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 桜の咲くお屋敷の縁側に藍が座っている。そこからじっと美しい桜の木の風景を眺めてる。その手には筆と紙を持っている。どうやら藍なにか歌を読もうとしているみたいだった。

「なにをこそこそとしているのですか? 小咲姫?」とそんなことを突然言われた。

 小咲姫が驚いて後ろを振り向くと、そこには小さな四季姫がいた。

 四季姫は小咲姫を見て、にっこりと嬉しそうな顔で笑っている。

 それから兄である藍を見て「お兄様を見ていたのですか?」と口元を着物の袖で隠すようにしてくすくすと楽しそうな顔で笑った。

「違います。桜の木を見ていたのです」と姿勢を正して小咲姫はすました顔でそう言った。

「なるほど。なるほど」と言って、四季姫は小咲姫の隣にやってくる。

「都暮らしの四季姫には、こちらの生活は退屈ではありませんか?」と話題を逸らすようにして、そんなことを小咲姫は四季姫に言った。

「そんなことはありませんよ」と四季姫は言う。

「本当ですか? なにもありませんよ」と顔を斜めにして小咲姫は言う。

「海が見えます。それが本当に嬉しいんです」と本当に嬉しそうな顔でころころと笑って四季姫は言った。

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