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剣を見つけてそれを誰かに振り下ろしたら、異議が見つからない!

 「グォォォォ・・・まさか・・・この私が・・・私は・・・完全なる存在・・・完全なる・・・グォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・」


 僕は今、ゲームをやっている。ジャンルはRPG、場面はラスボス戦。RPGのラスボス戦と言う物の最期は大抵、自分は完全だ、その自分が負けるなんてあり得ない、とか言うが完全だったら何故そんなに微妙なんだ?何故、激しい炎とか凍える吹雪とか最終段階の一歩手前の技を使うんだ?そもそも何故RPGにはやり込み要素なんて物が出来たんだ?ラスボスと言えばRPGのトリを飾る存在だぞ?やり込み要素なんてあったらそのトリが薄まるでは無いか。何がこの旅に終わりは無い?終わりはラスボスだろうが馬鹿!


 ちなみに僕はこのRPGをアイテムコンプリート、敵、ドロップアイテム共にコンプリート、その他もコンプリートして正直もう終わりだと思う。だから最後にラスボスと戦ったのだが、一ターンで終わってしまった。完全な存在が聞いて呆れるな。


 だから僕はこのやり尽くしたゲームを売りに行くのと同時に、新しいゲームを買いに行こうと思う。




 僕は今、朝ごはんを食べている。


 「・・・美味しい?」


 こいつの。


 「こいつは僕の彼女・・・」


 「・・・え?」


 「では無いが、名前は藤沢美紀。ちなみに黒髪、後巨乳。何故朝ごはんを作って貰ってるのかと言えば・・・」


 「・・・・・」


 「いや、この話は止めておこう。朝ごはんが冷める。ちなみにこの家は一軒家だ。」


 「・・・誰と話してるの?」




 「ルン、ルン、ルルル、ル~ル~ル~♪」


 僕はご機嫌でゲームショップへ向かっている。ちなみに僕の名前は花坂可憐、日本生まれの15歳だ。何故僕が可憐と言う名前なのかと言えばそれは親の所為だとしか言いようが無いだろう。ちなみにオンラインゲームでは男のアバターで本名のカレンと言うハングルネームを使っている。別に僕はこの名前自体は嫌では無いが、過去に名前で散々いじめられた経験がある為、僕は名前で呼ばれるのを嫌っている。後、僕は引きこもりだ。引きこもりなのに何で僕の家に世間一般で言えば美人にあたる美紀が住んでいるのかと言えば・・・いや、この話も止めておこう。と言うかこれは家でやったばかりか。


 「ルルル・・・ん?あれは何だ?」


 ふと、僕は足を止めた。目の前に、RPGの魔王が使う様な剣が落ちていたからだ。僕は警察に届けようかと思い、その剣を拾い交番に向かった。




 交番まであと少し、これを届けたらゲームを買いに行く。僕がそう思ってる時、向こうの道から僕と同じ高校生と思える男が来た。まぁ僕にはどうでも良いので通り過ぎようと思った。そして通り過ぎるかと思った時・・・


 「アァァァ!!!!」


 「うぉっ!!何だ!?」


 突然その男が襲い掛かって来た。僕は運動には自信があるので容易く避けられた。そして僕は交番に逃げようと思ったが、その男は素早くて僕の行く手をことごとく阻み続ける。


 (しょうがない・・・このおもちゃの剣でぶっ叩いてその隙に逃げるか・・・)


 そうする事にして、僕はおもちゃの剣を構え、男の隙を伺った。そして男の大振りの蹴りを避け、僕は男に剣を振り下ろした。これで男が痛がればその隙に逃げられる。逃げられるのだが・・・


 (あれ?豆腐みたいに斬れたぞ・・・?と言うか消えた・・・?)


 剣が当たる瞬間、男が真っ二つになったと思ったら突然光になって消えた。


 (まずい・・・これって過剰防衛じゃね?)


 そう思った僕は、ゲームを買いに行くのを止めて、剣を持ったまま家に全速力で走った。そして家の玄関に到着し、ドアを思いっきり開けた。この時間、美紀はとっくに学校へ向かっているのでアリバイを証明する者はいないがしょうがない。僕は剣を持って自分のゲーム部屋でゲームをする事に決めた。かと言えオンラインゲームだとログインした時間が知られてしまうので格闘ゲームで遊ぶ事にした。




 「あぁもう!全キャラノーダメージで攻略したり色々やったりしたがもう飽きた!他のゲーム、他のゲーム・・・」


 僕は昼近くまで格闘ゲームをやっていたが、もう飽きて違うゲームを探した。その時、家のチャイムが鳴るのを聞き、僕は心底ヤバいと思った。


 (まずい・・・警察か・・・?僕の人生最大のピンチだ・・・)


 とは言え、出ない訳にも行かないので僕はチャイム電話に出た。


 「はい・・・どちら様で・・・」


 「おい!出て来い!」


 聞こえたのは女の声だった。だが警察かもしれない。


 「あの、どちら様ですか?警察ですか?」


 「はぁ?警察じゃねえよ!良いから出て来い!」


 「何の為に?」


 「あぁもう・・・じれったいなぁ・・・あれだよ!あれを返せ!」


 「あれ・・・?もしかして剣の事ですか?」


 「そうだよ!それを返せ!」


 「分かりました、しばらくお待ちください・・・」


 僕はゲーム部屋に向かった。そしてゲーム部屋のドアを開け、中に入って剣を拾い、玄関に届けようと思ったが・・・


 「おぉ、それだそれ!返せ!」


 後ろからチャイム電話で聞いた声が聞こえ、振り返るとそこには貧乳、金髪、ロングヘアーの美少女と言うべき女が立っていた。


 「他人の家に無断で入るなよ・・・警察呼ぶぞ・・・って僕が言えた事でも無いか。」


 「何の話だ?とにかく返せ!今すぐ、光よりも早く!」


 光よりも早くは無理だが、僕はその少女に剣を手渡した。


 「ありがとよ!拾ってくれて感謝するぜ!お礼は後で持ってくる!」


 そして少女は一階に降り、ドアを開ける音を出した。恐らく外に出たのだろう。


 「玄関のドア開いていたか・・・不用心だったな。」


 僕は玄関に向かい、ドアを閉めようとしたが・・・


 (そう言えばゲームを買って無かったな・・・良し、買いに行こう。)


 剣はあいつに渡したので大丈夫だと思い、僕は財布を持って玄関の鍵を閉めてゲームショップに向かった。

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