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下へ参ります
同じ高さに立っている
夜風が禿げ頭を無慈悲に撫でる
広々としたビルの上で
決戦は始まろうとしていた
まず最初に起きたのは
ゴリラの攻撃だった
こちらに全力で向かいながら
右腕を振りかぶり
僕の頭上に目掛けて振り下ろしてきた
くらったら確実にヤバい
そう思う間もなく僕はビルに叩きつけられ
恐らくは30階はあるであろう
ビルを支えを失ったエレベータの如く
床をぶち抜きながら豪快に落下していった
やがて、硬いコンクリートに衝突すると
落下は止まり、そして僕の
足が原型を留めていなかった
大分違う高さに立つことも叶わず