この裁判は実際の裁判とは異なる点が数多く存在します。
僕の家が、南たちに包囲されている。真妃や半田や奥田や、オマケにネリーまでいる。何だか分からないが、僕はしばらくの間逃げ回る事にした。そして僕が静かに逃げようとした時、くしゃみが出そうになった。
(ヤバい、今くしゃみ出しちゃ駄目だ・・・今、奴らに見つかったら無実の罪でボコボコにされるかもしれない・・・耐えろ、耐えるんだ・・・)
僕は必死に耐え、くしゃみを止める事が出来た。
(良かった・・・さて、逃げ・・・)
「ハクション!!」
今のは僕では無い、僕の家を囲んでいる奴の一人の物だ。
「おいおい、大丈夫・・・って可憐を見つけたぞ!捕まえろ!!」
まずい、南に見つかった。全力で逃げなければと思ったが、前からも右からも左からも僕を追う奴が現れたら逃げられる訳がない。そして僕はあっけなく捕まってしまった・・・
「これより、佐々木組裁判を始める。罪人、前に!」
そして僕は前に連れて来られた。
「ちょっと待て南!色々と質問したい所がある。」
「何だ?裁判の時間を遅らせるな。」
偉そうにしやがって、南の癖に・・・
「まず一つ目!これは何の裁判なんだ!?」
「お前が連れていた相手がアイドルのエーフィ様と知りながら無理やり連れて行き、そしてエーフィ様を騙して破廉恥極まりない事をしようとした。間違いないな?」
「最初から最後まで間違いだらけだ!アイツがエーフィなんて知らないし、確認は取ったし何より破廉恥な事をしようだなんて微塵も思って無い!!」
「それは裁判で明らかにする。他の質問は?」
「二つ目!何で僕には弁護士がいないんだ!?」
「佐々木組裁判には弁護士など必要ない。裁判官だけで十分だ。」
「何が必要ないだよ!弁護士のいない裁判なんて裁判じゃねえ!虐めだ!」
「全く、罪人の癖に偉そうに・・・もう少し裁判に対する態度って物を・・・」
「弁護士を付けてくれたら今、僕が持っているエーフィのサイン入りのグッズをプレゼント・・・」
「罪人に弁護士を用意しろ!」
あっさり転んだ、やっぱり南は南だな。
「そして三つめ!何でお前以外の裁判官はネリー、半田、奥田、美紀の女子四人なんだよ!?」
「それは自分で考えろ、そんな事よりグッズだグッズ!」
「では改めて、佐々木裁判を始める。罪人は前へ!」
僕の弁護士は真妃に決まった。証人もいるし、これは五分五分の戦いになるな。
「それではまず、証人喚問を行う。証人、前へ。」
そして僕の証人が現れた。
「証人のキースです。僕は可憐がエーフィと初めて会った時、その場にいました。その時、可憐はエーフィを全く知らない顔をしていました。それどころか可憐の家に遊びに来ていた真妃や、北海道から帰って来た美紀達が全員エーフィの歌や踊りをしていたのを見て怒り、本人の前でエーフィを呪うから藁人形と釘を買うと言いました。」
「つまり、裁判長様が言ったエーフィを知っていると言う発言は間違いだと言いたいのですね?」
「はい。」
「無理やり連れて行ったと言う事も、破廉恥極まりない事をしようとしたと言うのも間違いだと言いたい訳ですね?」
「異議あり、その二つに対する証言を証人は言っていません。」
検察と言う名の南の手先がこう答えた。
「認める。」
まぁ南もこう言うな。
「申し訳ありません。」
「僕からの証言は以上です。」
さすが真妃だ、頼りになる。
「では、証人尋問を行う。証人のキース、お前は可憐とエーフィ様が初めて会う所を目撃したと言ったが、それは何時ごろだ?」
「10時半ごろです。」
「場所はどこだ?」
「えーと、可憐の家から・・・二キロほど離れた住宅街ですね。」
「なるほど・・・証人尋問は以上とする。」
何が聞きたかったんだよ南は・・・
「では、これより修羅場を開始する。」
「「「修羅場って何だ!?」」」




