今、人気絶頂のアイドル!?そんな事より釘だ釘!
ネリー、真妃、南、半田、奥田、そして帰って来た美紀は僕と対戦ゲームをやっていた。やっていたのだが・・・
「「「「「「ラララ――!ラン、ラー!」」」」」」
「お前ら!!いつまでもテレビで歌って踊ってるんじゃない!!」
途中で僕を無視して、テレビの前でどこかのアイドルの歌と踊りをやり始めたのだ。どう思うよこれ?
「だってしょうがないだろ!この歌聞くと!勝手に!踊るんだから!」
真妃が踊りながら答えた。
「今話題の!アイドル!エーフィは!凄いですね!」
奥田も踊りながら喋った。
「・・・・・」
美紀は沈黙しながら踊っている。
「「「「「「次は!サビ!行く・・・」」」」」」
「あぁもう良い!僕は外へ行くからお前ら勝手に踊ってろ!バ――カ!!」
僕は悔しがりながら外へ出た。
「全く!何だってんだよ!一緒に対戦ゲームするよりアイドルの方が良いってか!?そもそも勝手に踊るってなんだよ!どこの世界のアイドルだよ!全く・・・」
僕はプンスカ怒りながら道を歩いている。聞いてみればどこの家からもさっきのエーフィだっけ?そいつの曲が聞こえる。そしてどいつもこいつも歌って踊っているが、僕は全然踊る気になれず、エーフィを呪ってやろうと釘を買いに行く気になった。
「あの・・・すいません。」
僕は誰かに話しかけられた。
「何だ!今僕は怒っているんだ!」
「ひゃっ!すいません!でもどうしても聞きたい事が・・・」
「何だよ、聞きたい事って・・・」
「私の事・・・知ってますか?」
「・・・は?」
通りすがりの女子から訳の分からない質問をされた。僕は長考したが、質問の意味がまるで分からない。
「えっと、どこかで会いましたっけ・・・?」
「・・・ちょっと私に付いて来て貰えますか?」
おいおい、僕を誘拐する気か?まぁ暇だから付いて行っても良いが・・・
「おーい、可憐!!」
「その声はキース・・・僕を名前で呼ぶんじゃない!」
「えっ・・・可憐って・・・え!?」
「ほら、ドン引きされたじゃないかよ・・・」
「悪い悪い、それで何をやってるんだ?」
「何かこいつに私を知ってますかと言われて、どこかで会いましたかと言ったら付いて来てくださいって・・・暇だったら付いて来てくれない?」
「まぁ、暇だから良いけど・・・」
人気の無い所に連れて来られ、女子がマイクを取り出した。
「おいおい、路上ライブを聞かされるのか・・・?もし下手だったら藁人形にして釘を打ち付けてやる。」
「恐ろしい事を言わないでください!下手では無いと思いますので!」
「世の中の大多数がそうだからな・・・まぁ聞くだけは聞いてやるけど。」
キースも同じ考えの様だ。
「では、歌います!」
女子はマイクを構え、息を吸い歌い始めた。
歌声は僕の耳に響いて来る。良く、歌声の評価に天使の様な歌声と言う物があるが、何故天使だけ褒められるのだろうか?地獄の中にも歌が上手い奴はいるじゃないか。逆に天使の中にも音痴はいるだろうし、まぁそんな事を言ったらきりが無いな。今は歌声を聞くとしよう。歌と言えばエーフィだ、あいつ許せないな。こいつの歌は上手だから藁人形には出来ないし・・・藁買って来るか。
「ラララ――!ラン、ラ・・・ってどこに行くんですか!?」
「いや、釘を買いに行こうかと。」
「釘!?私の歌、下手でしたか!?」
「いやいや、エーフィを呪ってやろうと釘を買うんだ。だから悪いけどこれで僕は・・・ってどうした?」
突然、女子が僕に近寄って来た。
「・・・・・」
女子は僕をじっと見つめている。
「な、なんだよ・・・?僕の顔に何か付いてる?」
「貴方・・・フルネームは?」
「え!?」
「フルネーム!!」
「は、花坂可憐です!!」
「学年は!?」
「中学二年!!」
「学校は!?」
「夢現校です!!」
「クラスは!?」
「一組!!」
「そう・・・じゃあ、さようなら。」
僕に色々質問した後、女子は立ち去って行った。
「キース、あの女子は一体なんだったんだ?」
「さぁ・・・分からないが、餓鬼の六道輪廻が取り付いているって事は分かった。」
「・・・何!?」




