半田の奴、反則なんか使いやがって・・・まるで鬼畜だ、修羅だ。
昨日はネリーと遊びに出かけた。そして今日はラノベを読んでいる。アニメ化やゲーム化の作品なら見たりやったりした事はあるが、こうして原作を読んでみると省かれた部分や、主人公の語りなどがあって面白い。だが、漫画やラノベは何故か好きでは無い。でもタダで貰ってみれば面白く感じる物だ。ネリー、ありがとう。ついでに斬られた演技をした真妃もありがとう。
「花坂――!!」
などと考えていたら、外から半田の声が聞こえた。何事かと思って僕は窓を開けた。
「半田――!!何の用だ――!?」
「一緒に対戦ゲームをやろうと思って――!!」
対戦ゲームか、最近漫画やラノベばっかりだったから良いかもしれないな。それにしても僕に対戦ゲームを挑むとは・・・いい度胸だな。
「良し!分かった――!!今、玄関を開けるから――!!」
僕は部屋を飛び出し、玄関に向かいドアを開けて半田を中に入れた。
「オラ!行け行け!」
「半田、ゲーム上手くなったじゃないか!だが、まだ甘い!」
今、僕と半田は格闘ゲームをやっているが中々の接戦となっている。対戦ゲームでどっちが圧倒的に強くても、凄く弱くてもつまらない。なのでこう言う接戦は後で惜しいとか次は勝つぞと言う様な気持ちに切り替えられるので友人関係が長く続くのだ。
「よっしゃ!僕の勝ちだ!」
「・・・・・」
無言にさせてしまった。次のラウンドは少し手加減しようかな?
「ラウンド2・・・ファイト!」
ラウンド2が始まり、どんな戦い方にするか一瞬迷っていると・・・
「は?キャラクターが浮かんだ!?」
技で浮かんだ訳でも無く、まるで空中浮遊の様に立っている構えで浮かんでいるのだ。訳の分からない事態に混乱している中、半田はコントローラーを動かした。
「何だこの速さ!?」
今度はガードする暇もないほどのスピードで通常攻撃して来た。そして瞬きの時間ほどの高速の攻撃によって、僕は負けてしまった。
(何だ・・・?バグが発生したのか・・・?このゲーム最新作なのに・・・?良し、反則には反則だ!)
本来、僕は反則と言う物は大嫌いなのだがこの異常事態ではやむを得ない。僕は反則の構えをした。
「ラウンド2・・・ファイト!」
「秘儀!対戦対手のコントローラーの接続外し!」
「な!?卑怯だぞ!」
お前が言うな・・・とにかく僕はこの瞬間、この格闘ゲームを遊べる機種のコントローラーが本体に繋げなくても操作できるコントローラーでは無くて本当に良かったと思う。さてと、この隙にボコボコに・・・
「え――!!負けてる!!」
僕は流石に、目が飛び出る位びっくりしてしまった。コントローラーは繋がっていない筈なのに何故か負けてしまった。と言う事は、半田がコントローラーが繋がっていない状態でコントローラーを動かしたと言う事だ。しかし、そんな事は天地がひっくり返ってもあり得ない。それ位の状況なので僕は驚いているのだ。
「やった!!勝った!!さてと、次は何をやる?」
(いや、軽いな!!何が次は何をやる?だよ!!お前はプレイヤーからCPUに変身出来るほど進化したのか!?鬼畜も良い所だ!!戦いなら何でもありなのか!?まるで修羅・・・ちょっと待て!?)
不味い、この状況はとても不味い。修羅が動いたとなれば僕が止めるのには手間が掛かるし、逃げられる可能性も十分にある。・・・ここはこうするか。




