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「自分は雑用くらいしかできない」と勘違いしていませんか?

作者: 九傷

 


 社会人の皆様こんばんは!

 それ以外の方々もこんばんは!


 今月は4月ということもあり、新社会人という人もそれなりにいるのではないでしょうか?

 入社して間もないので、まだ実務はなく研修期間中という人もいると思います。


 新人時代はそれこそ「何がわからないかもわからない」という状態の人が多いと思いますが、新人時代は誰もが経験していることなので、自分だけができない! みたいな負の思考に陥らないようにしていただければ幸いです。

 作業速度が出ず焦る人もいると思いますが、作業速度なんてものは慣れてくれば勝手に速くなるものなので、基本的には気負わず焦らずを心がけた方が安全ですよ――と言っておきます。



 今回のお話は大抵の社会人が経験する「雑用」や「雑務」に関するお話です。

 この二つの言葉は意味が少し異なりますが、仕事においては大体同じような使われ方をすることが多いですね。


 簡単に違いを説明すると、「雑務」はこまごまとした雑多な用務であり、「雑用」はこまごまとした雑多な用事になります。

 ですので厳密には「雑務」は仕事で、「雑用」は仕事ではないということになるのですが、どちらにしろ「やらなければならないこと」であり、業務時間中の作業は全て仕事扱いなので大きな違いはありません。

 恐らくこれを読んでいる皆様も同じようなイメージなのではないでしょうか。


 このエッセイでは以降、二つを統一して「雑用」と記述します。

 これは毎回両方書くと冗長になるためで、他に他意はありません。





 さて、皆様は「雑用」と聞くとどのようなイメージを抱くでしょうか?

 偏見かもしれませんが、恐らく前述したような「やらなければならないこと」と認識している人は少ないと思います。

 実際、現代ではネガティブな意味合いで使用されることが多々あり、「どうでもいい面倒くさい用事」と捉えている人が多いです。


 言葉の意味というものは時代とともに変遷することがありますが、「雑用」もその一つと言っていいでしょう。

 雑という字は単体だと悪い意味合いで使われることも多いですし、「雑用」を雑な用事だと誤認してしまうのも、正直仕方のないことだと思います。

 世の中には子供の「供」に悪いイメージを持つ人や、婦人などの女偏が入る漢字に過剰な反応をする人もいるくらいですので、漢字の印象って本当大きいですよね……



 そんな背景もあって、社会では「雑用」をする人を見下したり、やることを忌避したり、やっている自分を卑下したりする人が沢山います。

 また、新人時代は重要な仕事は任せられないため「雑用」を任せられることが多々ありますが、それもあって「雑用」イコール新人の仕事と認識されることも多いです。

 もっと酷いケースだと、事務や総務、運用や運営の仕事を「誰にでもできる雑用」と見下す人もいます。


 昨今はそういうことを言うとすぐネットで炎上するので口には出さない人も多いですが、未だにそんな認識をしている人は現実に沢山います。

 私の会社にもいる……、と思った人もいるのではないでしょうか。



 しかし、仕事というものは必要だからこそ存在しているのであって、そもそも優劣を競うものではありません。

 もちろん仕事により必要な技術や環境、体力などに差はあるでしょうが、それにより生まれるのは優劣ではなく向き不向きです。


 だから、もし「自分は雑用くらいしかできない」なんて思っている人がいたら、すぐに認識を改めてください。

 特に、苦も無く「雑用」こなしている人は、自分が稀有な才能を持っていると理解すべきです。

 勘違いしている人も多いですが、「雑用」は誰にでもできることではありません。

 実際、「雑用」ができない人や、苦手な人はとても多いです。


 もしかしたら否定したい人もいるかもしれませんが、するのであれば実際に「雑用」を長期間やってから否定して欲しいですね。

 まあ、長期間やった経験のある人で否定する人はあまりいないと思いますが……



 よく人の仕事を馬鹿にしたり見下したりする人に、「じゃあアナタがやってみてください」と言うと、大抵の場合やらないか、やれないか、「こんなのは自分がやるべき仕事ではない」と言ってやろうとしません。

 これらは全て結果としては同じですので、「雑用ができない人」になります。


 中には短期間だけやってみせて「ほら、誰にでもできるだろ?」みたいなことを言いますが、重要なのは継続性ですので少なくとも「雑用を継続的にできる人」とは言えないでしょう。

 これ、家事をしない旦那と置き換えると主婦の方も共感できるんじゃないかと思います。


 また、仕事をしていない学生さんでも、勉強やゲームを例にすればわかりやすいかもしれません。


 勉強であれば、暗記問題なんかは繰り返し書いたり読んだりする必要があると思いますが、同じ内容を何度も繰り返すのは中々に苦痛ですよね。

 ゲームであれば、ひたすら単調な素材集めや、繰り返しの作業プレイなんかは集中力が維持できない人も多いと思います。

 ……しかし、逆にそれが得意という人は、その時点で既に稀有な才能を持っているという証拠なんですよ。

 その才能は必ず何かの役に立ちますし、将来仕事に活かすことも可能なんです。


 だから、このエッセイを読んでいる人の中にもし、自分のことを「雑用しかできない」とか「簡単な作業しかできない」なんて思っている人がいたなら、実は自分には凄い才能があるのだと気づいてください。

 恐らく広い視点で見れば、自分と同じことができる人は思った以上に少ないと思います。

 もし「私には絶対無理!」と嫌味を言われたり嘲笑われたとしても、「ああ、この人は私と違ってできない人なんだな」とでも思っておけばいいでしょう。


 そして、もし「雑用」を軽く見ていたり、「雑用係」を卑下している人は、まず自分が同じことをやれるか想像してみてください。

 その結果、どんな理由であれ自分はやれないと思ったのであれば、やれている人のことを決して見下さないでください。




 最後になりますが、今月は大人でも子どもでも、新しい環境になるという人が多いと思います。

 その中には既に、自分を卑下したり、あるいは心無いことを言われた人もいるのではないでしょうか。

 いや、言われていないのであれば何も問題ないのですが、もしそれで少し心を病みかけている人がいましたら、「自分って結構凄いのでは?」くらいポジティブに考えてもバチは当たりません。


 自分が大したことがないと思っていることも、実は人に評価されているなんてことは多々あります。

 今回取り上げた「雑用」はまさにそれで、実は「雑用」を進んでやる人や継続できている人は尊敬されていることも多いのです。

 タイトルの通り、もし「自分は雑用くらいしかできない」なんて勘違いしている人がいましたら、一度冷静に周囲を見てみましょう。

 実は自分って凄い人なんじゃ――、となるかもしれませんよ?



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― 新着の感想 ―
雑用をナメるのもあかんけど、過大評価もあかんよなぁ。 何だかんだでそいつにしかできない強力な武器ってものがある奴は強いし、そいつが雑用ができんからと言ってイコール無能って訳じゃない。 まあ、こういう…
言い得て妙! 雑用を笑う者は雑用に泣く( ˘ω˘ )
なんなら雑用をしてくれる人がいなくなったら職場が回らなくなった!とか普通にどこででも起こり得ることですからね~。 そういう意味では、一昔になろうで流行った追放モノもある意味物事の真理を突いていたのか…
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