ピッチャーがもつ自由
マウンド立ったことないですけどね。
マウンドのプレートが
一塁から三塁まで届くほど長いうえに
ホームベースのむこうには100人のキャッチャーが
でっかいミットを構えたまま
好きな球を投げろってサインを出す
そしたら 明日がひとり娘の結婚式みたいな
恵比寿顔をはりつけた主審が
バックネットいっぱいのストライクゾーンに
「ストライク!」って声を響かせる
そんなものが 最高の自由でもない
それならいっそ 野球のルールじたいが
ただの拘束具になってしまう
ちっぽけなマウンドの両端にも届かないプレートから
腕の角度とフォームをくふうして
たったひとりのキャッチャー
そして 狭いストライクゾーンに
いろんな軌道の直線や弧を描く
緩急のついた球を投げ込むのだ
じぶんの一本の利き腕から
いくつの軌道をうみだせるかが
ピッチャーがもつ自由の数なのだろう
ひたすら野球漫画読んでます(笑)