第8話 3月終盤でも寒いもんは寒い
「寒〜」
隆は風香との待ち合わせ場所である都内の最寄駅に向かって歩いていた。お互いの家で待ち合わせの方がいいのではと提案したが『シチュエーションが大事なんだよ』と駅前になった。昔からよく風香とは遊んでいたがシチュエーションなんて初めて言われた
「なんでこんなに寒いんだ。昨日よりも寒いなら昨日風香と外で待ち合わせした方が正解だったか」
クローゼットから春服を取り出して着ている。それだけでは心許ないのでマフラーも着けていた。三月も終わりにかかろうとしてるのに外はメチャクチャ寒かった
「それにしても昨日は奈緒、いつも以上にべったりくっついてきたな。あと何だったか『風香さんの言動は全て無視してください』だったっけ?あれどんな意味だったんだろう」
休日を潰されることはいつものことなのでそこまで気にしてはいないが昨日奈緒に再三言われたこの言葉の意味が今ひとつわからなかった。
そんなことを考えていたら駅前に到着した
「約束の時間より20分前か、風香はもう来てるかな?」
A「おい,見ろよあの子めちゃくちゃ可愛くないか?」
B「ああ、声かけてみる?」
C「いや、やめておいた方がいいよ。さっきもイケメンが声かけてたけど全く興味ありませんって感じで相手にしてなかったし」
C「それに誰かと待ち合わせしてるみたいだしね」
A「彼氏とかな〜だとしたらめちゃくちゃ羨ましいわ〜」
B「多分相当イケメンなんだろうな、俺らじゃ無理だよ。行こう」
A「そうだな」
そして彼らの視線の先には駅前の花壇付近で手鏡で髪を整えてる美少女の姿があった。
あ、ごめんなさい待ち合わせ相手俺です
「風香」
「あ、隆おはよう。随分と早かったね」
「いや風香の方が早いじゃん、、、ごめん待たせちゃって」
「うんん、私も今きたとこだから大丈夫だよ」
彼女は微笑みながらそう答える。
はぁ何年の付き合いだと思っているんだよ
嘘ついてることくらいわかるって、、、
それに彼女の唇がくすんでいた。俺が来るより数十分前にはもう到着していたみたいだ。こんな寒い中…
「昔から嘘つくの苦手だよな〜風香。ほらこれ、ないよりはましだろ?」
隆は自分の着けていたマフラーを風香の首に巻く
「いや、悪いよそれに隆だって寒いでしょ?昔から寒がりだし」
「いや大丈夫だよ待ち合わせ場所まで走ってきたから結構今暑いんだよね」
軽く微笑みながら答える。まぁ走ってきたというのは嘘だが、このままでは埒が開かないと思ってね
「隆も嘘つくの下手じゃん。全然息切れしてなかったよ、、、」////
風香は顔を赤くしながらボソッとつぶやいた。この気遣いの良さも風香が"隆を好きになった所"のひとつだ
「隆ありがとう!もう寒いって言っても返してあげないよ〜」
「お、いつもの風香に戻ったな、、、、、
あと、時間経ったら返していただけると助かるのですが」
「やっぱり強がってただけじゃん!」
「うるさい格好はつけたかったが寒いもんは寒い。というか随分元気そうだな。やっぱりマフラー返せ」
「や〜だ!」
お互いに話し込んでるうちに待ち合わせ時間になっていた。
「隆!今日の買い物デート楽しもうね!」
「ああ、そうだな」
——————あとがき——————
ここまで読んでくださりありがとうございます。
前回900文字くらいと書いておきながら1400文字超えてしまって申し訳ございません
次回風香と隆の買い物を含め数話で高校編を書こうと思っております
よろしくお願いします




