おまけ 爪は切りたくニャい!
「痛てっ」
ログはシリルとじゃれあっていると、その爪が皮膚に突き刺さる。
「シリル、爪伸びてきたんじゃない?」
「爪ニャ?」
シリルは自慢げにジャキっと爪を出す。
「綺麗に研いだ甲斐があるかニャ」
「じゃあ、切ろっか」
ログはにこやかに笑いかける。
「…ニャ?」
爪切りを出すログを見るやいなや、シリルはベッドの下に潜り込む。
「嫌ニャ!せっかくここまで頑張ったニャ!」
こんな隙間に潜り込まれたら、僕一人では無理だ。
ログは部屋で実験をしているゼインに声を掛ける。
「ゼイン!爪切るの手伝って!」
「ったく、しゃあねえな」
ログと二手に分かれ、ベッドの両脇にしゃがむ。
よし、捕まえられる!
しかし、シリルはベッド下に伸ばしてきたゼインの手に思いっきり噛みつく。
「痛ってえ!もう絶対許さねえ!」
しかし、捕まえようとしても悉くシリルに逃げられる。
ゼインとログは目を合わせる。
「仕方ねえ。諦めるか…」
「そうだね」
ゼインは研究の続きを再開し、ログはベッドで横になる。
やっと諦めたかニャ。
シリルは警戒しながらも家具の隙間から顔を出すが、ゼインやログから一定の距離を保つ。
暫く何事もなく過ごした後、ゼインがシリルに呼び掛ける。
「ほら、シリル。おやつだぞ」
「やったニャー!」
今だ!
おやつにがっつくシリルを持ち上げるログ。
「なんニャ!」
「ゼイン!」
「よし、きた!」
「止めろニャー!」
シリルは爪切りを構えたゼインの顔を思いっきり引っかく。
「くっそがああ!」
◆
翌日。
皿におやつを出し、その上に紐をくくりつけたバケツを置く。
これならおやつを食べた瞬間、捕まえられる。
しかし、シリルは全く食べようとしなかった。
さすがに見え見えの罠だと騙されないか。
一体どうしたものか。
「どうしようか…」
「うーん…」
頭を悩ます二人の視界に日向ぼっこしながら眠るシリルが目に入る。
二人は無言で頷き合う。
ゼインは起こさないようにそーっと爪を切る。
「寝てるときに切れば早かったね…」
「だな…」
目を覚ましたとき、その爪の短さに気が付くシリル。
「ニャー!シリルの爪がないニャ!」
「これで思いっきり遊べるね」
暫く怒っていたシリルだったが、おもちゃで遊んでいるうちに、すっかり忘れてしまっていた。




