そして、僕は夢現実を倒す。
今、僕の目の前では戦いが繰り広げられている。戦っているのは、片方はネリーと言う新夢現実、そしてもう片方は鬼になった夢現実だ。何故、夢現実が僕を倒そうとしたかは不明だが多分真妃と間違えているのだろう。こりゃあ変装無しじゃあ今後歩けないかもな。それにしても・・・
「ネリー!その剣だと夢現実を一撃で倒せるんじゃないの?」
「これが本物の断夢の剣だったらこんな奴ぐらい一撃で倒せるけど!!これはレプリカだから剣に封じ込められるまで弱らせないと倒せないんだよ!!」
「あぁ・・・畜生、頼りねぇ・・・」
だが、あの夢現実とはまともに戦えているのでギリギリ大丈夫だと言えるだろう。これは真妃に助けを求める程でも無いかな?
「おぉ、派手に戦ってるなぁ~」
と思っていたら、真妃の方からこっちに来た。
「真妃、丁度良かった。アイツを助けてくれないか?」
そう言いながら僕はネリーを指さした。
「あんな鬼ぐらい、ネリーの様にこの前襲って来た新夢現実の精鋭に比べて力不足な奴でも倒せるだろう。」
「あれで精鋭だったのか・・・お前はどんだけ強いんだよ・・・」
「お前だって人間にしては中々強いだろ。回避技術とか、回避が困難な攻撃とか。」
まぁ、全世界から糾弾された時に短時間で殺せるように研究してたからな。それ位楽勝だな。
「そうだ、あの鬼と戦ってみるか?」
「止めてくれよ、僕は命知らずと正反対の性格だぞ。」
「大丈夫だ、危険になったら俺が助けるから。ほら、剣だ。」
真妃は僕に、ネリーが持ってる剣と同じ物を渡した。
「いや、ポンと渡されてもな・・・しょうがない、ちょっと研究するか。」
僕は鬼を観察してみた。そしたらある事に気付き、僕は前に出た。
「おい!危ないぞ!下がってろ!」
「大丈夫だ、僕だったらこいつは楽に倒せる。」
「何!?」
僕は、鬼と対峙した。鬼は僕を見るとすぐに殴りかかって来た。こんな大振りの攻撃なんか僕には簡単に避けられた。鬼はすぐに追撃をしてきたが、僕は鬼の間合いで次々と避けた。鬼が苛立ち、一気に勝負を決めようと掴みかかって来たが殴るスピードに比べればかなり遅い。僕はその隙に鬼に急接近して、喉に剣を突き刺した。
当然、鬼はその一撃で絶命した・・・
「グォ―――!!!!」
かと思いきや、最後の足掻きで僕を潰そうと左右の手で殴りかかって来た。
「だりゃっ!!」
「ほいっと!!」
右手をネリーが剣で、左手を真妃が止めてくれなかったら僕はやられていただろう・・・いや、止めなくても僕だったら避けられたが。とにかく、鬼は今度こそ絶命した。絶命した鬼が光となって剣に入った。
「ネリー、今倒した鬼は売れるか?」
「まぁ、どんな夢現実でも売れるな。」
「だったらその金はお前の懐にでも入れとけ。僕が売れる所に行っても無駄だからな。」
僕はネリーに剣を渡した。
「良いのか!?ありがとよ!」
「その代わり、売りさばいたら家に来い。」
「分かった!必ず行くぞ!」
ネリーは、どこかへ飛んで行った。
「お前の家にネリーを連れて何をするんだ?」
「まぁ、色々とね。」
そして僕は漫画を持って家に帰った。