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あの日君とこの空の下で。  作者: にのまえ はじめ
4/4

再会の日

「ついた……!」


近くにあった時計でわかった。現在の時刻は午後4時半……

ーー残り30分ーー

「急がないと」そう言って俺は再び走り出した。

まずは恵美の家へ向かう、ここから多分10分ほどで着く。


「着いた……」

「恵美!居るのか!!」

が、そこに恵美の姿はなかった。

恵美、一体どこに居るんだ?

息を吐くのがもう疲れるくらいに俺は走り続ける。

空はもうどんよりとし始めてきた。

俺の気力はこの曇り空に吸われているかのようにどんどん、どんどん無くなっていた。

正直言って、疲れた。


でも、俺は走り続けなきゃいけない。

足がもぎれてでも走り続けなきゃいけない。

なんで疲れてるのに走るの?

なんでそんなに彼女を想っているの?

そう、俺の心の中で悪魔が囁く。

「なんでだろう」一瞬思ったけどすぐに答えが出た。

だから俺は走り続けられる。

気力がなかろうと、味のする息がしようと、俺は走り続けられる。


そんな時、恵美を見つけた。

(やっとだ……!)

心の中でそう呟いて笑っていられるのもつかの間だった。

そこは見慣れた風景、あの場所。

横からは迫り来る2台の車。


「恵美ーー!避けろーー!」

「守く……」

ガシャーーーン

恵美の言葉は2台の車の衝突によってかき消された。

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺はまた恵美を助けられず、その場に座り込み人生で初めて人のために俺は泣いた。


「ちくしょう……!ちくしょう!!」

しかし、そう叫ぶ俺にふと、希望の光差し込む。


「おい、大丈夫か?」

運転手だ。

「救急車は?いらない……? いや、その怪我なら……」


恵美は生きている……?


そう思うと俺はじっとしていられずに恵美のもとへ向かう。


「恵美!!」

「守くん……何でここにいるの?」

そんなことどうだっていい……

恵美が無事でよかった……


「守くん無視し……」

俺は思わず恵美にキスをした。

「守くん……?」

「わりぃ……つい……」

「いいよ、守くんなら」

そう言うと次は恵美が俺にキスをした。



あれからしばらくして、俺と恵美は結婚。

勿論、未来でも了承を得たし、そして俺が未来人であることも恵美に明かした……。

でも、恵美はいつものように笑顔で俺を受け入れてくれた。


タイムマシンは没収となり、俺はもう未来へは帰れない。


でも、俺はこっちの方が幸せだ。


あの日君とこの空の下で出会った時を俺は一生忘れない。






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