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シャドウフェル城の影絵

大剣がビュウと音を立て、その青くて透明な塊をグシャリと打つ。手応えは薄く、跳ねた塊の破片がシュウシュウと肌を焼いた。剣戟の勢いでパッと後へ下がる。青いそれはブルースライムだった。ゴウトの剣は柔らかなそれに何度も斬りつけていた。


シルトも剣を振り、スライムの身体に突き立ててはいたが、やはり実感が薄かった。

「もっと攻撃してください!気を抜くとやられますよ!」

後ろからはニナランが発破をかけてきたが、二人の戦士にはウンザリとした気持ちだけを抱えていた。


「退職金くらいは貰ってもよかろう。」

それがニナランの主張だった。仕事場だったというそこはどう見てもダンジョンであり、廃墟となった砦だった。

「あの、とにかく悪い冒険者が来て、私達の本拠地を破壊して帰ったんです。」

とニナランは釈明したが、本当か怪しかった。


「ビュッ!」

そんなことを考えていたらブルースライムは身体を広げ、シルトに襲いかかってきた。

「アッ。」

ボンヤリしていたシルトはスライムに包まれてしまう。スライムの中はぬらぬらとして、しかも肌を焼く。


「クソ!この!」

ゴウトがスライムに掴みかかり、シルトから引きはがそうとする。ドラゴンボーンの膂力に屈し、スライムはドサッと地面に投げ捨てられた。

「ハッ!」

ニナランが落ちたスライムに矢を射掛けた。矢はゴウトの至近を掠め鋭く響く音を立て、スライムを絶命させた。


「ゴミ捨て場じゃなかったのかここは。」

流石のゴウトも不満げな声でニナランに言う。

「そうなんですけど…。」

ニナランは歯切れが悪い。

「スライムが棲み着いたので閉鎖になってたんです。」

ニナランは話しながらゴミの山を漁る。シルトは咳をしながら立ち上がった。


「ほら、まだありました。」

ニナランはゴミで汚れた手の上に剣を一振り載せて二人に見せた。鞘は汚れているが、ニナランが剣身を抜いて見せると魔法の品だと分かる。二人は顔を見合わせる。

「なんだってここにそんな業物があるんですか。」

シルトから素直な疑問が漏れた。


「ゴブリンには物の良し悪しは分かりませんからね。」

嬉しそうに剣を胸にかき抱くとニナランは笑顔を二人に見せた。ゴウトは押し黙ったが、シルトはため息を吐き、

「それでまだゴミあさりですか。」

とニナランに聞いた。


「この階層にもまだ取り残しがあるかも。」

ニナランが背嚢はいのうを背負いながら応える。

「かなり雑な連中でしたから。」

「知ってるのか。」

「村で話したくらいですが。」

廊下を歩きながら話す。部屋は様々で牢屋と思われる部屋の石炭入れをニナランがかき回す。


「血のあとはあるが。」

ゴウトが床を見聞しながら言う。血は既にただのシミと見分けがつかない。

「死体やらなんやらは地獄の連中が持っていったんじゃないかしら。」

ニナランが何気なく答える。シルトは

「厄介なことになったぞ。」

と思いながら部屋を漁った。


ニナランは冒険者と“たか”をくくっていたがかなり正体が読めなくなっていた。最初から乗り気ではなかったシルトはともかくゴウトもニナランには気を許せないぞと気付いたようである。

「下へ行きましょ。」

ニナランは二人の事は気にしてないようだった。


ニナランの先導で歩いて暗く陰鬱な雰囲気の立ち込める廊下を歩いていると、ニナランが何かに気付いた様子を見せ立ち止まった。

「あっちの方には行けなかったはずだけど。」

視線の先の廊下からは、淡い光がこちらの廊下に影を落としているのが見える。


「行ってみよう。」

言葉少ななゴウトがニナランに声をかけた。ニナランはゴウトを振り向くとしばらくその瞳を見つめ何か考えていたようだが、頷いた。

「そうね、何か残ってるかも知れないし。」

ニナランの視線は廊下の石畳をそう言ってからもしばらく見ていた。


光のさす方へ歩いていくと左右に棺の置かれた長い回廊があった。しかし棺が置かれていてもなお、神聖な雰囲気がこの陰鬱な城跡の中であっても辺りを支配している。ニナランが生唾を飲み込み、喉が上下する。シルトは棺を調べていた。


「かつての兵士を葬った棺のようです、墓所を護る役割もあったんじゃないでしょうか。」

シルトは二人に話す。ニナランは青い顔をしている。

「幽霊が出たのよ。」

ポツリと言った。

「幽霊?」

シルトが聞き返す。


「それでここには近づかなかったの。」

ニナランは言葉を選びながら話しているようだ。二人ともそれ以上は追求せずに奥へと歩いていく。回廊の先にはバハムートの祭壇が置かれていた。バハムートの絵姿が祭壇へ明かりを落としている。一言二言、祈りの言葉をゴウトが口にする。


ゴウトはふっと何かに誘われるように視線を祭壇の先へ向けた。そこには階段とその先の壁に据え付けられた扉が見える。

「あれの先は?」

ゴウトはニナランに聞いた。ニナランは首を振る。

「幽霊が出たって言ったでしょ、ここには近づかなかったの。」

答えを聞くとゴウトは階段を登り始めた。


「気が進まないなら入ってこなくてもいいぞ。」

ゴウトが振り返りぶっきらぼうに二人に言うと、ニナランは胸を撫で下ろしたように見えた。

「我々は先に進んでいます。」

「気をつけてな。」

シルトにゴウトが注意の言葉を言うとシルトも頷いた。


「戻った別れ道の反対が下への階段へ行く通路です。」

ニナランがシルトに言う。シルトは歩きながら、ニナランに尋ねた。

「この古い城跡で何をしていたんですか。」


ニナランは返事をせず、廊下の石畳を見ながら歩いていた。シルトも黙ってその後に続く。

階段の手前の部屋でニナランは隠し扉を探しもせずに開けた。部屋の中を調べながらニナランが口を開く。

「世の中が全部真っ暗になって、それでも何かすることで良くなるなら…。」


「私は、私の信じる方法で世の中を良くしようと思ったのです。」

シルトは黙ってローブ姿のニナランを見つめていた。

「でもそれは否定された。」

ニナランは胸の前で両手を握りしめる。

「世の中は鏡写し、ある人の善は別の人の悪になる。」

手を開くと、力を抜き、だらりと下へ落とした。

「そういう事です。」


「もう世の中を変えなくていいのか。」

シルトは部屋を出ながらニナランに尋ねた。

「世の中よりも明日食べるものの心配の方が先だわ。」

妖艶な笑みを浮かべニナランは答える。

「そうか。」

シルトはそれ以上聞かず、階段へニナランを促した。


階段は暗く、シルトは持っていた陽光棒をひとつ使わなければならなかった。しばらく下ると、部屋の中央に穴が開いた広間に出た。

「変わった部屋ですね。」

シルトがニナランに訊ねる。ニナランは肩を竦めると、広間から東へ向かった。


東の部屋はひどく“ゴブリン”臭かった。シルトは顔をしかめ、ニナランもあまり良い顔はしていなかった。それでも残されていたチェストボックスを調べ、肩を落としている。

「連中、いなくなるときに持って逃げたのね。」

大したアタマもないくせに、と小声でニナランは言う。


穴の広間から南の部屋へ行くと、事故でもあったかのような廃墟が広がっていた。

床は水浸しで、部屋の中央にある石像は破壊されている。部屋の反対側にある出口に据え付けられた像も破壊されていた。

「何ですかここ。」

シルトが部屋を見回し、調べながら尋ねた。

「ちょっとした展示室だったと思います。」

ニナランも困った顔をしながら答えた。記憶の中の部屋とだいぶ違うのかもしれない。


シルトは訝しげな顔をし、中央にある石像を調べたが、痕跡も残らないほどに破壊されていた。首を振ると立ち上がり、ニナランを見る。

「ここには何も無かったと思います、先へ進みましょう。」

シルトも同意した。


次の部屋は扉が既におかしかった。歪んだ髑髏が彫り出された大扉は侵入者を食わんと口を開けている。シルトが躊躇していると、ニナランは背中を押す。

「もう何も無いですから。」

そう言ったがここはちょっと普通じゃなかった。


部屋は悪夢から切り出してきたのかという禍々しさだった。絶叫を上げる女性の像が置かれた広い部屋。陰鬱な空気が喉を締めた。床は像が流したように見える血が流れ、部屋の中央の床に彫られた悪魔の口へ落ちる。しかし、その血も乾いてしまっているようだ。


「ここは儀式の広間に続く部屋でした。」

ニナランの言葉にシルトは食い入るように彼女を見た。

「ちょっとここはおかしいですよ。」

部屋の異様な光景にたじろぎながらシルトが純粋な感想を口にした。

彼女の言葉から考えられる「良いこと」の意味が判らなくなっていた。

「もう何も無いです。」

ニナランが何の感慨も持っていないかのように答える。

「そうですが。」

シルトは焦りを感じていた。


「最後の部屋へ。」

ニナランが促す。

「そこに、何が。」

シルトが訊く。

「神の残滓。」

「神の残滓?」

何を言っている?

「いずれにしても先へ行くしかありません!」

ニナランの気迫に押され、シルトは焦る。


シルトは焦る心を押さえつけ、平静を取り戻そうとした。腰に下げた剣に意識を集中し、剣との繋がりを感じる。見えない力がそれぞれを結びつけていた。秘術が自分の中に流れるのを感じ、シルトは冷静になる。

「わかりました。」

ニナランは笑顔を浮かべた。


二人は部屋の中央にある穴へ近付いた。格子の上に立ち、下を覗き込む。中には何もみえない。

「どうやって下へ行くのです?」

シルトは素直な疑問をニナランにぶつけた。

ニナランは穴の淵を探り、

「これです。」

というと鉄の鎖を持ち上げて見せる。


鎖を下りてくるのは身体に堪えた。

シルトは下の空間に降りると、上よりも怪異なその部屋に舌を巻いた。髑髏の着いたロッドを振りかざす牛のような像に、暗く先の見えないポータル。陰鬱な祭壇に香の匂い。ニナランも顔をしかめ辺りを見回している。


「ここでは。」

ニナランが口を開く。

「神を喚ぶ儀式をしていました。」

シルトがしかめっ面で応える。

「そりゃ大層な神なんでしょうね!」

ニナランは力無く笑う。

「もちろんだとも、定命のものよ」

突然、二人以外の声が聞こえ、二人は即座に声の方を見る。


「ごきげんよう、定命のもの。」

甲高い声のそれは、人間の骨がローブみたいなものを纏っているように見えた。本を脇に抱え、二人が見るや、慇懃にお辞儀をして見せる。

「ここにオルクスがまんまと現れずに胸を撫で下ろしたよ。」

骨は言う。


「あなたは?」

シルトは丁寧な言葉を選んで話しかけた。

圧倒的なその雰囲気に、背中を流れる汗が止まらない。

骨は驚く仕草をすると、

「これは失礼、私はヴェ、ヴィ、ヴィスタと申します。」

と言った。

「ここで何を?」

門の前に急に現れたように見える。シルトは訝しんだ。

「なに、ちょっと散歩でね。」


「ここを通ってアンデッド・プリンス、オルクスが来ようとしていたのだ。」

ヴィスタは門を見上げ言う。

「だが来なかった。」

二人を見た。

「正直、アイツみたいながさつな奴が来られなくなってせいせいしたのだ、この世界にはまだ知りたいことがあるはずなのでね。」


オルクス!死者を鞭打ち、死してなおその肉体を魂を使役し苛むアンデッドに君臨する神格だ。しかしオルクスの領域はこの世界とは違う場所にあり、ちょっとやそっとではこちら側へは来られないはずである。


「追い返したのは君達かな?いやいや、誰だっていいんだ。」

ヴィスタが畳み掛けるように話す。

「一体何者なんです?」

シルトは訊いた。

「何者でもいいのさ、私は機嫌がいい、そうだ!何か良い事をしてあげよう!君たち!」

ヴィスタはハイテンションで喋り続けた。


「君は?ああ言わなくてもいい!」

シルトをヴィスタはまじまじと見た。シルトは頭の中に誰かが入ってくるような見透かされる感覚を覚えた。

「仲間のところに帰りたいんだね!そうら、今そうしてやろう!」

ヴィスタが手を振り、輝く輪がシルトをあっという間に包み込む。


「え。」

シルトが声を発した時には既にシルトの姿は消えてしまっていた。暗闇の空間だけがそこに残っている。

「何をしたのです?」

ニナランが一連の出来事に唖然とした。

「彼の望みを叶えたのだ、ああ気分がいい。」

ヴィスタは心底嬉しそうに眼窩の中の目を細めた。


「さあ、君の番だよ、君の望みは……。」

ヴィスタの目がニナランを見る。しかし、その目は右目しか無かった。

「死者を生き還らせるのは好きだが、これは今度にしよう、そうか!では、好きなだけ金をやろう、だが、この金と別れるには竜の血を受けねばならん!」


ニナランの答えも聞かず、ヴィスタは手を振り下ろした。金の輪が表れ、ニナランの首と手首と足首に巻き付くや、ぴったりと締まってしまった。

「な、これは!」ニナランは首を押さえる。

「重い……。」

立っていられず膝をついた。

「ハハハハハ!」

ヴィスタは高笑いした。


「金が欲しかったんだろ!」

ヴィスタは膝をついたニナランを凝視した。

「普通に叶えたんじゃ面白くないもんね!もっと早く気付くべきだった!」

ヴィスタは嬉しそうに目を再び細める。

「おっと、この門もそろそろダメか。」

ヴィスタは門を見上げた。


「それでは、ごきげんよう。」

ヴィスタは荒い息をするニナランに向かいお辞儀をひとつすると、門の中へとすっと消えていった。ニナランは苦しみと怨嗟の混じった絶叫をダンジョンに轟かす……。


ゴウトは両開きの扉をそっと押し開ける。中には、祭壇じみた高台とそこに載った石棺があった。扉が閉まるや、爆発かと思うような轟音とともに石棺が開き、祭壇に、鎧を着けた騎士の姿が現れた。


ゴウトが何が起きたのか把握するため目を凝らしていると、騎士がゴウトへ話しかけた。

「汝、何用にてシャドウフェル城へ来たるや。」

ゴウトがその騎士が話しかけてきたことに驚いていると、騎士はさらに続けた。

「この城にあるひとまずの危機は避けられた、今更何の用か。」


「行き合いの者に頼まれてな、宝探しだ。」

ゴウトがやっとの思いで言葉を紡ぐと、騎士は石棺に腰掛けた。

「宝か、もうなかろう…ワシのアイクリスもくれてやったでな。」

急に態度を変化させた騎士にゴウトは別の意味で驚いた。

「汝、騎士のようじゃな。」

騎士は訊く。


「売剣だ、名はゴウトと言う。」

ゴウトが答えると騎士は頷いた。

「ワシはキーガン。ネラスの爵位も預かっていた。」

キーガン卿はゴウトを手招きした。ゴウトは階段を上がりキーガン卿の傍らに立つ。


「見ると中々の偉丈夫じゃのう。」

キーガン卿をよく見ると鎧の下は既にスケルトンのようになっていた。

「キーガン卿はここで何を?」

ゴウトは訊ねた。

「それはもう喋ってしまったのでな、言いたくない。」

珍しくゴウトは困ってしまった。


「手ぶらで帰らせるのものう。」

キーガン卿は思案しているようだった。ゴウトは変な所に来てしまったと思った。バハムートの導きかと思ったのだが。

「汝、少々剣を振ってみよ、ワシが見てしんぜよう。」

キーガン卿はゴウトにこう言い出すと、ゴウトの背を叩いた。


ゴウトは面倒だと思ったが、逆らうのも大変そうだと思い、下に降りると、大剣を抜いた。

「振ってみよ。」

キーガン卿が促す。ゴウトは宙に剣を振り、足を動かす。

「なかなかいい太刀筋じゃ。」

キーガン卿は頷いた。

「しかし、型がない、力任せじゃ。応用が効かんぞ。」


ゴウトは剣を下ろした。キーガン卿が続ける。

「ネラスの剣技を授けよう、流麗にして、総てを護る剣ぞ。」

キーガン卿は既にボロボロになっている鉄の剣を棺から取り上げると、下に降りてきた。

「剣は斬るだけに非ず、使いこなせば、守り、そして敵を動かす。」


キーガン卿は剣で祈りを捧げると、切っ先を下に向け、左半身を前に出す。

「盾があるとなお良いが…。」

などと言いながらも、剣をさっと動かして見せる。

「打ち込んでみよ。」

ゴウトに剣を構えるように促した。


ゴウトが真正面に剣を振り下ろすと、キーガン卿は剣の鍔で受けたかと思うとさっと剣の腹へゴウトの大剣を滑らせ、床へいなしてしまった。ゴウトが驚いていると、キーガン卿の剣の切っ先はゴウトの脇腹へ向けられていた。

「とまあ、こんな調子だ。」

キーガン卿はとぼけて言う。


ゴウトはキーガン卿の教えを受ける気になった。キーガン卿もゴウトの様子が変わったのに気付いたようだった。

「お主は大剣使いのようだから、相手の防御を崩す技がよかろうの。」

キーガン卿は笑顔になると(スケルトンに笑顔があるならだが)、再び剣を構えた。


「受けの技は人間相手だけではない、高さ、大きさが違っておっても、必ず攻撃には間合い、息が存在する。剣のみにて受けるにあらず、鎧、あるいはくうにて。」

キーガン卿は、ゴウトの攻撃をいなし、細かい傷をその鎧につけながら話す。

打ち込みの音が地下墓所に響く。


ゴウトがキーガン卿の墳墓から出てきたのはかなりの時間が経ってからだった。身体は重いが気力は溢れるようだった。引きずるように出口を目指すと階段から何かが這い寄る音が聞こえた。

「何者だ。」

階段へゴウトが誰何する。

「た、す、け、て。」

途切れ途切れに女の声がした。


ゴウトが近寄ると果たしてそれはニナランだった。足を引きずるように階段を這っていたのだ。

「コイツは?」

ゴウトがニナランの有様そのものを訊いた。

「いろいろありまして。」

ニナランに答える元気は無かった。ゴウトはニナランの腕を担ぎ、二人は出口を目指した。


「ガサガサガサ」

と木々を揺らす音がした。ヨルゴは身構え、エトナも腰の戦斧に手をかけた。

「やあ、合流できてなによりです。」

宙から落ちてきたそれはシルトだった。

「ところで降ろして貰えませんか、ここは危なくて。」

枝につかまりながら、シルトは頼んだ。


ガードモア修道院に潜む狂気 第七章 シャドウフェル城の影絵 了

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