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人の異変 1

 いつもと変わらない朝、いつもと変わらず僕は目を覚まして一階へ行った。


 「・・・おはよう。」


 いつもの通り美紀がおはようと言って、いつもの通り朝ごはんが用意されていた・・・


 「おはよう、可憐!」


 だが、おはようと言う言葉がもう一回聞こえた。いや、言葉だけではなく朝ごはんも一人分多い。


 「どうした?朝ごはん食べないのか?」


 「いやいやいやいや、ネリー!お前僕の家で何をやってるんだよ!?」


 「何って・・・いつもの通り起きて朝ごはんを・・・」


 「そうじゃなくて!何で僕の家で寝て、朝ごはんを食べるのがいつもの通りなんだよ!?」


 「・・・前からずっとネリーさんはここに暮らしているでしょ?部屋だってあるよ?」


 「部屋・・・どこに?」


 「・・・可憐のゲーム部屋の、隣の部屋。」


 僕はすぐに二階へ上がった。


 「確かに僕のゲーム部屋の隣に部屋がある・・・でもなんでだ?」


 少し悩みながらも僕はその部屋を開けた。


 「ベッド、勉強机、押し入れ、そして漫画、ラノベ・・・」


 そこは、ネリーの部屋と言えばこんな感じかなと思える部屋だった。


 (ドウイウコトダドウイウコトダドウイウコトダドウイウコトダ・・・)


 僕はしばらく混乱したが、すぐに我に返り知り合いに電話する事にした。


 「あ、真妃!訳の分からない事態が起きているんだ!」


 「何だよ、訳の分からない事態って。」


 僕は真妃に、昨日までと違ってネリーが家に前から泊まっていると言う事を話した。


 「・・・何言ってるんだ?ネリーは前から泊まっていただろ。」


 「お前こそ何を言ってるんだよ!ネリーは友達で・・・」


 「おいおい、学校に行く前から海外にいる俺に寝ぼけた事を言うなよ。ネリーは・・・本名は猫山理衣だけどお前の彼女だ。じゃあな!」


 そして真妃は電話を切ったが、これで諦める僕ではない。


 「南!ちょっと聞きたい事が・・・」


 「悪い、僕は今忙しいんだ。」


 話をさせて貰えずに電話を切られた。他にも半田や奥田、ついでに片山にも電話をしてみたが全員から同じ答えを貰った。後、半田と奥田は何故か暗い声をしていた。


 「どうしたんだ?さっきから私の部屋で色んな奴に電話して・・・」


 「ネリー、僕は疲れているのかな・・・?疲れているから新夢現実のお前を人間だと思っているのかな・・・?」


 「完全に疲れているな、朝ごはんでも食べて目を覚ませ。後、私は生まれた時から人間だからな。」


 そうだよね・・・疲れているんだよね・・・目を覚ます為に朝ごはんを食べる事にしよう・・・




 朝ごはんを食べ終わり、僕と美紀とネリーは夢現校に向かう事にした。ネリーは勉強が苦手だが、頑張って勉強しているらしい。ありがとう、ネリー。


 「よう、可憐。」


 あ、この声はキースだ。昨日までは六道輪廻、地獄のキースだったけど今はどうなのかな・・・


 「あれ・・・何でネリーが制服着て鞄持ってるんだ?」


 ・・・・・・あれ?


 「何でって、夢現校の生徒だからに決まってるだろ?」


 「生徒・・・え!?生徒!?何でネリーが!?」


 「おい、私はそこまで・・・バカだったな、畜生・・・」


 何だ、このキースの反応は・・・もしかして!


 「キ―ス!!」


 「な、なんだよ!?」


 「ちょっとこっちに来い!!」


 僕はキースを引っ張ってネリーと美紀から離れた。そして僕はキースを座らせ、


 「お前は六道輪廻、地獄のキースか?」


 こんな質問をした。


 「・・・そうだが、それがどうかしたのか?」


 キースは当たり前の様にそう答えたので、僕は次々と質問をする事にした。


 「花坂真紀は僕の兄か!?」


 「いや、夢現実だ。お前とは一切血は繋がっていない。」


 「夢現実とは何だ!?」


 「人や動物の夢が現実となった存在の事だ。」


 「ネリーは人間か!?」


 「いや、新夢現実だ。」


 「新夢現実・・・」


 「夢現実は材質を変えれる粘土みたいな存在だと気付いた夢現実の事だ。」


 「ネリーは僕の家に暮らしているか!?」


 「暮らしているのかよ!?」


 良かった・・・キースは昨日と変わってない・・・


 「実はな・・・」


 僕はこれまでの事を全部キースに話した。


 「なるほど・・・そんな事が起こっているのか・・・」


 「原因は何だか分からないか?」


 「一つだけ心当たりがある。」


 「何だよ心当たりって・・・」


 「二人で何の話をしているんだ?」


 ネリーと美紀が僕に追い付いて来た。


 「悪い二人とも、可憐は今日学校を休む。」


 「え、何で!?」


 「別に特権を持ってるから良いだろ、じゃあさらばだ!」


 キースは僕を引っ張ってネリーと美紀から離れた。

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