春色大乱闘
「春だよ~、全身で春風を感じるよ~」
ざわざわ、ヒソヒソ
「ママ、あのオジサンどうしてはだかなの?」
「シッ、見ちゃいけません!」
「もしもし、警察ですか?あの、三丁目の公園近くに変質者が………」
この街にも…春が…訪れました。
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大学内講堂
突然だが、自己紹介をしよう。俺は、雛井兼貞という。
成績は、中の下。
容姿は中の上という評価を高校ではされていた。
モテたかモテなかったかと聞かれれば、そこそこモテた。ひとえに、運動神経のおかげだろう。
彼女も2ヶ月前までは居た。
「一緒の大学に行こうね~」
なんて言われてたが、クラスに蔓延していた受験勉強のギスギス感に煽られたりで破局。
今は晴れてロンリーロンリーサッドガイである。
そんな過ぎ去った思いを胸に秘めつつ、新生活に期待するピカピカの一年生。それが、俺だ。
さて、そろそろ入学式も終わる。自己紹介はここまでだ。
素晴らしい春が、始まりますように。
二時間後。
俺は動けなくなっていた。
何故かって?答えはこうだ。
告白された。
「付き合って下さい!」
その人の告白はとても男前なものだった。
それに見合った男らしい声で………
彼、赤木主税は
俺に思いを告げた。