彼女に白む僕の心は
色白の君は、派手な髪をざんばらにして、短いワンピースから細い手足を上品にすらりと顕していた。
とても見つめ続けられるわけではないけれど、ふとももの付け根はあまりにも艶めかしく、僕は気が気でいられない。
そして恐る恐る、君の眼を見つめる。
深く、大きな、その目。
その中に映る僕。
一度見つめてしまえば、もう目を離すことなどできない。そこに映る自分の醜ささえ、今は雑音の一つでしかなかった。
初めて会ったあの日、君が僕にも対等に接してくれたこと。
以来それは、酷く惨めな僕にとって、ひそかな“お守り”になっていた。
人はそれを陰気な性格と笑うかもしれない。だが、僕にとって微かな優しさや気高さは、とても得難いものなのだ。
もちろん、それ以上は望まない。
だけど、だからこそ、それだけで十分なのだと僕は一人口にしていた。
──その後の一週間、僕はぼうっと君の顔を思い出し、時おり窓ガラスに君の影が映った気がして、何度も周りをきょろきょろしながら過ごした。
惨めな人間だから、そうして僕の中の歪な想いは逃げ場を失っていく。
そしてついに、日曜日から月曜日へ続く憂鬱な夜の、その真中。
深夜の夢の中で、僕は君のふとももに手を伸ばしていた。
君は遮るでもなく、そっと僕の腕に手を置き、こう言った。
「私の殻に触れたとき、そこから棘が出てくるか、虹色の鱗が出てくるかは、まったくあなたの運次第なの。」
そこで僕は目を覚ました。
ああ、君はなんて得難いのだろう──そう思った。
感情の余韻は布団の中に優しく残響し、空が白んでもなお、僕はこの身のしょっぱさを噛み締めることしかできなかった。




