ミリアの正体と僕の愛
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屋敷に帰ったサミュエルはどうしたらキャスが納得してくれるのか頭を抱えた。そしてミリアが近づいて来た時の気持ちの悪さ、一時的でも好きだと思った感情と、言いかけた言葉に強い嫌悪感を抱いた。
これは昔読んだ気がする魅了というものではないだろうか。
誰に相談すればいいのか考えた結果、遠い親戚に魔術馬鹿と言われている男がいることを思い出した。
ロビンソンは変人と呼ばれていたが、魔術の力は一流で王宮魔術師団で研究に励んでいると聞いたことがあった。
早速手紙を出し面会の許可を求めた。もちろんこの怪現象を匂わせた一文を添えて。早速食いついたロビンソンから会いたいと返事が来た。
屋敷に来てくれるというので学院の休みの日にお願いをした。
「サミュエル随分久しぶりだね。大きくなったな、五年ぶりくらいか?」
「覚えていてくれたの?」
「当たり前だろう、で、話というのは?」
そこでミリアという女の子と遭遇した時の気持ちの悪さを聞いて貰った。
「それは魅了で間違いないだろう。精神に干渉する魔法はこの国では禁止されている。使ったことが証明出来ればいいのだが」
「僕が囮になればいいの?でもどうやって証拠を押さえるの?」
「その時の状況をもっと詳しく教えてくれるか」
「式場の場所を教えてくれと言って近づいて来たんだ。真っ直ぐやってきたから思わず見つめてしまった。それに婚約者から聞いていた容姿にぴったりだったから驚いたのもあるかな」
「目を見たのが原因かもしれないな。
薬物だと捕まえやすいけど、目を見たからなんて言いがかりだと言われてもおかしくない。その子とは目を合わせないようにしなさい。それとこれをあげよう」
そう言って取り出したのは金色の小さなピアスだった。
「どんな拍子で目が合うかもわからないだろ、魔力よけだよ。安全のために着けておきなさい」
「ありがとう、助かったよ。このお礼はどうしたらいいかな?」
「そうだな、魅了の法則が分かれば嬉しい。精神干渉なんてしてはいけないってことをわからせたいかな。どこかの国のスパイが足がかりのために君を狙っているとか。何か他にも隠していることがあるんじゃないのか?」
変人だけど優しい従兄にキャスの予知夢のことを話しておくことにした。
「へえ、サミュエルの婚約者はすごいね。色々言い当ててるんだね。
逃したくない気持ちがわかるよ」
「それだけじゃなくて可愛いというか」
「わかった、わかった。だから余計気持ち悪くなったんだ」
「えっどういう事?」
「本当に好きな子がいるからかからなかったってことだよ。良かったね偽物に引っかからなくて。面白そうだから学院に行ってみようかな」
とロビンソンが呟いた。
「遊びに来るの?どうやって?」
「教師でもいいかも、三ヶ月くらいの」
「来てくれたら心強いけど出来るの?」
「出来るさ。上手く教師にねじ込んで貰おうかな。近くで見てみたい、観察したい、根本が知りたい。どうしてやろうか楽しみだね」
「そっちが本心なんじゃない?」
「危険とみなしたら処分しないといけないからね」
「危ない話になってきたね、まあ任せるけど。昼食一緒に食べてってよ。両親もいるからお礼が言いたいと思っているはずなんだ」
「じゃあ久しぶりにご挨拶してお呼ばれしよう」
昼食はシェフが腕を振るってくれ豪華なものになった。食後にお茶が振る舞われ応接間で話をすることになった。
「久しぶりにゆっくり食事をしましたよ。美味しかったです」
「良かったらいつでも来て欲しい、サミュエルが世話になるんだ。でも話が大きくなってしまったなあ、まさか大昔に禁止になった魅了が復活しているかもしれないとは考えなかった」
「私もです。見つけただけでもお手柄ですよ。悪くすると国家反逆罪に問われるかもしれないなんて考えているんでしょうかね」
「それはまだ無さそうだったけど、今にたどり着くかもしれない。高位の貴族と知り合ったら王族までいくのもありと考えてもおかしくはない気がする」
「今は子爵令嬢なんだね、早い内に手を打った方がいいですね。王族と結びつかれたら手が出せなくなる。国が無くなるかもしれない」
「ああ、王宮を魅了されたら終わりだ」
「怖い話になってきたね」
「まあ王族は魔法の耐性が強いし特別な魔除けのリングを腕にしているから大丈夫だろうけど。宮殿の職員は危険だ。
そうなる前に私がなんとかしないとね。今一番のターゲットであるサミュエルにより強力な魔力よけリングを作ってあげる、婚約者さんにも。何を考えているかわからない相手だからね」
「ロビンソン君なんとお礼を言ったら良いのかわからない。お礼は何がいいだろうか?大きな魔石か、それとも研究資金がいいか考えておいて欲しい」
「いりませんと言えば格好いいですが、魔石も予算もいつも不足しがちなので悩むところです」
「では両方で。くれぐれも息子たちをお願いする」
「任せて下さい」
そう約束してロビンソンは帰っていった。
サミュエルは早速キャスに会いに行く事にした。心配しているに違いない。
花束を抱えスイーツも買った。キャスは落ち込んでいるだろうか?僕が魅了にかからなかったって知ったら喜ぶかな。これからのことを沢山話そう。馬車の中でそんなことを考えていたらキャスの屋敷に着いてしまった。
すっかり顔なじみになった家令が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。お嬢様はお部屋でございます」
「ありがとう、お邪魔する」
そう言うとキャスの部屋に行きノックをした。
「キャス、大切な話があるんだ、聞いてくれる?」
「どうしても聞かないと駄目なの?」
「ああ、いい話だから聞いて欲しい」
そっとドアが開いた。不安そうな顔をした女の子がいた。
花束とスイーツのプレゼントを渡す。
「ありがとう、今お茶の用意をさせるわ」
昔から変わらないキャスの部屋だ。派手ではないけれど女の子らしい感じの温かい雰囲気の部屋、またここに来られて良かったと心底嬉しくなった。
お茶を飲んだ後ロビンソンに教えてもらった話をした。
魅了と聞いて納得したような顔をしていた。僕がやっと思い出したような話をキャスは抵抗なく信じた。
それで婚約破棄の話が出なくなるなら僕は嬉しい。
「僕を信じてくれる気になった?」
「ええ、未来は変わったのかしら。彼女がそんな人だったなんてこれからの学院が怖いわね」
「そうだけど、ロビンソンが何とかしてくれるよ。良い実験材料だと思っていそうだったから。来週から教師として来るらしい。なんかぼうっとしてない?いつもと感じが違うよ」
「ほっとしたのかな、実感が湧いてこなくて。サミーは甘やかしてくれていたけど、いつかいなくなるかもしれないと心の隅の方で、覚悟みたいなものをしていたから」
「馬鹿だな、ロビンソンも言ってたけど本当に好きな子がいるとかからないんだって。好きだよキャス、君だけだ」
そう言うと額に軽くキスをした。真っ赤になって俯いたキャサリンが可愛すぎる。
サミュエルが帰ってからキャサリンは小説のストーリーが変わってしまったのだと思った。私が行動を変えたからかなと思ったが五年をなかったことにされるのは嫌だった。
すっかり甘くなってしまったサミュエルを失うのも。
ミリアって魅了を使う人だったんだ。大分記憶が薄れて来ている。キャサリンは鍵の付いた日記帳を久しぶりに開いてみることにした。
そこにはサミュエルのほかに宰相の息子、騎士団長の息子、王子様、学院の教師の名前が書かれていた。
こんなに色々な人から好意を貰って人生を楽しく過ごそうとしていたのかしら。皆婚約者がいるのに、その人達を不幸にしてまで。
最後は王子様と婚約するけど、幸せは長続きしなかった。王子妃の教育が大変だったのね。
指導の方が魅了にかからなかったってことね。
王子様は政略で隣国の王女様と結婚されたと書いてある。
これも罰なのかもしれない。えっ、学院の教師の名前がロビンソン?
そこは間違っていない。大丈夫かなロビンソン先生。
新任の教師ロビンソンは色々な準備をして学院へ赴任した。
朝一番にサミュエルを捕まえ魔力よけリングを渡した。キャサリン用は金色の細い鎖を使ったブレスレットにした。
そして目を見ても平気なように特殊なメガネをかけている。
身なりを整えているので、どこから見ても貴公子のようにしか見えない。
サミュエルが変身ぶりに驚いていたくらいだ。
向こうから寄ってくるだろう。まずは油断をさせてこちらに引き込む。それから魅了返しをしてやる。そしたら実験材料だ。魔術師団長の許可は取ってある、楽しみだ。
まずはAクラスの授業をやってみようかな。
「皆さんおはよう、今日から三ヶ月という短い期間だけど君たちに魔術を教えに来たロビンソンといいます。
一応何でも出来るけど得意なのは氷魔法、今から見せるからね」
と言いながら教室中に氷の花を作った。
生徒たちは歓声を上げて喜んだ。
「凄いです先生、練習すれば出来るようになりますか?」
「うん頑張ればね。でも氷特性の生徒だけだね。他の子は自分の魔法を伸ばすようにしてね。それぞれ得意な魔法をやってくれる?見に行くから」
生徒たちの心を一瞬で掴んだロビンソンは人気教師となった。教室の中で浮いているのはミリアだった。男子学生達が色々教えているようだが、適性が魅了では他の魔法は出来るはずもない。女子生徒からは遠巻きにされている。
近づいてみたら、上目使いで
「先生、魔力が弱いみたいで使えません」
と泣きついてきた。
「大丈夫、魔力が少なくても他の教科を頑張ればいいだけだから、卒業は出来るよ」
その時悔しそうな顔をしたのを見逃さなかった。
予想通り放課後に教員室にやって来たミリアは目をウルウルさせて魔力の練習がしたいと言ってきた。
なんて予想通りの行動、ロビンソンは可笑しくなった。
「君だけを特別扱いするわけにはいかないんだ、わかってくれる?他の生徒の手前もあるしね」
そう返すロビンソンに魅了がかかっていると思ったのか
「どこでなら教えてくださいますか?」
と言ってきた。
「君には言葉が通じてないらしい。君だけを特別には出来ないと言ったんだけど。まあいいや一回だけ校庭で見てあげよう。それでいい?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあこれから行こうか」
校庭まで連れて行き真っ直ぐ目を見てきた時に魅了返しをした。
魔術研究所に連れて行き自白魔法をかけた。
自分はこの世界のヒロインで高位貴族は思いのまま操ることが出来、王子様さえ虜にすることが出来ると、訳のわからないことを喋ってくれた。
王宮の牢に入れる案件だと思ったロビンソンは、騎士団に引き渡す事にした。もちろん自白魔法をかけたままで。
事を重く見た騎士団長は国王に判断を委ねることにした。
「王子まで狙っていたのだな、極刑で良かろう。頭が可笑しいとしか思えん」
「御意に」
「ロビンソンと申す者に褒美を与えねばなるまい、考えておいてくれ宰相」
「その者が気がついてくれなければ、王宮は頭の変な女に乗っ取られていたかもしれないのですからな、呼び出して報奨を与えましょう」
ミリアは元貴族だった母が平民の父と結婚して出来た娘だった。貴族として育てた娘が家出も同然に平民と結婚をしたのだ。怒り狂った父親は家から籍を抜いた。
父は商売をして成功をしていたが、ある日事故にあい帰らぬ人となった。
それまで父に甘えて暮らしていた母と娘は生活が苦しくなった。炊事、洗濯、買い物その上仕事となると、どうしていいのか分からなくなってしまった。
流行りの病にあっけなくかかり母もいなくなってしまった。ミリアが、十三歳の時だった。
ボロボロの家で膝を抱えて困り果てていた所にやって来たのが、母の兄であるルイス伯父だ。
会っていきなり、平民と結婚するからだと言ったのだ。
ぽかんと顔を見上げたミリアに今日から家へ来て住むようにと言ってきた。
お腹をすかせているよりはいいかと思いついて行ったら、日当たりの悪い部屋を与えられた。
母にそっくりの姪を見捨てられなかったが、勝手なことをした妹も許せなかったようだ。
魅了の魔法に気づいたのは、そんな伯父が優しくなったからだ。急に優しくなり部屋を替えてくれ、礼儀、食事のマナー、勉強やダンス。家庭教師を手配され一気に詰め込まれた。
最初は気持ちが変わったのかと思っていた。ところが伯母や従兄、使用人たちの態度まですっかり変わったのだ。
試しに屋敷で一番嫌われているメイドのメグに近づいて目を見て言ってみた、貴女私が嫌いよねと。
嫌がらせの様なことまでされていたのに、「とんでもないことでございますお嬢様」と言い出した。
驚いたわ、悪い夢でも見ているんじゃないかと頬をつねったけど、夢ではなかった。
ゆっくり眠ったら覚めるのかと思ったけど、前世みたいな夢を見た。
この世界は小説の中で、私はヒロインだった。
十五歳で学院に入ったら魅了魔法を使って色々な男の子を落としていく。狙いは王子様だけど最初が侯爵令息のサミュエル、次が学院教師のロビンソン、次が宰相の息子リュカ、次が騎士団長の息子ビリー、最後が王子様ってわけ。
目を見るだけで皆が虜になる夢のようなお話。
そこで目が覚めたの。続きが見たかったけど無理だった。
学院の入学式でサミュエルを見つけたから、声をかけたのに逃げられてしまったの。どうして?確かに目が合ったのにおかしいわ。かっこいい人だった。
同じクラスだったはずだからこれからね。
次の週にロビンソン先生が臨時講師として来た。小説の通りだわ。魅了魔法を知られるわけにいかないから、魔法を使う練習に付き合ってくださいって、あざとくお願いしたら叶えてくれた。でもそこまでだった。
私は牢の中で罰を受けるのを待っている。何もしていないのに。ただもてたかっただけなのに。
国家反逆罪って言うそうよ。そんな事は考えてもいなかったわ。王子様を狙っていたと言ったのが失敗だったみたい。
何故か全部話したくなってしまったの、不思議だわ。
伯父様たちに迷惑がかからないといいのだけど、お母さんが飛び出して心配させて私までこんな事になって反省してるの、本当よ。
ミリアは極刑にされた。ただ伯父一家は何も知らなかったため子爵から男爵へなるに留まった。
ロビンソンはこの度の功績で、伯爵家三男から独立し子爵位を賜り、報奨金も沢山貰って研究に励んでいるとのことだ。
伯爵でもどうかと言われたらしいが研究の時間が減るのでと断わったという。
やはり思った通りだと皆から言われたそうだ。
サミュエルが頑張ってくれたお陰で事件は丸く収まった。結局ミリアは何も出来なかった。企てただけで極刑って気の毒だと思うけど、怖い魔力だったのでどうしようもなかったのかなとキャサリンは思った。
そうだ、ヨハン兄様に報告しておかなくては。心配をかけたからお茶に招待しようとキャサリンは考えた。
キャサリンとサミュエルの結婚式はキャサリンが学院を卒業するのを待って執り行われる事になった。
教会はサミュエルの領地にある立派な建物だ。サミュエルの両親はじめ親戚一同、もちろんロビンソン子爵も来てくれた。キャサリンの方は両親と弟、ヨハンとその両親だ。
真っ白なウエディングドレスはキャサリンの美しさを輝かせ、大粒の真珠のイヤリングとネックレスはキラキラと花嫁の美貌をより華やいだものにした。
ダイヤのティアラの付いたベールを仕上げに着けてもらうと、まごうことなき美姫だった。
正装したサミュエルは整った容貌に、細いながらもしまった筋肉のついた身体が服の上からもわかる美丈夫に成長していた。
「僕の花嫁はなんて美しいんだ。女神のようだ。羽が生えて飛んで行ってしまいそうで怖くなるよ」
「サミュエルもとっても素敵」
「ああ、やっと僕のものになったんだね。離さない」
二人は祭壇の前で永遠の愛を誓った。ベールを上げて花婿がキスをすると拍手が聞こえた。
「結婚おめでとう、幸せになることを祈っているからね」
ロビンソン子爵が夫妻にお祝いの言葉をくれた。
そしてサミュエルにこっそり囁いた。「材料は生かして有効に使った」と。
「今は遠くの修道院でなんとかやっているみたいだよ。監視は付けているから安心して」
と謎の言葉を残して帰って行った。
「ロビンソン子爵はサミーに何か言ったの?」
「うん、おめでとう、何の心配もいらないよってね。さあこれからパーティーだ。もう少し頑張ろうか?」
「ええ、本当に七歳の時に正直に話してよかったなって思ったわ」
「いきなり婚約しないで下さいなんて言うから驚いたけど、面白くて可愛い子だなって惹かれたんだよね。愛しの奥さま」
真っ赤になって、俯いたキャサリンが堪らなく愛しくなった
サミュエルはぎゅーっと抱きしめた。
パーティーを先に抜け出したキャサリンは侍女達にお風呂に連れて行かれ磨かれた。心もとない薄い寝間着を着せられ、新しく整えられた夫婦の寝室でサミュエルが来るのを待っていた。
照明は薄暗く花の香りが漂っていた。軽く飲めるお酒もとレモンの入った水も用意されている。
パーティーで少しお酒に口を付けていたキャスは水を飲むことにした。
ドアを叩く音がして、返事をするとサミュエルが入ってきた。
しっかり乾ききっていない髪が可愛いと思った。
拭いてあげるから、タオルを貸してというと頭とタオルをキャスに預けるのでキュンとしてしまった。
髪を拭いていると腰を抱いてきて、そのままキスをされた。
最初はそっと触れるようなキス、額、瞼、頬、唇に首。そのうち唇への深い大人のキスに変わった。
サミュエルの色気がだだ漏れでキャサリンは、体の力が抜けるような感じがした。
その合間に愛を囁いてきた。サミュエルの大きな手が優しく胸を揉みしだく。飾りを口に含まれるとキャサリンは、何も考えられなくなった。
明るい日差しが差している。随分眠ってしまったようだと急いで起きようとしたが重いものに邪魔されていて無理だった。
横を見ると昨日夫婦になったサミュエルに抱きしめられていた。
サラサラの青みがかった金髪に、長いまつげ、毛穴一つなさそうな白い肌。こんな人が旦那様、夢みたい。いやこれは現実だわ。
目を覚ましたサミュエルがにっこり笑った。
「おはよう僕のキャス、食事はここに持って来させよう。君の可愛い寝起きの顔は見せたくないし、誰にも二人の時間を邪魔させない。残念だけど少しの間室内着を着てくれる?また直ぐに脱がすけど」
「ええっ、昨夜あんなに愛し合ったのに。それに初めてなのに…」
「僕の愛はあんなものじゃないよ、今まで我慢したんだからね」
侍女にシーツを取り替えて貰い、朝食のパンとスープ果物をなぜか食べさせられているキャサリンだった。恥ずかしがると
「昔もよく食べさせてあげてたじゃないか、今さらだよ。膝にも乗せてたよね。忘れたの?」
「この頃はなかったし、昨夜の事もあるから」
恥ずかしそうにモジモジするキャサリンが可愛くてまたキスをしてしまった。
僕の愛は君だけだよ、他の誰にも捧げない。
誤字脱字報告ありがとうございます。そして読んでいただき感謝、感謝、感謝です。
もう少しでキャサリンに見捨てられそうだったサミュエル君、頑張りました。
やったのは遠縁の魔術師ロビンソンでしたが。
実は極秘で報奨の一部としてミリアを研究に使っても良いと許可を貰い、意思を無くした状態で研究室に連れて行きました。目に色々魔法をかけてみたようです。いかがわしさは微塵もないと胸を張って言えるそう
です。
魅了の原因は掴めたのかわかりませんが、何年もかかる研究だそうです。
次作「亡くなった姉の婚約者と結婚したらおもがけない溺愛が待っていました」を書いています。
よろしくお願いします。




