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何故、僕はまた学校に通う事になったのだろうか?

 「漫画漫画漫画漫画漫画漫画~!!」


 花坂可憐です。今日もネリーから貰った漫画が読み終わりません。話す事と言えばこれしかありませんが、今日も僕は引きこもりをやっています。ちなみに、美紀と言うのは僕の家で家政婦と言う名の奴隷をしている僕の一個下の女子高校生です。何故改めて説明したかは良く分かりません。


 「花坂!出て来い!」


 この声は真妃だな。僕の数少ない友人が訪ねて来たので玄関に行き、ドアを開けた。


 「大変だ!山が爆発して夢現実が大量に噴き出た!」


 「何!?新夢現実は動いたのか?」


 「新夢現実はすぐ動いて全国で三分の一は減っている。」


 「だったらすぐにでも解決するじゃないか。」


 「問題はそこじゃない!その噴き出た夢現実の中に大物がいるんだ!」


 「大物?一体どんな?」


 「六道輪廻だよ!!」


 「ろくどーりんね?それって人間は行いによって六つの世界に何度も生まれ変わるって奴か?それを模した夢現実か?」


 「そうだ!その六道輪廻だ!」


 「六つの世界の名はそれぞれ天、人、修羅、畜生、餓鬼、地獄だったな。その中のどれなんだ?」


 「畜生だ、畜生は動物になって使役される。つまり、ブラック企業の社員とかが該当するな。」


 「一つ質問するが、畜生の夢現実は一体だけなのか?」


 「一体だけだけど、六道輪廻の一人が死んだらその一人の役は他の奴が引き継ぐ。人、修羅、畜生、餓鬼の四つの役は何度も何度も入れ替わっているが、天と地獄の二つは一回も入れ替わっていない。」


 「天も地獄も名前が強そうだからな・・・それにしても、畜生の夢現実が出るとどうなるんだ?」


 「あ、重要な事だった。六道輪廻の夢現実が取り付いた奴は六道輪廻の夢現実が離れない限り永遠の命が約束されるが・・・」


 「名前の通りの事が自分の身に起きるってか?畜生の場合は逆らう事も出来ず永遠に使役されるのか?」


 「まさにその通りだ、天の場合は様々な苦しみを感じなくなり、人の場合は人の理想と言うべき心になり、修羅の場合は誰にも負けない程の強さが手に入る。餓鬼の場合は何をやっても何も満たされなくなる。そして地獄の場合は・・・」


 「地獄の場合は?」


 「まだ取り付かれた人間がいないから分かっていない。」


 何だよ、期待して損した。


 「と言うかお前が地獄の夢現実なんじゃないの?」


 「違うよ、俺はただ努力して強くなった夢現実だよ。」


 「ふ――ん」


 僕は半信半疑になった。


 「それで?その畜生の夢現実を僕にどうしろと?勝てないから協力しろと?」


 「いや、ただ戦うだけなら俺一人でも楽勝だけど。」


 「楽勝だけど?」


 「一度人間に取り付いたらある条件を満たすまで出て行かないんだよ。」


 「条件?」


 「その一、取り付いた奴が死ぬ。」


 「永遠の命をどうやって倒すの?」


 「永遠とは言っても不死じゃないからな。殺す事が出来れば畜生も死ぬ。また他の夢現実が畜生になるだけだけどな。」


 「じゃあ殆ど犬死にじゃないか。」


 「その二、取り付いた役の力では敵わないほどの何かを手に入れる。」


 「なるほど、それを手に入れられたのなら取り付いても何の意味もないから出て行くと言う訳か。」


 「その三、取り付いた役の夢現実を満足させる。」


 「どう言う事だ?」


 「例えば、修羅の場合だったら世界一強くなるとか。」


 なるほど、そしてまた次の奴に取り付くって訳か。


 「その四。」


 まだあるのかよ。


 「他の役が引きずり出す。」


 「他の役と言うと・・・六道輪廻のか?」


 「そうだ、六道輪廻は全員取り付く事が出来るから引きずり出す事も可能だからこの方法でも条件を満たした事になる。但し、引きずり出した奴が取り付く可能性もある。」


 条件と言うより喧嘩だけどな。


 「まぁ細かく分けたらこの四つだな。ちなみに出る条件で一番多かったのはその三の満足させるやり方、一番少ないのはその二だな。」


 「そうなのか、その四が一番少ないと思ったんだけど。」


 「その四は地獄の夢現実が暇つぶしでやってるから意外と多いんだよ。」


 地獄の夢現実・・・良い奴なのか悪い奴なのか・・・


 「後は・・・天、人、修羅の性別は女で、畜生、餓鬼、地獄の性別は男って所だな。ちなみに六道輪廻の男が人間の女に取り付く事も可能だ。」


 なるほど、分かりやすい設定の説明だったな。僕にとっては。


 「それで?畜生の夢現実は今どこにいるんだ?」


 「お前の学校の奴に取り付いている。」


 「・・・え?」


 「しかも取り付いている奴は・・・」


 そして真妃が耳を貸してと言うジェスチャーを出したので、僕は耳を貸した。


 「藤本美貴なんだよ。お前の家に住んでいる。」


 「何~!!!」


 言葉の内容に、僕は驚愕して大声を出した。


 「そうと決まれば、早速お前の学校に行くぞ!」


 「え!?でもお前は学校の生徒じゃ・・・」


 「大丈夫だ!この前編入試験でトップで合格したから俺は立派な生徒だぞ!」


 「はい~!!??」


 と言う訳で、僕はまた教師や他の生徒のご機嫌取りをする場所の学校に行く事になった。

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