずドンずらしよう………。

俺は保護色を展開したまま、村の外へとダッシュした(メチャクチャ遅い)。




※※※※




ハア……。何か、むなしいな。

 ノワールがいきなり認識阻害を同調リンクを切ったので、しょうがなく保護色を展開して村の外へと出てきた。


………何となくむかつくのは、ノワールが想像以上に村の人たちに気に入られていることである。あの状況は、なぜか俺がノワールのことを襲っているということらしい。………実に腹立たしいことである。何で俺がノワールを襲っていることになっていたんだよ。

 


《 個体名ノワールからスキル【テレパシー】を使用してメッセージが届きました。メッセージを確認致します。 》



ハア……聞きたくねえな。頭のなかに、ノワールからメッセージが届いたというお知らせがきたが、このメッセージを確認したくはなかった。

 一体どんな嫌味の内容なんだろうか?村の住民から追い出されたことに笑い転げているのだろうか?………正直に言うと、最後に見たあの笑顔を殴りたかった。



《 メッセージを確認が終了いたしました。これよりメッセージをお伝え致します。 》


(フハハハハ!!!ハルトよ!今ごろは村の外にでて一人蹲うずくまっている最中であるか?我がその瞬間を見れなくて非常に残念である!!………ところで我は、今から村の男どもと一緒に魔獣狩りに出かけてくるとする。村に滞在するのはこの魔獣狩りが終わるまでだ。場所は、村の南側にある洞窟らしい。その魔獣は食用ではないらしいので、仕留めた魔獣を食べればレベルが上がるかもしれないぞ?)



………メッセージは以上だった。

 ………以外にも普通のメッセージであるだけに、何かツッコミがしずらい。でも、ノワールの言っていたことが本当だとすれば、俺がその魔獣を狩る現場に行かない理由はない。レベルアップも狙いたいし、あの村の人たちがどのくらい強いのか気になったりもしている。


よし!!じゃあ、行きますか!


俺は魔力切れを心配して、一度展開していた保護所を解除した。もちろん気づかれそうになったら保護所を使う予定だが、それでも魔力切れを起こしてしまったら元も子もない。

 体を動かせない状態で浄化パージされるのは怖すぎし、やられ方もカッコ悪すぎる。



「おらぁぁぁ!!」


 おっと、そんなことを考えているうちについてしまったらしい。その証拠に、戦いの掛け声のような声が聞えてきた。どうやら、早速魔獣と戦っているらしい。ここから洞窟は少し離れているが、声が聞こえているということはもう少しだということだろう。


「そっち行ったぞ!!」


「ギャース!!」



………え?ヤバくない?あいつ。

 声を頼りに進んでいたら、草木が生い茂っている道が段々と開けてきて、洞窟のような物が見えてきた。だが、魔獣は適度に刺激されたため少し怒っていて、すみかだと思われる洞窟は結構壊れかけていた。おそらく、魔獣を外に出すために巣を刺激したのだろう。そのお陰ですみかを半壊させただけでなく、見事魔獣を怒らせるのも成功したらしい。


その魔獣と言えば、俺が食べた黒毛狼のデカい奴みたいだった。さっきの黒毛狼を軽く上回る体躯で、全長は8~10メートルくらいのも及ぶだろう。真っ黒い逆立っている毛は、いきなり襲い掛かってきた男たちを威嚇しているのだろう。


(【解析:目の前の魔獣】。)


《 解析が終了いたしました。これより反映いたします。 

     種族名:魔獣

     種類名:※解析レベルが足りないため、反映不可

     レベル:30

     攻撃力:700

     防御力:540

      魔力:120

      

      特性:鋭歯・避雷針・超嗅覚

      NSノーマルスキル 【かぎ爪】・【威嚇咆哮】 》



………名前が分からないのは初めてだな。というか、こいつ割とステータス高くね?確かここの平均レベルは7だったような気がするけど、それの約4倍じゃねえか。

 攻撃力も俺より6倍くらいあるし、何よりNSノーマルスキルにある【威嚇咆哮】っていうのがすごい怖い。何かメチャクチャ強そうじゃない?



「ヴァンさん!気を付けてください!こいつのスキルは威嚇と同時に、相手を畏縮させる効果がある!!」



「ぐギャァァァァァァァァァァァ!!!!!」



「「「くっ!?ヴァ、ヴァンさん!大丈夫ですか?」」」



一人の男が注意した瞬間に、魔獣はスキルをしようしてきた。

 そして、ノワール目掛けて突っ込んでいき、強靭な顎と鋭い牙で噛み砕こうとしていた。



「大丈夫です。私には、このスキルはききません」


「ギャース!!」


「【氷結矢】」


ドスッ………ビチャン。



ノワールに飛び掛かろうとジャンプした魔獣だったが、ノワールは左手を少し伸ばしてスキル名を一言呟いただけだった。

 スキル名を呟いた瞬間、複数の氷で出来た矢が魔獣へと突き刺さっていった。全部突き刺さってしまったため、声を上げる余裕もなく魔獣の息の根を止めた。



黒毛狼のように首と動体が真っ二つにはならなかったが、赤いどす黒いが魔獣からあふれ出ていて、ここら一帯は血の海と化していた。




………あの魔獣のスキル【威嚇咆哮】がきかないというノワール。俺は改めて、こいつがチートヴァンパイアなんだということを理解した。

読んでいただいてありがとうございます!!

 つい最近書き始めたばかりの作品ではございますが、おれからまた一年よろしくお願いいたします!!

なるべく更新ペースを上げようと思っているので、皆さんよろしくお願いします!!


今日も誤字脱字があったら、遠慮なくいってください。

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