春の木漏れ日、嵐の前の・・・
ズズッ
大家さんが淹れてくれたお茶を飲んで心を落ち着ける。
「そうなのー、大変だったわねぇ。」
今日の出来事を聞き終えた大家さん。俺の滅茶苦茶な話をしっかり聞いてくれた。そんな大家さんの一言で、また涙が溢れそうになる俺。
「ほのかちゃんも、悪い子じゃないのよ~?」
「・・・ほのかちゃん??」
ん?
「そうよ、霧島ほのかちゃん。兼貞君の部屋に居た子ね~。」
あ、あれ?知り合いなの?
「彼女も今日からここの住人なのよ~。」
「んなぁ!!?」
衝撃の新事実。
「それにしても、兼貞君ってモテるのね~。冬花ちゃん達や、主税君まで。ふふふ。」
あわわわわわ、嫌な予感がっ!悪寒がっ!!
「・・・・・・あの、つかぬことお伺いしますが。あの変態さん達とお知り合いで?」
「うん、兼貞君の話に出てきた子達は皆ここの住人よ?」
oh...
「でも、兼貞君を泣かせるのはやりすぎね~。ちょっと皆とお話しなくちゃ。」
「あばばばばばば(大家さん大家さん、あいつ等に日本語がつうじるのですか?)」
脳内の処理が追いつかず、日本語が話せなくなる俺。
「大丈夫よ、皆良い子だから。」
何事もなく伝わった。大家さんすげぇ。
「あびゃびゃびゃびゃびゃ(そんな印象全く受けませんでしたが?)」
ポンコツ化が治らない俺。
「ふふふ、大丈夫大丈夫。大家さんに任せなさい。とりあえず、兼貞君の歓迎会をしましょう。」
動じないハイスペック大家さん。今この瞬間、世界中で頼れるのは大家さんだけのような錯覚に捕らわれる。
「か、歓迎会ですか?」
言語野の回復を確認。
「そんな顔しなくても大丈夫よー。皆を呼んでくるからちょっと待っててねー。」
かくして、雛井兼貞の命運は笑顔の素敵な大家さんに委ねられたのだった。
超鈍足不定期更新でごめんなさい。
初感想いただきました。
頑張らせて頂きます。