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#高校一年生 奈緒(2/3)

〜〜〜


 入学式が終わってから、最初の登校日。私は駅の改札で同じクラスの子を見かけて声をかけた。なんとなく、同じクラスだったよなーと思っただけだったんだけど、私も一人で心細かったから勇気を出してみたの。

 彼女も私を入学式の時に見て、覚えててくれたみたい。一緒に登校することになった。


 彼女は土屋亜香里ちゃん。同じ沿線なんだけど、私とは反対方向の駅に住んでるんだって。帰りも駅でバイバイするしかないんだ。

 初めて出来た友達。すごく綺麗なんだー。黒髪ロングヘアが似合う美人。アイドルにいてもおかしくないぐらいだよ。こんな可愛い子が私と友達でいいのかって感じ。


 「奈緒も充分可愛いよ。彼氏いるの? 今度私の髪の毛巻いて欲しいなー。奈緒の髪型めっちゃ可愛いよねー」

 話してみると割とフレンドリーだし、もうすっかり打ち解けた。早速遊びに行く約束もしたし。


 「「おはよー」」

 二人でA組の教室に入って、クラスメイトに声をかけた。席の近い人同士でいくつかグループが出来ていたけど、それぞれのグループがこっちを向いて挨拶をしてくれた。

 ラッキーなことに、亜香里ちゃんは私の斜め後ろの席だったから、そのまま近くのグループに合流する。スムーズに友達が出来て本当に良かった。


〜〜〜


 とにかく私は毎日「普通」に女子高生っぽいことをしていることに喜びを感じていた。

 友達とカラオケに行ったり、放課後にお菓子を食べながらおしゃべりをしたり。何気ないことでキャッキャと笑い合えるのが本当に楽しい。

 

 ただ、友達はみんな部活に入るみたいでさ、バレー部だったり軽音部に体験入部もしてた。どの部活もそれほど厳しいわけではなく、同好会みたいな感じでゆるいんだけどね。私はどれも興味がなくて、帰宅部でいいやと思ってたんだけど、どこかの部屋から甘い匂いがして思わず覗いてみると、ケーキを焼いているのが見えた。

 「奈緒ってさ、甘いもの好きじゃん。だったら料理部入れば? こうやってスイーツ作って食べられるじゃん」

 なるほど。料理なんてほとんどしたことないし、ましてやスイーツなんてハードルが高くて作ろうともしなかったけど、ここで練習すれば休みの日なんかに家で作ったりできるなって思った。

 そんな不純な動機で私は料理部に入部することになった。

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