3丁目のにゃんごろー
近所の野良猫を見ていて思いついた話。
俺様は3丁目に住むトラ猫、にゃんごろーだ。
…ネーミングセンスについては俺の責任じゃあないぜ?
俺らを束ねるボスのセンスだ。
この界隈でボスに逆らったら生きていけないからな。
だから、どんな名前だって皆あまんじて受け入れるんだ。
え?
にゃんごろーよりヒドイのがあるのかって?
おい、みえるか?
そこの白猫だよ。
なかなかの美猫だろ?
でもあれ、名前が「ごろりーぬ」なんだぜ?
「ゴロゴロ鳴く声が素敵ねぇ」って理由だけで「ごろりーぬ」だ。
「あなたは今日からごろりーぬ」と言われた瞬間の奴の顔ったら…。
おっと、こっちをにらみやがった。
アイツの前じゃ、名前の話は禁句なんだぜ。
え?なに?
ボスは女なのかって?
なんだよお前。
ボスが気になるのか?
しょーがねーなー。
ちょっと俺についてこいよ。
紹介してやるよ。
「にゃぅーん」
「あら、にゃんごろーじゃないの」
「にゃーん。ごろごろ…」
「ちょっと待ってねぇ。確かまだ煮干しがあったわ」
え?
人のよさそうな老婦人にしか見えないって?
ばっかだなぁ。
この辺を束ねてるボスだぜ?
この辺じゃ、誰も彼女に逆らわないんだ。
…食いっぱぐれるからな。
食べ物は大事ですよねー。
というオチ。