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あ、そう言えば夢現実についてなんだけどな。

 「良し、このシリーズは全巻読み終わった!次のシリーズだ!」


 僕は今、金髪少女ことネリーから貰った漫画やラノベの山を読んで読んで読みまくっている。ネリーから貰った漫画とラノベは合わせて105シリーズ程ある。漫画から始めて、昨日から今日までで6シリーズ程読み終わった。まだまだ楽しめそうだな・・・あ、ちなみに昨日ゲームを売りに行こうかと思ってたけど僕は止めた。


 「オラオラどうした!百人全員が夢現実を一撃で倒せる剣を持ってる癖にたった一人に敵わないのか!?」


 ・・・外が騒がしくなったが、僕には関係ない。


 「おいお前ら!次はこっちから攻撃するからな!」


 それにしても、ネリーは本当に良い奴だな。もうアイツは自力で脱出したとは言え、僕が捕まえた奴を売って稼いだ金を漫画とラノベにつぎ込んでくれるなんてな。まぁ良い奴と言うのは大抵が都合の良い奴なんだけどな・・・


 「50人撃破!残り半分行くぞ!」


 「あぁ!もう、うるさい!」


 僕は外の騒がしさに激怒して、玄関の扉へ向かった。そして玄関のドアを開けて叫んだ。


 「静かにしろ!落ち着いて漫画読めないじゃないか!」


 外を見ると、一人の男の周りに小学生位の背の奴が半分ずつ、立っていたり倒れていたりしていた。しかも全員、昨日僕が道端で拾った剣を持って。


 「何!?消えた?」


 「どこだ!夢現実!出て来い!」


 突然、真ん中にいた男が消えた。僕も周りを見渡してみると、小学生位の背の奴らの一人が僕の方を向いた。僕は何か嫌な予感がした。


 「「「「そこにいたか!!皆かかれー!!」」」」


 「やっぱりか――――い!!!!」


 僕はすぐさま家の中に入り、玄関のドアに鍵をかけた。次にリビングに入り、窓を閉めた。次に台所の窓を閉め、二階に上がり、ゲーム部屋以外の鍵を全部閉め、そして僕はゲーム部屋に閉じこもった。


 (アイツらは多分昨日僕が斬った・・・いや、恐らく斬られた振りをした僕と似ているさっき消えた男と僕を間違えているんだろう。そして窓やドアを破ってでも入って来る筈だ。幸いこのゲーム部屋のドアと壁と窓は他のより強力だ。アイツらが幻想の国の住人で無い限り・・・多分そうだろうけどそう簡単には壊れない。その間に僕と似ている奴がアイツらを一網打尽にしてくれれば僕の勝ちだ。)


 ドアや窓をガンガン叩く音が聞こえる。そう考えている間に窓が割れ、ドアが前に倒れる音が聞こえた。


 (まずい・・・家に入られたら一網打尽にするのは難し・・・)


 「グッ・・・」


 「ガハッ。」


 その時、大勢の奴らが倒れる音が聞こえた。


 (何だ?アイツらが全員倒れたのか?)


 「おーい、そこに閉じこもってる奴~全員倒したから問題ないぞ~」


 「・・・お前は僕に斬られた振りをした奴か?」


 「気付かれてたか・・・そうだよ、俺と勘違いした奴は全員倒したぞ。」


 「じゃあちなみに聞くが、僕の名前は?」


 多少の恥はあるが、しょうがない。


 「確か・・・可憐だったかな?」


 「間違いなさそうだな。」


 僕はゲーム部屋の扉を開けた。確かにそこには僕と似ているか良く分からない男が立っていた。


 「それで?こんな所に何をしに来たんだ?と言うか近所の人とか驚かなかったのか?」


 「前者については、俺が散歩をしていたらアイツらが、俺を断夢の剣から抜け出した大物だとか言って大勢で追っかけて来たからこうやって軽く倒した。後者については夢現実や新夢現実は基本的には普通の人間から認識されない。ちなみにお前が認識出来るのは・・・ネリーだっけ?そいつが自分を認識出来る様にしたからだ。後、俺もお前を認識出来る様にしている。欠点は特定の奴だけ認識させたくてもどうしても新夢現実全員を認識する事になるってのが難点なんだよな・・・」


 「夢現実と言うのは英語のドリームとリアルを合体させた言葉で合ってるか?」


 「まぁ間違いないな。そうだ、夢現実について説明を・・・」


 「それは別に良い、大体分かった。要するに、夢現実と言うのは人間とか、犬とか猫とかの夢が何かの力により現実になった存在だろ?」


 「・・・まぁ簡単に言えばそうだな。」


 「昨日、ネリーが夢現実を売ったと言ってた。だが、漫画とラノベ合わせて約100セットを買うのに必要な金は漫画やラノベの値段が一冊500円だとして、一セット揃えるのに二十冊必要だとして単純計算で100万円必要だ。何故一体でそれだけの金を得られたのか?まぁお前がそれだけ強力なのもあっただろうが、一番の理由は夢現実と言うのは材質まで変えれる粘土みたいな物だからと言う線が強い。お前の様にエネルギーが強力な程、繊細な物や強大な物に変換できる。だからあれだけ大量の漫画とラノベが買えた。」


 「やっぱり成績優秀とか言うだけあるな。中々鋭いじゃないか。」


 「それで、新夢現実と言うのは多分、夢現実が別の物に変化出来ると言う事に気付いた夢現実の事だ。でも何で小学生位の姿なのかが分からないんだが・・・」


 「あぁ、新夢現実を始めた一人が年を取って老人になるのを嫌がったから新夢現実は全員子供のままなんだそうだ。その気になれば大人になる事も出来るけど、殆どの夢現実は魔女っ娘とかメンコとかいつまでもやっていたいからそんな奴は中々いないな。」


 「うわー、システム上いつまでも以前より強くならないRPGのモンスターみたーい。」


 「ナンパリングでは強くなるだろ。」


 的確なツッコミありがとよ。


 「それにしても、分からない所は夢を現実に出来る程の力はなにかと言う所なんだよな~」


 「そこの所は俺も知らないけど、神とかじゃないのか?」


 まぁ考えても分かる訳無いし、それで良いか。


 「ところで・・・周りに散らばっている奴らはどうするんだ?後、襲撃された恨みでこいつらの剣でお前を抹殺して良いか?」


 「前者に対しては俺が網にでも包んでゴミ箱に放り込んでおくよ。後者については無駄だよ。何故ならこの剣は夢現実に対して有効で、普通の奴や新夢現実にはおもちゃの剣でしかない。一応俺は夢現実だけど、そんな剣では傷一つ付けられないほど自分を鍛えたから無駄なの。」


 「チッ!!!」


 「そんな露骨に舌打ちすんなよ・・・」


 そして僕に似ているか分からない奴は転がっている新夢現実全員を網で包んだ。


 「あ、そうだ。名前を教えてくれないか?」


 「・・・・・真妃、お前が可憐で俺とお前は似ているから真妃とでも呼んでくれ。」


 「そうか・・・分かった、じゃあな真妃!」


 網で包んだ新夢現実を引っ張って真妃は僕の家を後にした。


 さてと、漫画!漫画!

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