ネリーの家に・・・行きたい!
僕は今日、学校に行かずにオンラインゲームのイベント消化に励んでいる。やっぱりゲームは面白い、学校に行く辛さも学校で起こる辛さも全部忘れさせてくれる。世の中の人間は自分の幸せしか考えずに他人を平気で、或いは無自覚で無意味に不幸にするからやってられない。これが現実だと言うなら神と言う物を憎みたいな、自分で平気に自殺する事も出来ないように人間を調教した神と言う物を・・・
「誰だ?こんな時間に・・・」
などと僕が考えていたら、家のチャイムが鳴った。平日に何の用かと思いながら僕は玄関に向かい、ドアを開けた。
「あ、あの!」
チャイムを鳴らした奴は、僕の首ぐらいまでの身長しかない白髪のチビの女だった。
「やあっ!」
そのチビがどこからか剣を取り出して、情けなく僕に振り下ろした。
「ほいっと。」
だが、そんなヘッポコ丸出しの攻撃など僕に当たる訳も無く僕はあっさり真剣白羽取りで止めた。
「うー、うー、うー、うー・・・」
白髪のチビは、僕の手で押さえられている剣を引っ張って抜こうとしたが、チビの女と高校生の男では力に大きな差がある為、今の様な声を上げながら引っ張っても抜く事が出来なかった。
「あー、もう無理・・・」
白髪のチビは力尽きて、倒れてしまった。
「新夢現実のチビ、お前はここに何をしに来たんだ?」
「何故・・・私が新夢現実だと・・・?」
「こんな剣を持っていて、お前の身長が低ければ知っている奴は全員分かるだろ。」
「と言うか・・・何で私の姿が・・・?」
「あぁ、同じ新夢現実のネリーと言う奴が僕を認識出来る様にしたんだよ。」
「え・・・?あの人間不信のネリーさんが・・・?」
ネリーが人間不信?あんな漫画とラノベ好きの奴が?まぁ良いか・・・
「もう一度聞くぞ、お前はここに何をしに来たんだ?僕と似た賞金首を倒しに来たのか?」
「そうです・・・良く分かりましたね・・・」
「ここに来る新夢現実はほとんどがそうだぞ、例外がネリーだな。」
「やっぱり・・・私なんかが賞金首を倒すなんて夢のまた夢ですね・・・」
・・・そうだ、良い事を思い付いた。
「お前、名前はなんて言うんだ?」
「え・・・?カシワですけど・・・」
「カシワ、僕を連れて行ってくれ。」
「え、どこにですか?」
「ネリーの家に。」
「・・・どうしてですか?」
「理由を聞くんだったら今から僕と似た賞金首に電話してお前をボコボコにした後・・・」
「分かりました!分かりましたよ!連れて行けば良いんでしょう!?」
こうして、僕はカシワに連れて行かれてネリーの家に行く事になった。




