表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢VS黒ヒロインVSインクイジター【第二部連載中!】  作者: まつり369
第二部 第三章 新しい仲間と新たなストーカー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/142

4  ★


 そこに現れたのは、黒髪で瑠璃色の瞳の美女――ディアドラ・フラウカスティア伯爵令嬢だった。


 彼女はミラフェイナたちと同じくグランルクセリア王国出身の生徒で、アシュトーリア王国の大公と婚約した未来の大公妃である。


 この場で知る者は少ないが、オージェハイド学園長は、その大公の手の者だった。


「これはこれは、妃殿下」

「その呼び方はやめて下さい」


 ディアドラは僅かに頬を赤らめて咳払いの仕草をした。


「……巻き込まれた方というのは、私の友人でもあるのです。彼女の無実は、私が証明しますわ」


 ディアドラがそう言うと、居合わせたミラフェイナが賛同した。


「わっ、わたくしもですわ!」


 他国の有力貴族はともかく、アシュトーリア王家に加えてオージェハイドが仕えるシェイドグラム大公家の嫁まで出てきてしまっては、学園長に為すすべはない。そもそも、インクイジターに協力せよというのは大公の命令である。


 オージェハイド学園長は、満を持して手元の小窓に語りかけた。


「……と、いう訳ですが。いかがでしょうか? インクイジター」

『仕方あるまいな』


 ()()()()から答えたインクイジターの声が響く。

 思いのほか、すぐにインクイジターが答えたので一同は驚愕した。


 実は小窓の通信はずっと開いていて、こちらの会話はインクイジターに筒抜けだった。それでも裁判をしながら外の会話も聞いていたのには驚きである。


『今回の件は不問とする……が、毎度巻き込まれる事情は後日確認するとしよう。――ほれ』


 法廷(むこう)側で指をパチンと鳴らす音が聞こえると、精霊術の映像の前に光が現れて人ひとりを吐き出した。


「……ほえ? って、ふぎゃ!?」


 床に落ちたアミ・オオトリが顔を上げ、頭と腰をおさえている。


「いたた……」

「――アミ!」

「アミ様っ!」


 リクはあっさりとカレンの腕を放し、アミの方へ駆け寄った。ミラフェイナも安堵して駆け寄って来る。


「アミ、大丈夫?」

「う……うん。何だか分からないけど、出られたみたい。さっきは出られないって言われたのに……」


 アミは周りを見回した。リク、ミラフェイナ、スピリニラ、ディアドラ、他にも知らない生徒や他科の教員と見られる人間もいた。


「もしかして、みんなのおかげかな?」


 リクは、こくりと頷いた。アミは若干あせったような顔をしてから、しゃきっと立ち上がってガバリと腰を折る。


「ご、ご迷惑をおかけしました!」

「もう。まったくですわ。すごく心配しましたのよ」


 ミラフェイナが後ろで苦言を呈したが、すぐに優しく微笑んだ。


「ほんとにごめんね……。リクも、ありがとう」

「あなたが無事なら構わないわ」


 リクも口端に力を入れて、努めて笑ってみせた。

 アミが戻り、ひと段落したところでディアドラが言った。


「……さあ、皆さん。エクリュア姫様がお待ちかねです。急ぎませんと」

「大変ですわ! 姫様が待ちぼうけですわ!」


 思い出したミラフェイナも、急にあせりだした。


 どうやら誰も待ち合わせ場所に来ないので、エクリュアの代わりにディアドラが様子を見に来たといったところだったのだろう。


 約束通り、皆でサロンに行くようだ。リクは少し待ってほしいとことわりを入れ、カレンの方へ頭を下げた。


「ごめんなさい。乱暴なことをして。どんな罰でも受ける覚悟だ」

「リク!?」


 戻って来る前のことを知らないアミが、驚いてリクとカレンを見た。

 カレンはしばらくリクを見つめて、首を振った。


「頭を上げて下さいなのだ。……あなたは、友達を救いたかっただけ。手段は間違っていたけれど……」

「そうですね」


 同意したのは、担任のプラサード司祭だった。


「リク・イチジョウ。神学を志す者が、ましてやあなたはグランルクセリアの聖女候補ではありませんか。物事(ものごと)を解決する時に、暴力に頼ってはいけません。明日、反省文を提出するように」


 今度はリクが驚いたような表情で担任の顔を見た。


「それだけ……ですか? 謹慎(きんしん)とか……」

「新学期から謹慎にしていては、何も教えられません」


 と、プラサード司祭は言った。


 リクは学園長の方も見たが、学園長はただ頷くのみであった。反省文以外のお(とが)めはナシということらしい。


 簡単に放免(ほうめん)されてすぐに喜ぶほど、リクは子供ではない。これを受けてよいものか、リクはしばし逡巡(しゅんじゅん)してしまう。


 そんなリクの無言の途惑いを見て取ったプラサード司祭が、手をパンと叩いて空気を変えた。



「さあ、あなたたちはもう帰りなさい。明日からは授業が始まりますよ。今日のことを引きずっていてはいけません。いいですね?」


「……はい」


 プラサード司祭に促され、神学科生のリクとイングリッドが退室を始めると、ディアドラも学園長にお辞儀をして(きびす)を返した。魔法魔術科組のアミやミラフェイナ、スピリニラも(あと)を追って退室した。












ディアドラ、久しぶりの登場です。

未来の大公妃として、例の黒幕先生(第一部参照)とはうまくやっているようです。


キャラ増えてきましたが、皆さんついてこれてますかね?

大筋に関わるキャラ以外、なかなかイラスト化できないのがツライところですね……。


という訳で、星評価を下さい。

たくさん評価を頂ければ、もっとイラスト化できるかもしれません……!

まだイラスト化してないキャラで、見たいキャラなど添えてご感想頂ければ、可能性が広がります!

ぜひよろしくお願いしますm(_ _)m


転生/転移者・攻略対象等まとめ

【花ロマ】

・ヒロイン:ユレナ ✖死亡

・悪役令嬢:ディアドラ ♡アシュトーリアの大公と婚約

・攻略対象1:クリスティン王子 ✖失脚

・攻略対象2:ダニエル たぶんもう出てこない男たち

・攻略対象3:セイル       〃

・攻略対象4:ロラン       〃

・攻略対象5:リチャード     〃


・モブ王女:エクリュア グランルクセリアの次期女王



↓こちらのピンク髪ヒロインは地獄送りになりました(第一部第十八章3話参照)。

ディアドラはこれからも出てくるので貼っときます。

このイラストの制服はグランルクセリアの貴族学院のものなので、今回はアム学の貴族科制服を着てます。

(貴族科のキャラもそのうちイラスト化します……!)


挿絵(By みてみん)









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ