他人の夫(妻)を批判するべからず
――ある日、10年ぶりに会った友人とカフェにて
「それで、結婚ってどうなの」
「どうって言われても……」
「独身の私から見たら、結婚って未知の世界なんだよね」
「そっか……そうだよね」
「旦那さんに縛られたりしない?」
「え?」
「変な意味じゃないよ、一応言っておくと」
「あはは……(何よそれ)」
「束縛されたりってある?」
「うちはけっこうあるかもなぁ」
「別々に行動したりとかできない感じ?」
「う~ん。そんなこともないけど、二人一緒が多いかな」
「えー、きっついなぁ。私はヤダ。絶対ヤダわ」
「(別に意見は聞いてないけど)そう? 私は慣れたよ」
「旦那さんとどんなことして過ごすの」
「一緒に映画見たり、買い物行ったり。旅行も行く」
「ふぅん」
「夫婦で趣味を共有するって楽しいよ」
「そうかな。私は休日まで一緒なんてヤダ。疲れるでしょ」
「疲れることもあるけど……もう慣れたかな」
「なんか結婚って大変。私には自由が必要だもん」
「(あれ? 幻滅させちゃったかな)自由だってあるよ」
「私は結婚しても毎日自分の時間が欲しい。一人になれる時間」
「それもある程度は必要かもね。だけど私は束縛されるのそんなにイヤじゃない」
「門限とかあっても?」
「そういうのはないよ。でも遅くなったりしたら心配はされるかな」
「たとえば何時?」
「21時とか」
「え、普通に早いし。飲みに行けないじゃん」
「まぁね。難しい時もあるね」
「旦那さんって一人で何かしないわけ?」
「(随分そこに食い下がってくるなぁ……)パソコンとかするよ」
「インドアだねぇ」
「私もインドアだから」
「旦那さんってオタク系?」
「う~ん。そうは思わないけど」
「漫画とか読むタイプ?」
「漫画は読むよ、普通に」
「あ、やっぱりー? オタク系はインドアが多いよね」
(なんで決めつける!?)
「結婚報告ハガキをもらった時、なんかオタクっぽいって思ったんだよね」
(失礼な……!)
身内を悪く言われると、辛い。
私は夫の愚痴や悪口を他人には言わない。
夫にして欲しくないことは、私もしない。
ただ、この法則を守っているのみだ。