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ゼインは調合したい  作者: トウカ


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おまけ 知りすぎているチェイズ

戦争が始まる前のある日常の一幕。


ホムラは魔物図鑑を熱心に読む。

ブラックシープの毛から服が作られてるなんて知らなかった。

こんな風に人と共存している魔物もいるのね。

それにしても、どうやってこの糸から服を作っているのかしら。


「チェイズ…」


ホムラが言い終わる前にチェイズは新たな書籍を差し出す。


「ホムラ様、こちら服飾の書籍です」

「凄い!なんで分かったの!?」

「これくらい簡単なことです」



その日の夜。

ホムラはベッドで横になるが、なかなか寝付けずにいた。

服飾の本を夢中になって読んだからかな。

ホムラは温かい飲み物をもらおうと起き上がる。


「チェイズ…」

「こちらです」


チェイズはホムラに温めたミルクを差し出す。


「チェイズ、さすがね。ありがとう」


ミルクを受け取ると、ゆっくり飲み進める。

身体も温まり、眠気が押し寄せてきた。


「美味しい…。これでよく寝れそう。ありがとう、チェイズ」

「それは良かったです。おやすみなさいませ」

「うん、おやすみ」


ホムラは安心したように眠りについた。



翌日。

ホムラは二着のドレスを身体にあて、姿見鏡で見比べる。

どっちのドレスがいいだろう。

でも、どっちもゼイン様の前で着たことあるし、デザインも少し古い気もしてきた。

うーん、どうしよう…。


「チェイズ〜…」

「新しいドレスをご用意致しました」

「わあ、ありがとう!綺麗なドレス!これにするわ!どちらも着古したなって思ってたの!」


ホムラは遊びに来たゼインとログに、これまでのチェイズの振る舞いについて機嫌良く話す。


「チェイズはね、私が言う前に私の思ってることを叶えてくれるの!」

「え?それなんかおかしくね?」

「うーん、ちょっと変わってるような…」

「普通ではないですか?」

「いやいや、普通じゃないって!」


ホムラもチェイズも当たり前のような顔をしている。

いくらずっと傍にいるからってそこまで分かるものか?

俺がおかしいのか?

そのとき、レイムがホムラの部屋に入ってくる。


「ゼイン!訓練の時間だぞ!」


ちょうど良いところに!

レイムさんにも聞いてみよう。


「さあ、訓練だ、訓練!」

「レイムさん、聞いてくれよ!」


レイムはゼインからここまでの経緯を聞く。


「普通じゃないか?俺だってホムラが何を求めてるのは何かわかるぞ」


レイムはホムラに手土産のスイーツポテトを取り出す。


「ほら、ホムラ。このお菓子食べたかったやつだろ?」

「違うわ」


チェイズがリーチェのケークを取り出す。


「こちらですね」

「そうそう!これよ!さすがチェイズね!」


レイムは衝撃のあまり、口を開けたまま言葉を失っていた。

シリルはてくてくとレイムに近寄ると、慰めるようにポンポンと足を叩いた。


「シリル…。君ってやつは…」


レイムはその優しさに涙が出そうになる。

すると、シリルは彼の手にあった菓子を見事に平らげた。


「美味しかったニャ」


そう言うと、シリルはあっさりと離れていった。

ゼインは暫くの間、意気消沈したレイムを励ます羽目になった。

…俺、いつまで慰めればいいんだろう。

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