人の異変 4
「可憐、パン美味しいか?」
「まぁ、脳のエネルギー補給には良いかもな。ゲームもはかどるし・・・」
「ハハハ、可憐らしいな。」
こんな会話をしているが、僕の頭の中は人を追い出す為の計算で一杯になっている。
「おい、ネリー。」
「何だよ。」
「僕と恋人で・・・楽しいか?」
「きゅ、急にどうしたんだよ、楽しいに決まってるじゃないか。」
顔を少し赤くしてネリーは答えた。
「そうか・・・」
これも六道輪廻の人の所為かと思うと、腹が立つな。
「やっと戻ってきたか、腹の虫は治まっているな。」
片山の出迎えなんかどうでも良いけど、今はいつも通りにしておこう。
「さてと、今日もハイスコアを狙うぞ・・・」
「プリントはやっておけよ。」
「大丈夫だ、片山ぐらいの人間が作ったプリントなど僕にかかればゲームを起動するより簡単だ。」
「ボタンを押すより簡単なのかよ、俺が作ったプリント・・・」
ハイスコアもプリントもどうでも良い、最優先は六道輪廻の人だ。やっぱり強行突破しかないが、人がどれ位強いのかは分からない。それよりあの剣を取り出してきて殺されるかもしれない。どうすれば良いんだよ・・・
授業が終わり、僕とネリーと美紀は家に帰っていた。
(さてと、昼休みの間に真妃とアイツに作戦を伝えたが・・・上手く行く可能性は僕次第だ。だから上手くやらなくちゃな・・・)
「・・・可憐。」
「なんだ、美紀。」
「・・・今日、外食に行かない?」
「外食か、まぁ良いぞ。ネリーは何が食べたい?」
「焼き肉!!」
「良し、焼き肉食べに行こう!!」
「やっぱり焼き肉屋は混んでるな・・・美紀、予約して来てくれ。」
「・・・分かった、可憐。」
美紀は、焼き肉屋に入った。
「ちょっとこっちに来い。」
「何だよ、時間を潰すのか?」
「違う、ネリーじゃ無くて・・・マリアに言ったんだよ。」
「・・・マリアって、誰だよ?」
「お前だよ、六道輪廻のマリア。」
僕は六道輪廻、人の本名を呼んだ。
「なるほど、私の名前を呼ぶと言う事は・・・私と戦うと言う事ですよね?」
「まぁそう言う事だな。」
「分かっていると思いますけど、このままにしておいた方がネリーにとっては幸せなんですよ?」
「悪いけど、可憐や僕にとっては気持ち悪い事でしかないんだよな。」
「なるほど・・・では、勝負と行きましょうか!!」
「今だ!!真妃!!」
僕が叫ぶのと同時に、真妃がネリーに取り付いたマリアに飛びかかった。
「やはりそう来ましたか、予測していました。」
だが、マリアはそれを予測していたらしく真妃に反撃した。
「ジャンヌがキースの味方をしたと言う情報は、ミューラから聞いていますので。」
「畜生、失敗か・・・」
「さてと、次は・・・キースの番ですね。」
マリアの言葉と同時に、真妃と同時に飛びかかった奴がいた・・・
「やっぱり貴方は可憐で、こっちがキースでしたか・・・」
飛びかかった奴はキースだったが、それも予測されていたらしく失敗してしまった・・・
「次は貴方ですよ!!」
「クソ・・・ここまでか!!」
「そうですよ!!貴方は・・・」
その時、後ろから銃声が鳴った。銃声が鳴った直後に真妃とキースがまたもや襲い掛かり、今度こそマリアを捕らえる事が出来た。
「今の銃声は・・・?」
怯んでいるマリアが、後ろを振り向いた。
「な、なんで貴方がここにいるんですか・・・?南!!」
そこには、僕の親友で間違いなく一昨日までの記憶が無い南がいた。
「いや、クソ・・・ここまでかと言う言葉を可憐が発したら銃を撃てと言われたからその通りにしただけだけど・・・」
「何でそんな事を!!一昨日までの記憶があるんですか!?」
「分からないけど、海外にいた真妃さんが急に戻ってきたりネリーが豹変したりしたから信用に値すると思って・・・」
「ま、友情パワーと言う所だな。」
そう言ってキースがネリーの体からマリアを引っ張り出し、真妃が封印石を当ててマリアを封印した。
(なんかいつもあっさり終わる様な気がするな、何か引っかかるんだよな・・・)




