新夢現実が襲って来たが、所詮噛めもしなかった噛ませ犬・・・いや、鈍亀だった。
「さてと、南君。」
「可憐、何かな?」
「僕は今、非常にゲームがやりたい。」
「なんだ、だったらここはお前の家だしやれば良いんじゃないのか?」
「だが、ある事情によりとても集中出来そうにないんだ。その理由に一つ心当たりがある。」
「奇遇だな、僕も心当たりがあるぞ。」
「じゃあ同時に言ってみよう、もしかしたら同じ意見かもしれない。」
「そうしましょう、せーので同時に言いましょう。」
「うん、分かった。」
「「せーの・・・」」
僕と南は息を吸い、
「「周りを大勢の新夢現実で囲まれているから!!」」
ソファーに座りながら同じ言葉を叫んだ。何故、ここに新夢現実が押し寄せているのかと言えば僕の兄と言う設定の真妃を倒す為の待ち伏せかなんかだろう。現に僕の家には勝手に罠が仕掛けられている。
「おい!お菓子とジュース!」
「知るか!」
「ゲームやらせろ!」
「駄目だ!」
「トイレ!」
「自分で行けよ!それだったら僕もゲーム!ゲームゲームゲームゲーム!!」
僕はソファーの上でバタバタと暴れた。
「あぁ・・・可憐まで新夢現実になろうとしている・・・」
そう言うと、南が携帯電話を取り出した。
「あ、もしもし真妃さんですか?助けてください、新夢現実の大群に囲まれてですね・・・」
「可憐の家の前にいるから分かっている、でも可憐の事だからゲーム部屋に新夢現実は絶対に入れてないだろ?」
「当たり前だ、あそこには僕の許可なしで絶対に入れさせない。」
僕は携帯に顔を近づけて喋った。
「だからさ・・・」
すると突然、二階から次々と何かが倒れる様な音が聞こえた。そして階段を降りる音も聞こえる。そしてドアが開き、
「ゲーム部屋の窓から入って新夢現実をボコボコにした。」
新夢現実の間では賞金首である真妃が出てきた。まだこの部屋にいる新夢現実が全員、真妃に襲い掛かったが・・・
「遅いな、この鈍亀ども。」
「「やっぱりな。」」
予想通り、真妃が新夢現実を瞬殺した。
「ストライク!」
真妃が捕らえた新夢現実で、僕と真妃と南はボウリングをやっていた。
「違う!僕は見学しているだけだ!」
「俺も可憐もなにも言ってないぞ。」
「あれ・・・なんで僕はツッコミを?」
南は疲れているのかな?まぁどうでも良いか、今はボウリングを楽しむとしよう。
「「「「憶えてろよ・・・」」」」
「畜生、ガターだ・・・」
真妃、残念だったな。




