赤い鍵
鍵を見つけた。赤い鍵。街中で。
自分の他には、誰もいなかった。だから拾った。すぐに捨てても良かったが、何故か捨てる気が湧かない。拾った直後から、妙にしっくりくるのだ。鍵の先端を爪でかきながら、自分の部屋で時間を潰す。
赤い鍵…鍵があるなら開けられるものがあるということだ。
次の日、俺は昨日歩いた道を注意深く見てまわった。………………。特に何もない。
謎の老人
「あんた…その鍵どうなさった?それはなぁ、ワシのじゃ!返せ!返せぇえ」
俺の左手に納まっている鍵を舐めるように見ながら、その老人は俺に掴みかかってきた!俺は………その老人を軽くあしらい、無視をした。力で勝る俺に老人は、何も出来なかった。
最後、老人は俺の背中に何かを投げつけてきた。少しイラッとしたが、俺は無視をした。
何日か過ぎ、俺はすっかり鍵のことを忘れていた。
「昨夜未明、〇〇〇で老人の変死体が発見されました。外傷はなく――」
テレビを見ていると、ニュースが流れた。
あの時の変な老人だった。死んだのか?………どうせ、薬でもやっていたんだろう。
俺は、何気なく視線をテレビから逸らした。別に俺が悪いわけじゃない。責任を感じる必要なんてない!なにも。
視線の先に飛び込んできた。あの鍵が。変色もせず、その赤はむしろ濃くなっているようだった。
改めて見ると、気持ちの悪い鍵だ。俺は、どうしてこんな鍵を持っていたのか。今から考えると不思議だった。
俺は鍵を握りしめると外に出た。コンビニまで行き、ゴミ箱に捨てる。
と、同時に目眩がした。俺は立つことが出来ず、その場にうずくまる。
なん、で?…いったい…ちく…しょう…。
「昨夜未明、〇〇のコンビニエンスストアの前で男性の変死体が発見されました。外傷はなく…」
警官
「こいつは、酷いなぁ。ふぅ〜」
検察官
「えぇ、私もこんな遺体を見るのは初めてです。男性の左手を中心に血管が裂けていました。どうしたら、こんなことになるのか…」