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ログインしたアカウントは現在プレイ中のゲームデータと連携済みです

掲載日:2026/02/28

よろしくお願いします!

【チート?】アンクルゼロ強すぎ問題【運営アカ?】

1:名無しさん

またアンクルゼロがワールドボス単騎クリアしたらしいぞ

2:採掘民LV21

マジかよ

あれは仕様的にソロ無理だろ

3:元前線クラン

無理

ヘイト管理的に絶対

4:闘技場常連

不可能なのに倒してる

しかも片手剣一本

5:名無しさん

相変わらずヤバすぎ

6:元前線クラン

チート確定

7:検証勢クラック

熟練度オーバー50の上級スキル複数持ちってガチ?

8:元前線クラン

ガチ

5人で奇襲したことあるけど勝てなかった

9:名無しさん

さらっとPK宣言

10:元前線クラン

タンクが一瞬でやられた

11:名無しさん

即死?

12:元前線クラン

そそ

HP満タンから

13:闘技場常連

何者だよ

14:元前線クラン

あいつ本当にプレイヤーか?

15:陰謀論者

テスト用運営アカの可能性

16:検証勢クラック

あり得る

17:陰謀論者

あるいはプロゲーマー

18:元前線クラン

何にせよ情報求む



『ログインしたアカウントは現在プレイ中のゲームデータと連携済みです 』


 頭が真っ白になった。


「は?」


 つい八時間前まで正常にログインできたはずのゲームにログインできない。

 私はもう一度メールアドレスとパスワードを入力した。

 今度は一文字ずつ丁寧に。

 でも結果は同じだった。


「うそ……うそうそうそ!? 乗っ取られた!?」


 急いでサポートセンターにメールを送ると、数分後に返信がきた。


『お客様からご報告いただきました、アカウントの不正アクセスに関する件について、弊社にて調査を行いました。調査の結果、現在お客様のアカウントは正常に稼働しており、不正なアクセスの痕跡は確認できませんでした』 


「そんな……」


 万が一にもこういう事が起こらないように、パスワードは完全ランダムの英数字にしていたし、メールアドレスとパスワードはクラウドに暗記させなかった。


「私の五年間の努力が……」


 いや、まだ諦めるには早い。

 こうなればゲーム内で直接犯人を探して問い詰めるまで。

 私は早速VR専用のゴーグル付きのヘッドセットを起動した。


 最初の選択画面で、ログインではなく新規登録を選ぶ。

 ゲーム専用ではないメールアドレスと適当なパスワードを入力。

 

 アバターは容姿や性別をリアルから大きく変更するのが私のやり方。

 ゲーム内で学校の知り合いに会っても困るから、私なりに考えた結果なのだ。

 ただし今回は時間も無いため、アバター作成は手短に。


 設定を終えて真っ先に向かったのは、前回ログアウトしたセーフシティだ。

 ここで待ち伏せしていれば、私のアバターで犯人がログインしてくるはず。


「捕まえて運営に突き出してやる……」


 と、息まいてみたものの、いくら待っても私のアバターは現れなかった。


『ダイブから間もなく八時間が経過します。強制ログアウトまで残り十分です』


 VRゲームの長時間ログインによる健康危害を防ぐための忠告文だ。


「どうしよう……」


 このままログアウトすれば、次に再ログインできるのは八時間後。

 そのタイミングで私のアカウントがログインしてきたら足取りがつかめなくなる。


「あの……」


 見知らぬ男女のプレイヤーに声をかけられた。


「は、はい?」

「わたしたち、クエストの帰りでここを通りかかったんですけど、ずっとここにいますよね?」

「あ、えっと……」

「何かあったのか?」


 乗っ取られた私のアバターを探している。

 たったそれだけの言葉すら出なかった。

 つくづく人と上手く話せない自分が嫌になる。


「困りごとがあれば、力になりますよ?」


 たかがゲーム、されどゲーム。

 でも私にとっては死活問題なのだ。


「実は――」


 私は二人にアカウントが乗っ取られたことと、私のアバターがログインしてくるであろう、前回ログアウト地点で張り込みをしていることを伝えた。


「そういうことでしたら、わたしたちも犯人捜し手伝います!」

「え?」

「わたしたち、ログインしたのが三時間前くらいなので、強制ログアウトまであと五時間はログインできますから!」


 と、女性プレーヤーが言う。


「でも……」

「あ、わたしたちの事は気にしないで下さい! どうせこの後も予定が無くて暇だったんで! ね、アキヒト!」

「まあいいけど……ここで張り込んでいても意味がないんじゃないか?」

「え?」


 男性プレイヤーが私の方を見た。


「だって、あんたの奪われたっていうアカウントは正常に稼働しているんだよな?」

「はい……」

「それってつまり、既に一度はダイブしているってことで、もう一度ここにダイブしてくるとは限らないんじゃないのか?」

「あ……」


 確かに彼の言う通りだ。


「じゃあ、もう手遅れ……」

「だ、大丈夫ですよ! このゲームの世界だって広いとはいえ無限じゃないんですから、探せば絶対に見つかります! そ、そうだよね、アキヒト!?」

「あ、ああ……それに詳しく事情を話せばサポートセンターも対応してくれるはずだ。今日は一旦ログアウトして日を改めよう」


 そう言われ、一先ずその日はゲームからログアウトした。



 翌日、私は改めて二人と会った。


「わたし、ヒナコって言います! このVRゲームを始めて半年くらいです! こっちはゲーム友達の――」

「アキヒトだ」

「えっと、レイです……あ」


 多分二人のアカウント名は本名から来ている。

 そんな二人につられて私もつい本名で名乗ってしまった。

 でも気にしているのは私だけみたいだ。


「レイさん、よろしくお願いします!」

「よ、よろしくお願いします……」


 とても明るくて気さくな人だ。

 私はヒナコさんと握手を交わした。


「じゃあ、早速犯人捜しだけど、人手も増えたことだし街を探して回る?」

「その件だけど、俺に考えがある」


 そう切り出したのはアキヒトさんだ。


「まずは色々なショップを当たってみよう」

「ショップ? どうして?」

「もしかするとレイの所持していたアイテムが売り払われているかもしれない。もし売り払われていれば、ショップNPCの売買ログで犯人の足取りが掴めるだろ?」

「なるほど! でもお金が欲しいにしても、それって人のアカウントを奪ってまでやること? クエストをこなした方が健全だし、楽しくお金だって溜められるのに」

「お金って言うのはリアルの方だ」

「え?」

「過去に熟練度オーバー50の上級スキルの秘伝書が四十万円近くで売買されたこともある」

「よ、四十万!?」

「ああ。それだけこのゲームのアイテムやスキルには価値がある。だからアカウントを奪った人も金目的と考えるのが妥当だ」

「確かに! そうと決まれば早速ショップを見て回ろう! もしショップに売られてたら買い手が付いちゃうかもしれないし!」


 そうしてあっと言う間に方針が決まった。

 私一人だったらこんなにスムーズには進まなかっただろう。


「あの……」


 二人が私を見た。


「私たち昨日会ったばっかりなのに、どうしてお二人はそこまでしてくれるんですか?」


 ヒナコさんは腕を組んで考える。


「う~ん、特に理由はないんだよなぁ」

「は、はあ……」

「まあ、後になってお金とか請求するつもりもないので心配しないで下さい!」


 ヒナコさんは一人先に街を歩きだした。

 その背中を見る私に、アキヒトさんが言う。


「正直、疑う気持ちもわかる。でも、あれがアイツの本心なんだ」

「良い人ですね……」

「ああ、底抜けのお人好しだ」


 二人はゲームの外でも親しい関係なんだろう。

 それが少し羨ましい。


「ところで、レイが所持していた特別なアイテムやスキルはあるか? それを聞かないと探しようがない」


 確かにその通りだ。

 私は一瞬本当のことを言うか躊躇した。

 でもここまで協力してもらっていて話さない訳にはいかない。


「……熟練度オーバー50の片手剣上級スキルの秘伝書を持っています」


 アキヒトさんが目を見開いた。


「それ……本当か?」

「はい。あとクエストの戦利品がいくつかあるので、そっちは私の方で探してみます」

「わ、分かった。何かあれば連絡する」


 そうして私は二人と分かれ、いくつかのショップを見て回った。

 しかしショップを回っても、私の持っていたアイテムは売られていなかった。


「次のショップは……」


 マップ画面を操作していた時だった。

 ゲーム内チャットにアキヒトさんからの連絡が入った。


『片手剣上級スキルの秘伝書を見つけた』


 添付されていたマップが示すのは、街の外れにあるショップだ。

 私が急いで向かうと、そこには既に沢山の人が集まっていた。


「お願いです、もう少しだけ待ってください!」

「いい加減にしろ! そう言って安値で買おうって魂胆だろ!?」


 ヒナコさんとアキヒトさんが男性プレイヤーと口論になっていた。


「あ、レイさん!」


 ヒナコさんが駆け寄って来る。


「あの……この状況は?」

「ああ、ちょっと言い争いというか……でも、探していた片手剣上級スキルの秘伝書は見つけましたよ! これです!」


 ウィンドウに出てきた秘伝書。

 しかしそれは私の持っていたスキルでは無かった。


「……これ、私のものじゃないです」

「え? ほ、本当に?」

「はい。すみません……」

「う、ううん! わたしが早とちりしただけだから謝らないで!」


 ヒナコさんは男性プレイヤーに礼儀正しく頭を下げて謝った。

 しかし男性プレイヤーの怒りは静まらない。


「二十万ゴールドだ。それで許してやる」

「に、二十万!?」


 このゲームの通貨であるゴールドは、現実の円の価値の十分の一程度。

 つまり男性の要求してきた金額はおおよそ二万円。安い金額ではない。


「何だ? てめえらの勘違いで俺の時間が奪われたんだ。妥当な金額だろ?」


 高圧的な態度にヒナコさんが委縮する。

 すかさずアキヒトさんが間に入った。


「僕らの勘違いで時間を奪ったことに関してはすみませんでした。でも、お金は勘弁してもらえませんか?」


 男性プレイヤーは口元に笑みを浮かべながら答えた。


「じゃあ、ここはゲームらしく決闘で決めよう」

「決闘、ですか……」

「ああ、そうだ。お前らのうち誰か一人と俺が戦う。俺に勝てば金はチャラで良いが、負けたら倍の四十万ゴールドを払ってもらう」

「なっ!?」

「嫌だったら決闘は受けなくてもいいぜ? だが二十万ゴールドはきっちり払ってもらうからな。さあ、どうする?」


 私は二人に向かって言う。


「私が決闘を受けます」

「レイさん、正気ですか!?」

「はい」

「レイさんのレベルじゃあの人に敵いません! 何か他の手を考えましょう!」

「大丈夫です。負けた時は私が四十万ゴールドを払います。二人にこれ以上迷惑はかけませんから」

「レイさん! 待って――」


 私は一歩前に出て、決闘の承諾アイコンをタップした。

 すると私と男性プレイヤーを囲む形で決闘エリアが出現し、カウントダウンが始まった。


「負けても文句無しだからな?」


 男性プレイヤーが背負っていた戦斧を握る。

 私もそれに合わせて、初期装備の片手剣を抜いた。

 

 相手のレベルは24。

 対する私のレベルと熟練度は1。

 この圧倒的レベル差の中、私は彼に勝たなければいけない。


 カウントゼロになったタイミングで男性プレイヤーの戦斧が振り下ろされた。


 地面がえぐれて土煙が舞う。

 直撃すれば一撃で即死。


 私は土煙の中迷わず踏み込んで剣を振るった。

 男性プレイヤーの体から鮮血のエフェクトが出る。


「なっ!?」


 立て続けに二撃、三撃。


「クソが!!」


 男性プレイヤーが悪態をつく。

 大ぶりの戦斧は私を捉えることができない。


「凄いっ! 圧倒してる!!」

「ああ……でも、アイツは見かけによらず、かなり慎重派らしい」


 男性プレイヤーは隙を見て回復アイテムを使用していた。

 私がいくら攻撃を当てても、HPがあっという間に回復する。


「このままだとレイのスタミナとHPが減っていくだけ……ジリ貧だ」

「そんな……」


 確かにこのまま続けても、私の勝ち目は薄い。

 だったら私のやることは一つ。

 回復の隙を与えずにHPを削り取る。


 先ほど同様にスタミナを温存しながら出来る限りHPを減らす。

 そして男性プレイヤーがアイテムで回復しようとした瞬間。

 一気に距離を詰めて剣を振った。

 決められた軌跡をコンマのずれも無くなぞり、放った五連撃。

 私の狙いは上手くハマり、男性プレイヤーのHPを刈り取った。


「う、嘘だろ……」

「今のって熟練度オーバー30の中級スキルだよな!?」

「いやいや、仮に秘伝書を持っていたとしても、レベル1のプレイヤーには不可能だ!」


 WINNERの文字が表示され、決闘エリアが消える。

 ヒナコさんとアキヒトさんが駆け寄って来る。


「レイさん! レベル1で勝っちゃうなんて凄いです! わたし感動しました!!」

「あ、ありがとうございます」

「あれって中級スキルですよね? レベルも熟練度も足りないのにどうやったんですか!?」


 ヒナコさんが矢継ぎ早に聞いてくる。


「えっと……」


 隣のアキヒトさんはおおよそ想像が付いているようだった。


「このゲームのスキル仕様ですね?」


 私は頷いた。


「はい」


 このゲームではプレイヤーが自分でスキルをつくることができる。

 必要なのはオリジナリティと再現性。

 条件は同じ動作を連続五回成功させること。

 成功すればそれはスキルとみなされ、スキル秘伝書の生成が可能となる。

 

 そして習得時の熟練度とレベルを満たし、生成されたスキル秘伝書を所持していれば、誰でも使用ができるようになる。


 つまり特定の動作をこなせば理論上レベルや熟練度、秘伝書の有無に関係なくスキルを再現できるということ。

 

 もちろん熟練度に応じたステータスのバフは受けられない分ダメージ量や攻撃速度は本物のスキルに比べて劣るが、奇襲にはもってこいなのだ。


「そ、それって相当凄いことじゃないの?」

「凄いなんてもんじゃない………スキルモーションをコンマのずれも無く自分の技量で再現する……神業だ」


 アキヒトさんが私を見た。


「なぁ、レイの本当のアカウント名って――」


 男性プレイヤーの声が重なる。


「あり得ねえ! チートだ、チート!!」


 周囲がざわつく。

 だがその言葉を聞き入れる人はいなかった。

 このゲームに限ってチートはあり得ない。

 それはユーザーの共通認識だからだ。


「チッ……覚えてろよ!!」


 味方を付けることができなかった男性プレイヤーは、大きく舌打ちをしてその場を去っていった。



 その後も多くのショップを回ったけれど、私の持っていたスキルやアイテムはどこにも売られていなかった。


 お金が目的じゃないなら、私のアカウントを奪った人の目的は何だったんだろう。

 そんなことを考えていた時だった。


 街のとある区画に人だかりができていた。


「あれ、何だろう?」


 ヒナコさんが興味を示す。

 つられて先を見た瞬間、私の体に電流が走る。


 見間違うわけがない。

 全身を鎧に包んだ男性アバター。

 あれは間違いなく私のものだ。


 ここがセーフシティ内であることも忘れて、私は剣を抜いて切りかかった。


「返せ!!」


 振るった剣は警告文と不可侵のバリアによって防がれた。

 周囲の視線が集まる。

 私と対峙するアバターを見て、ヒナコさんが驚いた様子で言う。


「もしかしてレイさんってトップランカーのアンクルゼロだったんですか!?」

「……はい」

「ひぇぇ……何となく凄い人だとは思っていたけど、まさかそんな大物だったなんて……」


 ヒナコさんが周囲に呼びかける。


「それどころじゃない! 聞いてください!! そこにいるアンクルゼロは本物じゃないんです! アカウントを奪われたんです!」


 当然そんな突飛な出来事を信じる人はいない。

 やはり私が本物であることは実力で示すしかないらしい。

 私はウィンドウを開いて決闘を申し込んだ。


「……」


 鎧の下の目がウィンドウを凝視している。

 手元が動いて決闘が承諾され、カウントダウンが始まった。

 

 勝負は一瞬。

 カウントがゼロになり、私は出し惜しみせずに五連撃スキルのモーションを取った。

 どんなプレイヤーもレベル1の相手から中級スキル並の攻撃が来るとは思わない。

 しかし相手は私の攻撃に反応してみせた。


「!?」


 それどころか全て完璧に跳ね返された。

 手にしているのは私と同じ片手剣だ。


「……っ!」


 スタミナ回復の隙を付く刺突。

 攻撃は着実に私のHPを削っていく。

 私の放った渾身の一撃は、相手のHPを完全に削り取ることはできなかった。

 最後に放たれた相手の一撃は、私のHPの最後の1ドットを奪い取った。


「そんな……」


 実力は五分五分。

 最後に勝敗を分けたのはアバターのレベル。

 私はこれまでの自分の努力によって敗北した。


 私のアバターが私を見下ろしている。

 鎧に隠れて表情は伺えない。

 でも「いつでもかかってこい」と、中の人物がそう語っている様に見えた。



【真偽やいかに】謎の新規プレイヤー

1:名無しさん

今日セントリアであった決闘見た奴おる?

2:元前線クラン

見た

3:闘技場常連

誰と決闘?

4:元前線クラン

無名の新規プレイヤー

5:闘技場常連

は? 何で?

6:名無しさん

アカウントが奪われたって

7:検証勢クラック

新規プレイヤーがアンクルゼロってことでおけ?

8:元前線クラン

確定じゃない

9:闘技場常連

そもそも結果は?

10:名無しさん

アンクルゼロの勝ち

11:検証勢クラック

知ってた

有名プレイヤー語り乙

12:名無しさん

それが新規プレイヤーの奴もヤバくてさ

13:元前線クラン

そそ!

レベル1の片手剣使い!

PSでスキルの再現!!

14:検証勢クラック

熱くなりすぎ

15:名無しさん

実力は確か

もう有名クランが目を付けてる

16:闘技場常連

マジかよ

17:名無しさん

真相はどうあれ見ごたえあったわ

18:元前線クラン

これからが楽しみすぎる



「レイさんのアカウントを奪ったあの人、誰だったんですかね……」

「あれだけの実力……しかも同じ武器を使う人として、アイツの動きに心当たりはないのか?」


 私は首を横に振る。

 

 これまで沢山のプレイヤーと戦ってきた。

 しかも同じ片手剣使いともなれば、その数は数えることができない。

 でも、あれだけ戦える人がいたら私も覚えているはず。

 と思ったのだが、心当たりは全く無かった。


「そうか……」

「レイさんはこれからどうするんですか?」

「……リベンジします。勝てば返してくれる確証はありませんが……負けたままは嫌なので」」


 私は改めて二人に頭を下げた。


「色々とありがとうございました。あとは自分で何とかします」


 すると二人は顔を見合わせる。


「わたしたちの事は全然気にしないで下さい! それで、あの……」


 珍しくヒナコさんは視線を泳がせていた。


「レイが良ければ、俺たちとパーティーを組まないか?」

「……パーティーですか?」

「は、はい! 正直、あんな凄いプレイを見せられたら一緒にゲームをやってみたいとか、コツとか教えてもらえたら良いなって……」

「もちろん、嫌だったら断ってくれていい。無理を言っているのは分かってる」

「……」


 私は少し考えた。

 多分、ここで断っても二人は全然嫌な顔をしないだろうし、この先もゲームの中で出会ったら気さくに声をかけてくれると思う。


「……私で良かったら、お願いします」

「本当ですか!?」

「はい」

「やったあ!!」


 思えば、誰かとゲームを一緒にプレイするなんていつぶりだろう。

 もちろんさっさとレベルを上げるだけなら、私一人の方が効率が良い。

 でも確信は無いけど、私のアバターを奪った犯人は、私から逃げないような気がする。


 ここで二人に出会ったのも、何かの縁なのかもしれない。

 私はヒナコさんとアキヒトさんとパーティー登録をして、街を後にした。

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