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  作者: 木下秋
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白倉誠医師の報告日誌(一部抜粋)

 2014年 7月 1日 (火)



 ……午前10時、いつものようにお嬢様の部屋へと向かいました。


 お嬢様は先日私が渡して差し上げた本を読んでいらして、私の方を見ると、にっこり微笑みながら挨拶をされました。顔色や肌つや、表情から、健康そのものであることがわかります。


 私がその旨を伝えるとお嬢様は、「やはり、お父様の用意してくれたこの部屋のおかげだわ」と、仰りました。「たまには外の空気を吸われてはいかがですか?」と私が言うと、少し困ったような表情で、「それはまたの機会にするわ」と。まだ外に出る事を、おそれているようです。


 その後いくつか言葉を交わし、診療を終えると、薬と新しい本を渡して部屋を出ました。時刻は午前10時30分。私が部屋を出る際には、笑顔で手を振ってくださいました。


 話の中で、忠様のお話が出ました。お嬢様は、「お父様に会いたい」と、おっしゃっていました。忠様が毎日、ご多忙なのはもちろん存じておりますが、お嬢様の回復の為、一度面会されてみてはいかがでしょうか。


 過ぎた真似をお許しください。ただ、お嬢様がそれを望んでいるように思えるのです。

 ……

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