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 小さな国なら七つか八つは収まるであろう、徒広い荒野の中心。人々に神と呼ばれることを望む身勝手な男が引き起こした戦争により、この場所も『隣の世界』の住民たちの手により、ロケット弾が撃ち込まれ、地上には戦前栄えた城下町の姿は跡形ない。今では近辺で奇跡的に生き残った男達が十数名に、少女が一人、今回の戦争が起きるきっかけを作った『神』を自称する男と、その男に『天使』と呼ばれる一人の少年が、かつて城が建てられていた、黒く焦げたような砂の上にテントを張り、地中に埋められていた水や食料を分け合い、生活している。しかし、隣の世界の特殊なミサイル弾を撃ち込まれても、生き残った大人たちのほとんどは、母国が攻撃されて、壊滅状態に陥った事実を受け入れることはできず、独裁者そのものの、カリスマ性のある『ヒジリ』という名の先導者を神として慕い、崇めることで、発狂しそうな自身の気持を何とか落ち着かせていた。また、少数ながらも、神を自称するヒジリに虚構を植えつけられることなく現実を凝視続けた者も何人かいたが、そういった者たちはクレーターだらけの黒い荒野を見ている内に、日に日に精神が病んでいき、大半が自ら命を絶ってしまった。

 そして現在、優れた科学技術を持つ隣の世界の住民たちは、一ヶ月前までヒジリに奪われた自軍の最強兵器を取り返す為、片端から隣接国にロケット弾を撃ち込んでいたが、とうとう彼の居所を突き止め、半径五キロメートル以内に踏み込むと骸と化す、城下町のあった黒い荒野へと襲撃の準備を進めていた。

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