青き脅威
…さて。広いな。
見た感じ草原のようだが…。
「まずは…食料でも確保するか…。って、いやいや、ギルドに行けば稼げるから食料はそれで…。うん?ギルドってあったっけ、この世界…。」
…分かっている。
「まずは街を探そう!そうだな!幸いにして街道があるようだし、辿っていけばどっかにたどり着くだろ!」
俺のいた世界、日本にはVRMMOは存在しない。俺がデバッグしていたのはパソコンでプレイするただのオンラインゲームだ。ましてや…こんな手触りがしっかりとしている草原や、頬を撫でるような風なんか作れる訳がない。
「ああ、いいぜ。しょうがない。もうここまできたら認めるしかない。てゆうか信じたくないけど、信じるしかない。どうやらここは…。」
ゲームの世界のようだった。
◇
「認めたのは、いいものの…。どうすりゃ帰れんだろ…。」
メニュー画面を開いてみてみたが、ログアウトは存在しないようだった。
「唯一の救いは、チート機能を全てオンにしたことだな…」
ステータス画面に表示されているレベルは200だ。おそらくこのゲームの最大レベルだろう。ほかの攻撃力、防御力などの値は9999となっている。最早、想像もつかない攻撃力だな。
「まあ、あのリアルダイブってのが、かなり怪しいわけだが…」
見たこともないチート機能だった。俺の予想だと、このゲームにダイブするとかいう類の機能なのだろう。ならば、あの機能をオフにしたらどうなっていたのだろう?普通にパソコンゲームだったのだろうか。
「まあ、考えていても埒が明かんな…。ここは無難に街道を辿るか、イベントを待つ…」
「キャアァァァァアアアアア!!!」
耳をつんざくような女性の叫び声が街道から外れた森の中から聞こえてきた。
どうやらイベント進行はちゃんと行われるようだな。よかったよかった。
俺は的外れな事を考えながら、緊張感のない足取りで森へと向かっていったのだった。
◇
「たた、たたたった、たすっ、助けてくださっ!」
15歳くらいだろうか…?いや、まあ、あの辺りの年齢は分かりづらいので正確とは言い難いだろう。色素の薄いブロンドの髪を短くした、小柄な少女が走り回っているのだ。
「ひ、ひいっ!た、たすけっ!」
よく観察してみると服はボロボロで装備とはとても言えないようなものを身に付けている。最初は抵抗していたのだろう、腰にはポッキリと先の折れた剣がぶら下がっているが、もうあれは使い物にならないだろう。
ポテッ
転けた。
流石に足に限界が来たらしい。俺が観察を始めてから10数分は経過しているので、それよりも前から走っていたと考えればかなりの負担であると考えられる。
「こっ、来ないでっ、来ないでください!」
ここで彼女がなにから逃げていたのかを説明しておこう。ここまで全力で、ある程度の時間逃げ続けて逃げられないものは限られてくるだろう…。と思いがちだが…
「や、やだっ!すみません!私!美味しくないです!親もいないし、なにも出来ないし、役立たずだし…。ふぇぇええ。」
とうとうしまいには泣き出してしまった。てゆうか、最後の方関係ないような…。顔は案外綺麗なのに、涙と鼻水でべちょべちょだ。
「ふぇぇええ!たずけでぐだざいぃぃい!」
俺がこんなになってまで彼女の助けに入らないのは理由がある。いや、てゆうか助けに入る必要あるのか?
「ひっ!ひぃっ!」
彼女が今まさに捕まろうとしている相手は………
プルプル!!
澄んだ青い色をした超有名最弱モンスター、スライムだったからだ。
文が上手くまとまらない…w
難しいですね。訂正箇所などありましたら、是非ご報告お願いします!