決闘の終わりと、地獄の六道輪廻。
「いやはや、凄い戦いだな・・・」
「アイツから指示をされましたが・・・上手く行くか分かりませんね・・・」
この二人は、可憐の家でこんな指示をされていた。
「修羅の六道輪廻を出す方法だが・・・その前に僕は誰だか分かるか?」
「え・・・?花坂可憐じゃないのか?」
南は質問の意味が分からなかったが、
「六道輪廻だろ?可憐に取り付いているんだ。」
真妃は理解していた。
「その通り、今は僕を六道輪廻として接してくれ。改めて修羅の六道輪廻を出す方法だけど、まずこの前の畜生の六道輪廻の話をしよう。」
「この前、僕が漫画を読んでいたら可憐がいなくなってたのはお前の仕業だったのか。」
「その通りだ。六道輪廻の天、人、修羅は女。畜生、餓鬼、地獄は男だって事は知ってるかな?」
「あぁ、真妃から聞いた。」
「六道輪廻の内、天は人と修羅、地獄は畜生と餓鬼を自由に使役できるんだ。」
「つまりお前は地獄の六道輪廻で、その権限を使って畜生を追い出したって事か。」
「そう言う事になるな。半田とか言う女に取り付いている奴が餓鬼なら追い出せたんだが、今回は女の修羅だ。力づくで追い出すしかない。」
「それで、僕と真妃さんに何をしろと?」
「南は修羅が決闘に集中してる最中に、この銃でびっくりさせるだけで良いから足止めをしてくれ。その隙に僕が修羅を引きずり出した時、真妃が出て来てこの封印石で修羅を封じ込める。これで行こう。」
「さてと、そろそろこの銃を撃つ時かな・・・?」
南は銃を上に構え、そして引き金を引いた。
「!?」
半田・・・いや、修羅の六道輪廻はその発砲音に驚き一瞬動きを止めた。
「オラ――!!!」
その隙を地獄の六道輪廻が見逃す筈も無く、すぐさま飛びかかり半田の体を貫いた。だが血は出ていないので物理的に貫いた訳では無いだろう。そして半田の体から何かが出て来た。
「今だ真妃!!」
真妃が封印石を右手に持って飛びかかり、半田の体から出て来た何かに当てた。その瞬間封印石が光り、何かは封印石に吸い込まれた。
「終わった・・・」
地獄の六道輪廻が疲れ切り、その場に膝を付いた。
「・・・あれ?僕寝てた?」
確か半田に反則で負けて・・・その後、真妃と南に愚痴を言って・・・その後が思い出せない。と言うか目の前にいる真妃と南の間にいる奴は誰なんだ・・・?
「疑問に思う所はあるだろうが、一から説明して行くぞ。」
「・・・と言う訳だ。」
なるほどな・・・つまりコイツは地獄の六道輪廻で、ついさっき半田に取り付いていた修羅の六道輪廻を追い出してくれたって訳か。
「しかし、残念に思う所が二つほどあるな。」
「「「二つ?」」」
「一つ目は、修羅の六道輪廻に反側無しの真剣勝負が出来なかった所。」
「天さえいれば権限で真剣勝負は出来るから今度僕が頼んでみる。」
「そうか、任せた。そして二つ目だが・・・」
「「「二つ目だが?」」」
「もちろん上等だよな?と言う決めゼリフが言えなかった事だ!!」
「「「それは心底どうでも良い!!」」」




